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winecodeに、ワインでサプライチェーンを効率化する「グループ間取引」機能を拡張。卸が飲食店の在庫管理を支援する時代に?!


ワインのサプライチェーン

サプライチェーンはモノが流通する一連の流れを指します。日本語で「供給連鎖」といい、例えばビールであれば以下を指します。

メーカーが麦芽やホップといった原材料やアルミ缶やガラス瓶などの資材を取引先から調達し、工場で生産した後、卸に販売。 さらに卸が酒飲店(飲食店など)や、スーパー・コンビニといった小売りに販売し、消費者が店頭で購入します。

https://www.sbs-ricohlogistics.co.jp/sbsrlsc/strengths/supplychain/about/

ワインにおけるサプライチェーンも広義でみると製造からを指しますが、多くが輸入品であるため、winecodeでは卸の仕入以降を指しています。つまりは

  • 卸/酒販店が仕入

  • 卸/酒販店が飲食店に販売

  • 飲食店が消費者に販売

現代において、ほとんどのサプライチェーンは飲食店が分断させています。すなわち、消費者は飲食店に何のワインがあるか見れず(何なら、在庫管理しておらず飲食店もよくわかっていない!)、店にいかないとわからない。

また、卸も飲食店の在庫をみることができないので、いいアイテムが入っても「特価」や「ここの飲食店はブルゴーニュが好き」ぐらいでしか薦められず、ほとんどは飲食店側が「この価格帯のこの白ワインない?」と言い出さないと売ることが困難でした。飲食店の取引のすべてを1酒屋が扱ってるとしても!

これまでの解決策

前者の「消費者は飲食店に何のワインがあるか見れず」は、今までのwinecodeがひとつの解決策になりえます。winecodeの基本機能は在庫管理と、そのデータを使ったワインリストの公開機能であり、兵庫県西宮市のフレンチ「ル ベナトン」では、Webサイトからワインリストを公開しています。


では後者の「卸も飲食店の在庫をみることができない」問題はどうか。winecodeにはワイン管理グループ機能と、そのグループへの招待機能があり、「winecodeでワイン管理をしてる飲食店が、卸をグループに招待した」時は問題は解決します。在庫だけではなく、いつどのワインが消費されたのかをみたり、

全取引(単価は隠しています)

数量や金額チャートから、その時の売れ行きをみることもできるため、卸としてもより多くのデータからワインをお薦めできるようになっています。

数量チャート

そう!今までの機能で、実はサプライチェーンを効率化できるようにはなっていたんです。飲食店が在庫管理をして公開していれば。

現実的な問題点

現実的な壁は機能と一切関係ないところで立ちはだかります。身も蓋もないことをいってしまうと「winecodeが使われていない」なのですが、そもそもITを使った在庫管理に取り組む飲食店が多数派ではないことです。

特に少人数でまわしているお店の有能なスタッフほど、大体の在庫を把握しているから欠品することなく発注することができ、困ることはありません。年度末の棚卸時に多少大変な思いをすればいいだけですので・・・。ITを使った在庫管理は、在庫回転率や不良在庫の発掘、また値付けの見直し、スタッフへの情報共有やオーナーの遠隔からの意思決定など様々な価値を生みますが、繁盛していて忙しければ二の次になりがちです。

実際、winecodeの採用店の多くは、ミシュラン掲載店であったり高級ワインを取り扱っていて客単価が高く、スタッフも複数いて情報共有のためのシステムが必須であり、また業務に余裕を作れるようなところです。ぶっちゃけた話、ほとんどの飲食店にそのような余裕はありません。

そのため、本来であれば高利益率を生み出すアイテムであるはずのワインの管理はおざなりにされ、「客は店に直接いって、スタッフに聞かないと何のワインがあるかわからない」「卸は注文受けるまで、欠品があるかどうかを知る術がない」といった現実が多くの飲食店にあります。つらい。

