11月8日、日本で起こる3重の食 天王星-月-地球-太陽-水星
2022年11月8日。日本周辺では、
「月食中に天王星食が起こる」ということは様々採り上げられ話題になっていますが、実は2つではなく、3つの食が同時に起こります。
これは千年に一度という程度のレベルではありません。
このことは以前フェイスブック記事にも掲載いたしました。https://www.facebook.com/kiyofumi.tomii.3/posts/2674392706030734
(※ここでは用語の使い分けをせず、天体同士が重なり合う現象をすべて「食」の用語を使います)
誰にも見ることが出来ず、学術的にも価値関心がもたれないため、確かに起こっていてもその情報が発信されることのない 第1の食 が、この奇跡的なイベントの始まりと終わりを仕切ります。
第1の食 地球ー太陽ー水星 (水星食)
第2の食 月ー地球-太陽 (皆既月食)
第3の食 天王星ー月ー地球 (天王星食)
第1から順番に始まり、第3の食まで同時に起こる、
下図のような3重食になります。
この3重食は、日本を始め一定のアジア地域にスポットが当たっています。
3重食となるのは、地球上でこのエリアだけです。
ことに日本は、
その幕開けは日本の地平線と整列し、終了が日本の子午線と整列する
たいへん特別な場所となるのです。
・ここnoteには、時系列にこの現象の流れを記します。
・皆既月食などの一般的な解説は、他情報をご参照下さい。
・天王星食については後半に詳細を掲載いたします。
・また、このタイミングで行うアクシスアライメントについて最後にリンクを掲載します。
11月8日夕方から起こる「3重の食」
【日没・月出からの始まり】
日本中央付近では夕刻、
西の地平には、水星を飲み込みながら沈んでいく太陽、
そして東の地平には、昇ってくる満月、
この「地平線上の整列」から3重食は幕を開けます。
掲載した女の子が見上げている図は、3重食のときのイメージを表しています。
以下、この図を見ながら食の流れを追ってみます。
【1番目の食】
( 地球ー太陽ー水星 )
天王星-地球-太陽の3星の並びに、最初に加わるのは水星です。
夕刻、沈んでいく太陽の背後に水星が隠される"食"が起こるのです。
しかし太陽は光源であり、そしてあまりに眩しく、
この"食"は誰も見ることができません。
学術的にも価値関心は持たれないので、
実際に起こっているにも関わらず
採り上げられることもなく情報は発信されません。
多くの人には気づかれずに起こる、隠れた食です。
この"見えない”水星食が今回の影の主役となり、
全体の始まりと終わりを仕切ります。
前述のとおり、水星食は日本の地平線と整列して始まり、
水星を飲み込むとともに太陽は沈んでいきます。
水星が太陽に完全に食されるのは 16:30 頃です。
これで 天王星-地球-太陽-水星 4星が整列します。
水星食は、約20時間続きます。
【2番目の食】
( 月ー地球ー太陽 )
そして水星食の最中に、この整列に月が加わってきます。
上空へ昇っていく満月はやがて地球の影に入り込んでいき、
皆既月食が起こります。
眩しかった満月が、急激に明るさを失いながらこの整列へ最後に加わってくるのです。
その月の行手には天王星があり、
満月の明るさで眩んで薄れていたこの星が、
月が光度をぐんぐん落としていくのと相対して存在感を増していきます。
この時点で、月と並ぶ天王星の存在は浮かび上がり、
月がその存在を指し示してくれます。
【3番目の食】
( 天王星ー月ー地球 )
月は天王星と互いに正面衝突する形でクロスします。
皆既月食の最中に、赤銅色の月は天王星を飲み込んでいきます。
これは日本を含むアジア地域にいる人のみの現象です。
このとき、食の最中の食、その最中の食、
鎖のように3つの食が同時に起こっている瞬間がおとずれます。
女の子が見上げる図では、
右下の円、地球 ー 太陽 ー 水星 (水星食)
中央の円、月 ー 地球 ー 太陽 (皆既月食)
左上の円、天王星 ー 月 ー 地球 (天王星食)
これらが同時に起こって、この瞬間
天王星ー月ー地球ー太陽ー水星 5星が直線上に整列
月を見上げている女の子の視点からは
正面に ・・・ 天王星を飲み込んだ月
後ろの正面に ・・・ 水星を飲み込んだ太陽
その中央に ・・・ 自身
という、図のようなイメージになります。
自身がそこにいなければ食は起こらず、食など存在しません。
この現象を地上にいる目線のイメージで捉えてみると、
食はどこか "空の上" で起こっている現象ではなく、自身がそこにいて起こっていることがわかります。
この図をイメージして、皆既食の 月 と 天王星 を見上げるとき、
後ろの正面に 太陽 と 水星 を感じてみてください。
【3重食の終了】
月が天王星を覆い隠している時間は、長い地点で1時間程度。
整列に最後に参加した月は、
天王星を吐き出しながら、まず最初に列を離れていきます。
同時に月食も解けていきます。
22時前に本影食は終わり、23時には完全に元の満月に戻ります。
この日の夜半前までにクライマックスが終わります。
そして翌日。
昇った太陽が日本の子午線上に南中すると同時に、
その背後から水星が吐き出されます。
もちろんこの様子は見ることはできません。
隠れた食は、人知れず終わります。
