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レッドブルから集めたのに… ヴィトーリアへ渡った4選手の今

レッドブル・グループは、主に現在4つのクラブで構成されている。その4つとはRBライプツィヒ、レッドブル・ザルツブルク、ニューヨーク・レッドブルズ、レッドブル・ブラガンチーノ。

4クラブは密接に繋がっていて、選手や監督、スタッフの移動は活発。ザルツブルクからRBライプツィヒへ移籍していった選手は数多くおり、タイラー・アダムスやアンドレ・ラマーリョのように、アメリカやブラジルから欧州へ引き抜かれる例も(ラマーリョはレッドブル・ブラジル出身)。監督でいえば、今季からRBライプツィヒの指揮を執るジェシー・マーシュは、NYレッドブルズ監督→RBライプツィヒアシスタントコーチ→ザルツブルク監督→RBライプツィヒ監督という経歴だ。

「外部ネットワーク」拡充

それだけでなく近年では、ある特定のクラブと強く結びつくケースも増えてきている。例えばオランダのフィテッセは、リーフェリング(ザルツブルクのセカンドチーム)で監督を務めた経験のあるトーマス・レッチュを始めとして、スポーツディレクターや選手も"レッドブル系"を呼び寄せた。同様にドイツ2部のニュルンベルクや、イングランド2部のバーンズリーなどもレッドブルの人材をクラブに取り込んでおり、RBグループの「外部ネットワーク」は、年々規模を増している。

そして、ポルトガル1部のヴィトーリア・ギマランイスもその1つだ。ただヴィトーリアは、その恩恵をあまり受けられなかったクラブと言えるかもしれない。

ヴィトーリアは2020年に入ってから、4人のレッドブル選手を補強。ここで本題となるが、その4選手がどのようなキャリアを送っていったか見ていきたい。

エリアス・アブチャバカ

おそらく、4人の中で最も期待値が高かった選手だろう。

RBライプツィヒU19からトップチームに昇格したアブチャバカは、当時の監督ハーゼンヒュットルにプレシーズンマッチで起用されるなど期待されたが、徐々にトーンダウン。2部グロイター・フュルトへローンされたものの、ほとんど試合に出られずレンタル打ち切りに。かつての期待の若手は、フリーでヴィトーリアへ移籍した。

ポルトガルでも伸び悩み感は払拭できず、主戦場はBチーム。トップチームでの出場時間はわずか8分間である。

ノア・ホルム

RBライプツィヒU19でプレーしていたホルムは、トップチームからの契約オファーが届かずヴィトーリアへ。

しかし、初めてのシニアチームでのプレーに適応できず、リーグ戦16試合に出場してノーゴールという悲惨な結果に。

そして昨日、母国ノルウェー1部のローゼンボリへの完全移籍が決まった。

キム・ジョンミン

ラングニックがレッドブル・グループと関わるようになってから、ザルツブルクが獲得したアジア人選手は4人。南野拓実、ファン・ヒチャン、奥川雅也、そしてキム・ジョンミンである。

セカンドチームのリーフェリングではコンスタントにプレーしていたが、中々トップチームに絡めず、ヴィトーリアへ完全移籍。

だがアブチャバカ同様、ポルトガルでもBチーム暮らしに。

さらに、冬にローンで加入した母国Kリーグの江原FCでもセカンドチームに送られてしまい、シニアチームへの適応難を露呈してしまった。

現在は2部の釜山アイパークにローンされているが、ヴィトーリアとの契約が年内で満了となるため、このままフリーとなるだろう。

2年前、イ・ガンインらと共にU20W杯準優勝を果たしたMFのキャリアは苦しいものになっている。

ギデオン・メンサー

ザルツブルクでは、多くの若手がステップアップして選手の入れ替わりが起こるが、左SBは長らく不動のポジションだ。35歳のアンドレアス・ウルマーがその場所を守り続けているからである。

不幸にもウルマーと同じポジションのメンサーは、これまでシュトゥルム・グラーツ、ズルテ・ワレヘム、ヴィトーリアへローンされてきた。

ヴィトーリアではリーグ戦22試合に出場し、この4人の中で唯一戦力になったと言っていい。

現在はザルツブルクにローンバックされているものの、ヤイスレ新監督の構想にも入っておらず、今季も違うユニフォームを着ることになるだろう。

レッドブル産は保証にはならない

ブンデスリーガでは現在多くのレッドブル系監督が登用されているように、RBグループ外でも"レッドブル印"のブランドは日に日に高まっている。

しかしながら、今回ヴィトーリアが安住の地とならなかった彼らは、そもそもレッドブルチームで居場所をつかめなかった選手達。ブランドロゴに飛びついても、それが何かを保証してくれるということではないのだろう。

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