JUNK HEADのことば

『JUNK HEAD』という映画を観ました。(ネタバレあるので注意!)

「製作期間7年」「製作・撮影・証明・音楽・声優etc. すべて堀貴秀担当」「映画作りは独学」「SFカルトムービー」「ストップモーションアニメ」と、キャッチ―な文句が並ぶ映画です。

人間は不死を得たがその代償として生殖能力を失い、そして人間が作った「マリガン」という生命体が人間に反乱を起こし、それから1600年経ちマリガンは地下に独自に進化した世界を創っていた、という設定。

このぶっ飛んだ設定なうえに、マリガンというよくわからない生物が出てくる。しかも1種類だけではなく何種類もいるのだ。登場人物としては、マリガンが10種類くらい、とそのマリガンの世界にやってきた人間一人だ。

注意!以下から、ネタバレあります!



今回焦点を当てたいのが、この映画の「ことば」。マリガンも人間も、日本語でも英語でもない変なことばを喋っている。でも、マリガンと人間のことばは別のように聞こえる。よくわからなかったのが、なぜか人間は地下に来たらマリガンと同じ言葉を喋れるようになっているということ。これは博士が改良したのかな?

まあ、よくわからないけど、とにかくマリガン語と人間語があるということ。HPを見ると、マリガンが想像された年をA.G. 元年として、JUNK HEADの時代はA.G.3385年らしい。いつマリガンが想像されるのか知らないけど、今から3000年以上は先のことだから、人間の言葉ももちろん今とは変わっている。多分ここまで変化しているとなると10,000年以上先のことかもしれない。マリガン語は全くの謎。なんだろうな、人間の声帯から出ている音ではないから伝えづらいけれど、いびきが出るときのカラカラの音に似ている。

マリガン語でも人間でもおもしろいのは、ピッチがあって、声質や話し方が個体によって差があるということ。その話し方によって、それぞれの個体の性格がなんとなく伝わってくる。だから、マリガンにも人間味がある感じがして、見た目は機械とか怪物っぽいんだけど、私たちと同じ「生物」であることが感じられる。

もう一つJUNK HEADのことばでおもしろいのが、ちゃんと言葉になっていること。これは堀貴秀が作った人工の言語で、私たちは理解ができないものだけれど、適当にガーガー言っているだけではなくて、ちゃんと単語や文法を作っている気がする。文法レベルはわからなかったけれど、同じ単語が何度か出てくることはわかった。たとえば「ポン太」はマリガン語で「チョッピン」みたいなことばで、「ありがとう」もたしか出てきた。これは忘れた。つまり、少なくとも単語レベルはちゃんと固定したものを作っているということだ。文法も作っているのか知りたい。

マリガン語と人間語もどうやって作ったのだろう。人間の声帯から出る音ではないから、音声から創造したことになる。とすると、もしかしたら文字も作ったのかもしれない。たとえば「バー」という音は「>‘」という文字にしよう!などというように。

堀監督はもしかしたら2種類の人工言語を作りあげたのかもしれない。どういう体系になっているのだろうか。次は言語に注目して観てみたい。

では、興奮とともに、おやすみなさい。

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