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1人の永遠の願いの話

 「こういうのはね、皆にとっていいことを願うんだよ。」

 祖母から教わった。七夕のお願いは、どうしても叶わないことや、自分の努力ではどうにもならないことをそれでも叶えたいから星に願うのだと。

 自分の事なら基本的に何とかなるから、誰かのために願いなさい、と。

 だから小さい頃の願いは、

 「幼稚園の皆が元気でいられますように。」

 「お母さんとお父さんのお仕事がうまくいきますように。」

 とかだった。

 大人になってそのことを会社の皆さんに話すと、

 「いいお祖母さんだね。」

 と笑ってくれた。

 今年の願いもそんな感じにしようかと思って、総務の人から短冊を受け取った。

 どうしようかと悩んでいたら、さっきの話を聞いていた同期が言った。

 「たまには自分のために願ってみたら?」

 そう言われて、少し悩んで短冊に書いた。

 『願い事が出来るようになりますように。』


 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。


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