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物への執着心を手放す

ぐるりと、部屋の中を見渡してみる。
散らかっているわけではないけどなんだか雑然として見えるのは、物が多いからだ。

子どもの頃から、物に囲まれた空間で生活してきた。
母は買い物が大好きで、物を買っては溜め込むタイプだったから、その影響は決して小さくはないという気はしている。
雑誌でモデルさんが身に付けていて、友人の持ち物を見て、テレビで紹介されていて、ネットの広告をついクリックして……
日常に潜むたくさんの誘惑にしょっちゅう負けて、わたしは「欲しい」と思った物を次々手に入れてきた。

高校生までは親からもらえるお小遣いの範囲でやりくりしていたのが、大学生になってバイトの稼ぎを好きに使えるようになると、大きな額の買い物もそんなに躊躇せずお金を使うようになっていった。

服、本、ハマっていたマンガやアニメのグッズ……。手に入れてもまた次々と欲しい物が現れ、決して減ることはなく、際限なく増えていく。

そして、買う理由なんて驚くほどいくらでも見つかる。「限定品だから」、「すぐ買わないと売り切れてしまうかもしれないから」、「大好きなマンガのグッズだから」……。

気付くと、一人暮らしの部屋も「物で溢れた空間」になっていた。時間が経って冷静に考えると、買わなくても良かったなあと思うような物もたくさん。

「大好きな物」に囲まれることに憧れていたけど、物が多いことは時にネックになる。
わたしの場合は、後先のことをよく考えずに家具などの大きな買い物をして、引越しのときに「まだ必要なかったなあ」と後悔した。

確かに、物が生活を豊かにしてはくれるけど、別に物がたくさん無くても豊かな生活はできるはず。

そう気が付いて、コツコツと断捨離を進めているところだ。メルカリに出品したり、リサイクルショップに持ち込んだり、それができない物は潔く、ゴミ箱へポイ。

「一年使わなかった物は一生使わない」と心を鬼にして、もったいないと躊躇する心を締め出す。そうやって「必要な物」と「必要ない物」を仕分けるのは、自分の「買い物遍歴」を振り返るいい機会にもなった。

本や雑誌は好きでたくさん買ったけど、何度も読み直すものは一部しかないなあ、とか、

ハマっていたアニメやマンガのグッズ、熱が引いてしまったら見向きもしなくなっていたなあ、とか、

あれば便利かもと思って買ったけど、結局全然使ってないなあ、とか……。

断捨離しながら自分の買い物傾向が分析できて、今後の行動を見直そうと思えたのは良かったと思う。

あれもこれも、と目移りして、惑わされて、色んなものに手を出しては放り出し、また次の何かを手に入れる……。
どうやらこれがわたしの悪い癖のようだ。もっと、今持っている物に目を向けて上手く活用しなければ。

だから、わたしは来年の新しいスケジュール手帳に一年のスローガンを書き込んだ。
「最後までやり遂げる!」
途中で放り出さない。新しい物に手を出す前に、今ある物で解決できないか考える。その上で「必要」だと決めたなら、その恩恵を実感できるまでしっかりと使い込む。

来年は、物を増やさない一年にしたい。そしてもっと身軽に生きていくのだ。

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