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年収の考え方~相場か、バリューか~

先日LinkedInで「年収についての考え方」を投稿したところ、多数の方にリアクション・コメントをいただきました。

▼LinkedInのポスト

私の意見を要約すると、「年収は自分が作れるバリューに基づいて計算されるべし。また自分にかかるコストを知るべし。」です。

■コメントの中であった意見

①自分のコストを意識することへの共感

給与以外にも社会保険やその他手当や社員の職場環境を保つための固定費等、社員が自分で意識できるコスト以外にも人にかかるコストがかかっているという事に対して、主にそのコストを見ている側の方(経営者や、労務担当の方等)から共感の声がありました。
「自分はいったいいくら「会社に利益をもたらしているのか?」という感覚はとても大切だと思います。」
「事業内容にも寄りますが、2倍から3倍は稼がないと、、、とはクライアントからも聞きますね。」

②フロント・バックオフィスの立場の違いによるプロフィット・コスト意識の違い

営業等、前線で利益を作っている人なら自分が生み出すプロフィットについて見えやすいものの、R&Dやバックオフィス等の間接部門で働いていると、自分のバリューを測りにくいのではという意見がありました。
「自分の成果が今期の売り上げに直接関わるならイメージしやすいでしょうが、R&D職の場合は場合によっては数年先の食い扶持を考えて行動していますので、自分のリアルな貢献を数字にするのって困難なんですよね…」

③企業規模によるコスト意識の違い

中小企業のほうが会社の業績が自分の給料に大きく影響する一方、大企業になるとそういったボラティリティが少ないことや、会社のコストを見る機会が少ないため、自分のコストを意識しづらいのではという意見がありました。
「大きな企業に勤めている方の多くは、結構年配の方でもこの事が見えていません。」
「規模の小さいところにいると良く分かるが、大きくなると分からなくなるのは傾向としてはあるかも知れません。」

■年収は何によって決まるのか?

また、投稿に対する共感の意見もありつつ、年収は相場で決まるのであって、バリューに基づく主張は間違っている(またはその方の意見と異なる)というコメントもありました。
もちろん、労働力の価値は市場の原理に従って変化すると思うので、相場も関係します。でも、今この時代だからこそ、私は相場よりも自分のバリューを重視するべきと思うのです。

①相場だけでは決まらない

確かに、希少価値が高く年収の高い職種と、相場として年収が低い職種はあります。例えばAIエンジニアは年収2,000万円~3,000万円で募集されていることもある一方、一般事務職は年収200万円~300万円程度で募集されることが多いと思われます。

しかし、同程度の経験・スキルを持った人でも、会社によって年収は異なることがあります。財務体力があり年収レンジが全体的に高い会社もあれば、そうではない会社もあります。扱う商材の単価や会社の利益率、コスト構造、人件費の考え方の違いによって、同じ売上がある会社でもどれだけ社員に還元されるかも異なります。

なので、少なくとも転職時点では、前職の年収をもとに次の職場の年収が決まるわけではないと思うのです。(もちろん、前職の年収を考慮してオファーを出されることが多いと思いますが)入社をして具体的に会社に利益をもたらしたことが示せれば、それに応じた会社の評価を得られるよう交渉することはアリだと思います。

相場はあくまで参考値であり、各社各論で年収が検討されるというのが私の意見です。

②報酬は個人と企業の合意・契約によって決まる。誰もが自分のコストとバリューを意識するべき

コロナ以降、「ジョブ型雇用」が広がるという意見があります。より雇用の形はゆるやかになっていき、一社のみに所属して収入の柱が一本しかないスタイルよりも、ジョブ単位で複数の企業に所属し、複数の収入減を持つスタイルが増えていくと思います。そうすると、その時々で、自分がいくらで売れるのか?を考える機会があると思います。

自分が参画することで、組織に対してどれくらいのバリューを提供できるのか?それを考えると、どれくらいの報酬(組織にとっては、コスト)を得られるべきなのか?という感覚を持つことになると思います。

正社員として所属したときのコストとは異なる文脈ですが(正社員雇用をすることで発生するコストとは別の話なので)、収入が個人と企業の合意・契約によって決まると考えれば、誰もが自分の提供価値について意識することは重要なのではないでしょうか。


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