水星食に始まったこの奇跡的な3重食は、
最後に水星食が終わり、これですべての食が解けます。
天王星食の各地予報
皆既月食中に起こる天王星食について、特に採り上げ詳細な情報を記します。
実際に眺めてみたい方のために、
全国99地点+台湾3地点の予報時刻と、代表都市での天王星食の見え方を作成いたしました。
食の瞬間に臨みたい方はどうぞ参考にしてください。
天王星食の様子
日本周辺では、皆既食中の月と天王星が交差します。
赤暗い月により天王星の位置がクローズアップされ、星空に埋もれたその存在が浮き彫りになります。
天王星が多くの人に視認されることは、これまでの人類史上ないことでしょう。
目に見えた動きがない天王星に対して、月の動きの方は早く、図中の白矢印の方向へどんどん動いていきます。
ですが、月はどっしりと存在感が大きいので、点のように光る天王星の方が月に近づいていくように見えるでしょう。
この食の瞬間の様子を目撃するには、天体望遠鏡があれば迷わずご用意いただきたいですが、双眼鏡でも見ることはできると思います。
ただし、天王星の明るさ(5.6等)では街中や空の状況によってもかなり厳しいです。。
双眼鏡の中でも、できるだけ口径の大きい明るいものがほしいところですが、、お持ちのものでもぜひチャレンジを。
「月の左下」に天王星を探す
月は 19:16 に完全に皆既食に入ります。
まぶしかった満月が、沈黙したかのように赤黒く明るさを落とします。
まず、20:00頃、双眼鏡を向けて「月の左下」に天王星を探してください。
もしこの時点で見つかれば、いけます☆
代表都市の 20:00の位置 図を参考にして、だいたいのあたりをつけてください。
(天王星の位置は黄色い〇でマークしてあります)
もし月の左下に星が見つかれば、それです!
20:00 の時点で「月1個分より近く」にあります。
是非、普段は見つけがたい天王星を探してみてください。
どうぞ見えますように。
「潜入」予報時刻が近づいたら
お近くの都市を参考に、大体の時刻の目安をもってください。
予報時刻は、各都市の市役所等位置で計算しています。
同じ都市内であっても、時刻はあくまで目安になります。
油断なく、数分前から目を離さないで、天王星が月に飲まれる瞬間を待って下さい。
双眼鏡を持つ腕のひじを手すりなどにのせ支えるなど、工夫してみてください。
普通の恒星は「潜入」「出現」は一瞬の現象ですが、天王星は点ではなく大きさのある円盤状ですので、
十数秒かけて消えていき、十数秒かけて現れます。
もしその様子が見られたら感動的ですね。
よりスリリングな「出現」
もしも「潜入」が見られたときには。
ぜひ「出現」にも挑戦されますようお勧めしたいですが、もはや月が明るさを取り戻しつつありますので、望遠鏡でないと厳しいでしょう。
月の裏側から急に現れますので、どこに現れるのか大体の見当をつけて、じっと待ち伏せします。
「出現」は難易度はかなり増しますが、潜入が見られた方はぜひトライを。
星が再び現れて輝き出す姿は、さらに感動的です。
今回の3重食については、フェイスブック記事にも記しました。
https://www.facebook.com/kiyofumi.tomii.3/posts/2674392706030734
ご注意
国立天文台からも主要都市における天王星食予報が一般向けに発表されています。
月食の様子も掲載されていますのでご覧ください。
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2022/11-topics02.html
ただし、こちらの天王星食(各地の予報)図には注意が必要で、これは肉眼や双眼鏡で眺める場合のイメージではありません。
国立天文台の資料は、天体望遠鏡で観測するときに便利なように「天の北極」方向を上にして月が描かれています。
見たままの月の「上」とは違いますので、お間違えなきよう、どうぞご注意ください。
3重食のアクシスアライメントのお知らせ
以下はイベントのお知らせです。
「レイエッセンス」と「スティルネスサウンド」を活用した、光と音の振動の共鳴。
レイプロジェクト唯我とTHE FOOLの共同企画です。
アクシスアライメントは、基本的に二至二分(春分・秋分・夏至・冬至)、その他天体の整列を活用し、そのタイミングに合わせ行っています。
今回のテーマは ”知の革命”
光と音のコラボレーションである「レイエッセンス」と「スティルネスサウンド」は、自身の”本質”/”本物の私”と触れ合うことを促します。
用語「食」について
この記事では、天体同士が重なり合う現象にすべて「食」という用語を使わせていただきました。
記事で伝えたい主旨を明確に、現象を端的に表現するためにあえて拡張使用いたしました。
本来、今回の3つの現象のうち、月食のみ「食」 の用語が適用されます。
他は「掩蔽」が正解な用語になります。
しかし日本語では慣例的に天体が天体に重なることをシンプルに「食」の用語が拡張使用されています。
「掩蔽」の場合は2つの天体を綴る必要があり、「食」の場合は隠される天体のみを表示するシンプルな表現ができるためで、
例えば天王星食は、正解には「月による天王星の掩蔽」ですが、慣例的に「天王星食」と拡張使用されていますので、この度の水星にもさらに拡張し、光源天体の後ろに隠される現象ではありますが「食」を用いました。