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雲が進む


それはもう本当にゆっくりと、雲が進む。
のろまな雲と私の間には静かな風が通ったり、緑がさわさわと音を立てて揺らいだり、部屋のカーテンには木漏れ日が写り不規則に靡いていたりする。その様子を眺めている私はいつもよりもロクデナシっぽい感じ。脳みそが物事を感じる速度は緩やかになって、心にはモラルがなくなって、何もかもどうでもいい感じ。そうしているうちにただぼぅっと窓の外を眺めていたあの頃を思い出す。
そういえば幼い頃はいつも母の隣に座り、車の窓を全開にして、顔を出して風を浴びた。電柱の数を数えたり、ささくれを気にしたりしていた。
どこにいくにも時間があった。
退屈と同じくらいの自由があった。


大人になるにつれて私たちには時間がなくなる。今日も24時間分、死に近づいた。なぜかわからないけど、退屈にしていたらイケナイような気分になり、何故かわからないけど自由がないような窮屈さがある。でもそれらは全部、思い込みなんだよな。

地球の毎日は24時間だし
全員歳を取る。そしてみんな、ほんとうは自由だ。


私たちは常に自由だ。本当は自由なんだ。それなのに自由じゃないと言い張り、仕事に行ったり、仕事を恐る恐る休んだりする。進学したら良い子で、しなかったらロクデナシみたいになる。自由を許してないのは、世間を信仰する自分なのかもしれないよね。日本人の宗教はいつでも世間様だ。神様よりも、隣の家の人にどう思われるかとか、そんなみみっちいこと考えて生きているからつまんないんだよな。神様は私たちの味方だよ.あなたが自由であることを思い出して、好きに生きることを望んでいるよ。

たまには雲がゆっくり流れている空をボゥっと見つめて.誰に何を言われようがそういう時間の良さを確かめてみてもいい。この時間、この瞬間の生き方を自分で決めるといい。

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