実際、winecodeの更新が止まったお店にヒアリングすると「更新してたスタッフが退職して余裕がない」「入荷アイテムが多すぎて無理だった」「他の業務が忙しくて」というコメントばかりでした。まぁ、開発者が聞きにきてるので使いにくくてとはいいにくいと思いますが。笑

卸が飲食店のワインを管理するという事業戦略

そこで、今回「グループ間取引」の機能を拡大しました。winecodeの管理が大変といっている飲食店は、私が知りうる限り大変なのは「データ入力」です。ワインの写真をとり、(ラベルからの自動生成機能はありますが)、銘柄をを打ち込み、販売額やテイスティングノートを書くのがもう無理と悲鳴をあげているわけです。

ワインの入力データ(一例)

そして、昔つくったワインリストをお客さんにみせるものの「これで」と聞かれると、欠品してると伝え、代替ワインの提案から、情報のない中でのテイスティングコメントまでしないといけないのが、多くの飲食店です。

これを卸がアイテムをwinecodeで管理し、販売する時にそのアイテムを飲食店に移動するという形にすると、今までの「ワインを売る」以外のとても多くの付加価値を飲食店に提供できると思いませんか?それこそ、飲食店側は複数社との取引から一社に絞るぐらいの。

また、卸からすると、一度入力したデータは複数の飲食店にそのまま提供できるために二度手間、三度手間は必要ありません。

winecodeで、卸が飲食店のワインを管理するための流れ

簡単に流れと利用すべき機能をご紹介します。なお、基本的な使い方はwinecodeのドキュメントをご覧ください。

1. winecodeに、卸と飲食店のグループをつくる

まず、卸と飲食店のワイン管理グループをつくります。ひとつはアカウント作成時につくってると思いますので、もうひとつのグループを [設定 > グループ > 新規参加] から作成ください。

グループの新規参加

続いて、飲食店のグループに、飲食店オーナーを招待します。飲食店の詳細から「招待コード」を確認できますので、それを相手に渡してください。

招待コード(例)

注意しないといけないのが、卸のワイン管理グループに飲食店オーナーを招待すると、飲食店オーナーは卸のワインの操作ができてしまいます。値段を設定したり、単価を下げたり。ですので、卸のグループには招待しないようにお気をつけください。

ここまでで

  • 卸のユーザ:卸のグループと、飲食店グループに参加

  • 飲食店のユーザ:飲食店グループに参加

という設定になりました。

2. 卸から飲食店へのグループ間取引の設定を「ユーザ」にする

では、卸グループにスレッドを作成して、飲食店に移動させてみましょう。移動時に、移動先グループを「ユーザ」にするかどうかのトグルが表示されます。

取引設定

ここで必ず、「ユーザにする」にチェックをつけてください。チェックをつけないままだと、飲食店は卸が設定しているワインの購入額や販売額をみることができます(※ 変更はできません)

そして移動すると、飲食店のスレッドにはロックアイコンが表示され、スレッドに設定された購入額や販売額はみることができず、自分自身の購入額や販売額を設定するようになります。

ロックされたスレッド

スレッドに販売額(卸価格)が設定されている場合、飲食店は購入額に自動的にその金額が入ります。

写真やテイスティングノートは、卸自身が設定したものが表示されるので、飲食店は販売額を決めるだけで提供を開始することができます。

3. (有料機能)ワインリストを公開する

winecodeではワインリストを公開する機能があるので、飲食店のワインの登録が完了したら、公開をおすすめします。個別URLが割り振られ、Webからお客様にアクセスしてもらえ、また店内でもメニューとして提供することができます。

店内でのワインリストの提供


まとめ

卸の話を聞くと、やはり取引先の飲食店には繁盛してほしいというところばかりです。

今までは値下げやまとめ買いに対しての特価という形でしかサポートが難しかったですが、ワインを通じた在庫管理、また在庫を確認しての効率的な営業支援、そしてワインリスト公開による集客とオペレーションの効率化等を通したサポートに切り替えてみても面白いのではないでしょうか。

それではまた。

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