副業スポコンで稼ぐには、本業を頑張るのが手っ取り早いという話。
2022年から、本格的に副業スポコンを始めたのですが、大変ありがたいことに、1年間で、面談とアンケート合わせて100件以上の案件を依頼いただきました。
手探りではありましたが、1年間経験してみて、継続的にスポコンを受託するために、重要なことが見えてきた気がします。それは…
副業スポコンで稼ぐためには、本業を頑張るのが一番手っ取り早い
ということです。今日は、この考えに至った背景を考察してみたいと思います。
どのようなスポコンを受託しているか?
スポコン案件は、実に幅広い職種・業界に関するものがあります。私の場合は、ごく普通の会社員として、バイオテクノロジーを用いたヘルスケア関連の仕事をしており、生き物を利用したモノづくりや、バイオ実験、ヘルスケア関連の事業開発、委託製造などの専門知識があるので、主にはその辺の専門的な依頼を受託しています。
依頼主は何を求めているか?
1年間経験してみて、スポコンの依頼主には、大きく2種類のタイプがあることがわかりました。1つは、いわゆる、コンサルティング会社で、もう1つは、いわゆる事業会社です。それぞれについて、一般的にどのような成果物をスポコンに求めているのか考察してみました。
コンサルティング会社が求めていること
まず、コンサルティング会社です。言わずもがな、コンサル会社は、自身で何か事業をおこなっているわけではなく、様々な業界のクライアントの抱える問題を解決することを生業としています。
コンサル会社自体がクライアントの事業に対して、必ずしも深い知識を持っているとは限らないため、多くのプロジェクトでは、まず環境分析のため、業界を俯瞰する情報を得ようとします。
実際に受けた依頼の多くは、私の専門とするヘルスケア・バイオテック業界における主要プレイヤーや、環境変化、成功要因に関する知見提供でした。
ここで注意が必要なのは、コンサル会社は、ただ情報を集めているだけではなく、何かしらの軸(フレームワーク)で「分析」しようとしていることです。そうすることで、クライアントが見えていない、「インサイト」を得ようとしているのです。
このようなニーズにこたえるため、スポコンを受ける側としては、
彼らがどのようなフレームワークを用いているか、
個別の情報がどの枠に落ちるか
ということを意識して知見提供する必要があると感じました。場合によっては、使っているフレームワーク自体が適切ではないこともあるので、代替案も含めて、指摘することも重要だと感じています。
事業会社が求めていること
次に、事業会社の求めることについて考察してみたいと思います。コンサル会社と違い、事業会社が最重要視していることは、サービスや製品を販売することです。たいていは、以下の目的のために、スポコンを利用しているように見受けられました。
新規サービス・製品に対する期待顧客のニーズ調査
市場調査
現在、事業で直面している実際の課題に対する解決策の模索
まず、新規サービス・製品のニーズ調査に関してです。開発状況にもよりますが、コンセプト図やプロトタイプを見せていただきながら、使い勝手やニーズへの効用などを質問いただくことが多いです。このような場合、個人的にはできるだけ率直にフィードバックすることを心掛けています。
次に、市場調査に関してです。昨今、異業種からヘルスケア業界への参入が頻繁に検討されているようで、市場の構造などを聞かれるケースがあります。
このようなときは、公開情報(市場規模、主要プレイヤーのウェブサイト、既存技術など)をもとに、ソースを示しながら知見提供するというアプローチをとることが多いです。そのために、使いまわせるソース情報はアーカイブしておくと、非常に便利です。
最後は、実際に直面している課題に対する解決策です。技術的課題やビジネス面での課題など、多種多様な問題がありましたが、本業の営業秘密に抵触しないよう、非常に気を付けなければならないポイントです。課題を何とか解決したいという気持ちも重要ですが、ここはあくまで「一般論」としての解決策を提示するよう心がける必要があります。
結局のところ、知見の源泉は「本業」にあり
さて、これまでスポコンの依頼主のニーズについて考察してきましたが、これらニーズにこたえるためには、以下の知識を有している必要があります。
ヘルスケア業界でどのような主要プレイヤーがいるか
どのような環境変化が起こりつつあるか
業界を俯瞰するためにどのようなフレームワークが適切か
各バリューチェーンにおける課題とニーズは何か
成長市場はどこか
よく考えてみると、これらの知識は、結局のところ、本業の業界に精通していればおのずと身についている知識です。しかし、ただ漫然と目先の業務をこなしているだけでは、なかなか全体像を把握することが難しいと思います。本業を通して、かなり意識的に、周辺産業も含めて業界全体をモニタリングし、最新状況にアップデートしておく必要があるのです。
その結果、俯瞰的な知識が蓄積され、副業のスポコンにも活かされるというわけです。というわけで、冒頭の、
副業スポコンで稼ぐためには、本業を頑張るのが一番手っ取り早い
という結論に至ったわけでした。今年も、まずは、本業をしっかりとこなしてき行きたいと思った次第です。よろしければ、ご参照ください。