ベストバイ2022 -エンタメ部門-

最優秀賞

死刑に至る病

5月に公開された白石和彌監督の映画。
阿部サダヲ演じる榛村大和という連続殺人犯が死刑判決を受けてからのお話しなのですが、これはネタバレを絶対にしてはいけないので、とにかく見ていただきたいです。

殺人犯というと人を刺したりなどの物理的な怖さを想像すると思うのですが、もちろんそういう物理的に怖いシーンもあるのですが、榛村の怖さはそこではないんですよ。精神的な怖さがあるんですよ。人を精神的に操り、それを楽しむだけ楽しんで、あとは殺すという怖さがある。

もちろんフィクションですから実在しない人物なのですが、榛村大和という人物がどういう人なのか気になってしかたがなくなっちゃって、映画を観終わったらその足で本屋に向かって、原作を購入しました。そしてその日中に原作も読んでしまいました。

5月に観たのですが、12月の今でも時々、この映画のことを思い出します。2022年ずっと心に残り続けた映画ということで、最優秀賞です。


優秀賞

愛がなんだ

今泉力哉監督の2019年公開の映画。
岸井ユキノさん演じるテルちゃんと、成田凌さん演じるマモくんの恋愛物語。

マモくんが付き合ってもないテルちゃんに思わせぶりな態度ばかりとるダメ男で、でもテルちゃんも都合の良い女になってなんでもマモちゃんに尽くしてあげちゃう。そんな物語なんですが、テルちゃんの、だめと分かっていながら尽くしちゃう気持ちが痛いほどわかるし、マモくんがダメな男なんだけど魅力的なんですよ。

私は公開当初は見過ごしてしまったので1月にNet Flixで視聴したのですが、この映画は、私のミニシアターで見たい映画ランキング1位です。


Selling Sunset

Net Flixオリジナルのリアリティ・ショー。
ロサンゼルスのセレブのための不動産屋が舞台。そこで働く従業員も、元モデル、元女優などのセレブの女性の方々。

この女性たちが強気でずっと喧嘩しているのだけど、それがなんだか魅力的なんです。元カレの悪口を言ったとか言わなかったとか、そんなくだらないことでずっと喧嘩しているのですが、思ったことをズバズバという彼女たちが少しうらやましく見えてくるんですよね。

で、なんといってもこんなにくだらないことで喧嘩している彼女たちですが、仕事面では何億という家をバンバン売っていく超キャリアウーマンなのが、また彼女たちの好きになっちゃうポイントでした。

むかいの喋り方で紹介されていたのがきっかけで見始めて、1-2月にかけてSeason4まで一気見しました。


佐久間宣行のずるい仕事術

佐久間宣行・著『佐久間宣行のずるい仕事術――僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた』(ダイヤモンド社)というビジネス本。

佐久間宣行のオールナイト・ニッポン0のリスナーなのですが、この本を佐久間さんが出されていたとき、ちょうど自分のキャリアに悩んでいて、つい購入してしまいました。

このような本って、なにを書くかではなく、誰が書くかって非常に重要なんだなとわかりました。その辺のおじさんが同じことを言っても響かないですが、毎週ラジオを聴いているあの佐久間さんが言うことだから、響くんです。

3月に購入して一気にすべてを読みましたが、そのあとも、自分の方向を見失ったときに、読み返しています。そんな、わたしの支えとなっている本です。


流浪の月

5月に公開された李相日監督の映画。
小学生の女の子・更紗を家に置いてあげた大学生の男の子・文は、誘拐犯として逮捕されるが、十数年後に二人が再開するという物語。

この作品はお話自体ももちろん良いのですが、なんといっても画が美しい。更紗役の広瀬すずさんの、大人っぽさと子供っぽさが混じった表情が本当に美しいんです。そして、子ども時代の更紗を演じた白鳥玉季さんと、文役の松坂桃李さんの二人のシーンも、なんともいえない雰囲気が忘れられない。10歳の更紗と18歳くらいの文が一緒に暮らしているのですが、そこに恋愛感情はなくて、でも家族というわけではない、温かすぎず冷たすぎない空気がずっと心に残っています。

これはシネコンの大スクリーンで観て正解な映画でした。


第77回 爆笑問題 with タイタン・シネマライブ

6月10日開催のタイタン・シネマライブです。
映画館からの視聴ではありますが、私の初めてのお笑いライブでした。

あまり漫才やコントには詳しくないのですが、爆笑問題とウエストランドのラジオリスナーなので、一回は行かなくてはということで緊張しながらもお笑いライブに行ってきました。
普通に声を出して笑っていいのかしら?などと不安だったのですが、おもしろすぎて、家みたいに声を出して笑えまして、大変楽しい時間を過ごせました。今度は生でお笑いを見てみたいな~。


わたしは最悪。

デンマークのヨアキム・トリアー監督の映画。8月に観ました。
ユリヤという女性の大学生から30歳頃にかけての人生をたどった物語です。

端的に言ってしまえば、私にはこれが向いているとかあれが向いているとか思って専攻や職業、恋人などをコロコロ変えてしまうというお話です。多分万人受けする映画ではないと思います。
でも、ユリヤがとても私に似ているんです。私には才能があるとか思ってしまったり、芸術家の男性を好きになってしまったり、でも一夜の恋にも憧れてしまったり…。一見ユリヤは魅力的ではない女性だけど、それでもそのユリヤに共感する人は多いと思います。

そんな、なにか私たちの心を掴んではなさない作品でした。

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