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書道「漢詩・涼州詞」


葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回

葡萄(ぶどう)の美酒(びしゅ)  夜光(やこう)の杯(はい)、
飲まん(のまん)と欲すれば(ほっすれば)  琵琶(びわ)  馬上(ばじょう)に催す(もよおす)
酔うて(ようて)沙場(さじょう)に臥す(ふすとも)とも  君(きみ)笑ふ(わらう)こと莫かれ(なかれ)
古来(こらい)征戦(せいせん)  幾人(いくにん)か 回る(かえる)

WIKIBOOKSより

ぶどうで作ったうまい酒を、夜中も光る杯(さかづき)に注ぐ(そそぐ)。
飲もうとすると、(誰かが)馬上で琵琶を弾いていて、酒興(しゅきょう)をそそる。
(たとえ私が)酔っぱらって、この砂漠(さばく)(=戦場)に倒れ伏しても、君(きみ、(二人称))よ、(私を)笑わないでくれ。
昔から、この辺境の地に遠征して、いったい何人が(生きて)帰ってこれただろうか。(私は生きては戻れないかもしれない。)

WIKIBOOKSより

ぶどうの酒や、「夜光杯」は、西域の特産物。「沙上」も、砂漠が多いのは、西域の特徴。
この誌に異国情緒(いこくじょうちょ)を出すための、作者(王翰)の工夫だろう。
しかし、詩を読みすすめていくと、戦場での不安を酒で紛らわしている(まぎらわしている)ことが分かり、情緒どころか刹那的(せつな てき)な快楽で紛らわしているのであり、その落差や対比によって、われわれ読者をゆさぶり、また、その落差や対比が、戦場の悲惨さを演出する表現にもなっている。

WIKIBOOKSより



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