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紅葉? 冬紅葉?

公園の紅葉がとても深みを増して、見頃になってきました。

さあ、紅葉で一句、という時、はたと困ってしまいます。

もう暦の上では冬なんだから、これは「冬紅葉」で詠まなければいけないんでしょうか。

秋の季語なのに、暦の上での秋には、「初紅葉」かせいぜい「薄紅葉」。さあ「紅葉」で詠もうとなった時にはもう冬なのです。

これは歳時記が確立した時点から、気候変動が起きた故なのか、はたまた別の理由によるのか、よくわかりません。

とくに吟行句会では、同じ景を見て皆それぞれ句作するわけですから、迷ってしまいますよね。

ある人は「紅葉」で詠んで、ある人は「冬紅葉」で詠んで、そこで議論にでもなったら、鍛錬会ならともかく、楽しむ句会では興ざめな雰囲気になりかねません。

強いて言えば、秋の「紅葉」は薄々とした色合いとこれから盛りに向かう生命感を楽しみ、冬に入ったら「冬紅葉」の色濃く深みを増して枯れに向かう憐れを愛おしむと言えるでしょうか。

まあ、そうは言ってもなんだか無理やり納得させられたような感は拭えません。

さあ、今日眺めた紅葉はやっぱり「冬紅葉」なのでしょうか。改めて考えても、ますますこんがらがってきますね。

今日はまあこのへんで。明日も素敵な季語と出会えますように。

RC



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