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楽しい不登校の校外学習

「学校へ行かないのは大変だね」「かわいそう」と言われたり、何か残念な眼差しで見られたりするようになった。でも、家では充実した学びが出来ているし、放課後は一緒に楽しいことを企画したり、遊んだりする友達がいる。走り高跳びはしないけど、山登りや農園で農作業をして体を動かしている。この数が月でソーシャルスキルが向上し、友情を育んでいる。

堂々と前を向いて歩いていこう!

狭い地域なので、平日の日中に外を歩いていたらすぐに声をかけられ、どうして学校へ行かないのかを説明しないといけない。そうならないように、学校の時間は室内で学習している。

午前中は一番頭が動く時間なので、基礎学習を自主的にやっている。集中して疲れたら、キッチンタイマーを使って10分休みを取るようにしている。そこまでしなくてもと思うけれど、子どもはタイマーが好き。

午後は創作活動。動画編集やプログラミング、イラスト作成など。あとは、思いっきり友達と遊ぶ時間。オンラインだけれど、ディスカッションや企画会、マイクラ共同建築を楽しんで学んでいる。

これらで十分に学校の学習を網羅できている。読解ができるようになり、理科は自然の中で見て体験して学び、漢字は小学校総復習をやっている。何も恥ずかしいことはない。堂々と生活していこうと思う。

勇気をもらえる瞬間

2年間も地域を出なかった。「都会へ行ってどこかへ行ってみようか?」と聞くと、「いや、ここでいいや」「家にいる」と言っていた。無理をせずに、行きたくなる時まで待とうと思った。

その原因は、どうやら外の大人や子どもに会うのが怖いかららしい。自分を認めてくれないのではないか?とか、馬鹿にされたり、怒られたりするのではという怖さを感じるとのこと。けれど農園へ一緒に行くようになって様子が変化していった。

農園の人は、よく褒めてくれる。休憩時間においしいお菓子もくれる。音楽が流れて、時にはギターを弾いてくれる人や太鼓をたたいてくれる人もいる。なんとも穏やかな時間が流れ、温かい空気が流れている。

その時間を過ごしていくうちに、自分に話しかけてくれる人や作業を褒めてくれる人がいることで、家族以外にも笑顔を見せるようになった。少し会話もできる。この一歩が本当に嬉しかった。

地域を出て校外学習へ行こう!

「美味しいハンバーグ食べたいな」「銭湯に行きたいな」と言うようになった。以前だったら、「じゃあ、旅行する?」と言うと、「いい、行かない」と言っていた。改めて聞いてみると、「いいよ。行ってみようかな。」との返事が帰ってきた!とうとう地域から出る日が来た!

外の人に会うことに少し自信が出てきたらしい。それではと、「学校へ行かないと決めた子どもが遊ぶ場所があるようだよ」「行ってみる?」と聞いてみた。「行ってみる!」と返事が返ってきた。早速訪問先へ予約を入れた。

「工場に行ってみたいんだ」という要望もあり、調べてHPを見せてみた。どこに行くかは、直前に決めたいと言っていた。何しろ平日に行くのだからどこでも予約が取れる。メニューにしてみた。(日々更新中)

校外学習メニュー(関東圏)

■国語
意外と学習できているのがインターネットの検索。知りたいことがある時、ひらがなで入力→漢字の候補から該当漢字を選択→合っていれば希望の情報GET。間違っていると「あれ?漢字が違うのかな」と試している。最近は、短文を打ち候補文を見て理解している様子。どちらにしても形を覚えて漢字を理解しているとのことだった。

よく使う漢字を覚えていくと、行く先々の交通情報を読んだり、パンフレットや展示の解説を読めるようになる。でも外の看板は難しく読めないものもある。わからない時は聞いてくるので答える。リアルな教科書。

その他に、どうしても面白くて読んでしまう本がある。

この本は、任天堂でゲーム開発者だった玉樹 真一郎氏が、ついやってしまう体験をどのように考えて作ったのかを例を出しながら説明している本。これがめちゃくちゃ面白い。子どもにとっても、「マイクラのしかけを作る上で」とか、「漫画をどう面白くするか」「動画を作るときのアイデア」などなど、ヒントになるらしい。ルビはふっていないので一緒に読んで笑っている。ゲームの魅力は偶然できたものではないし、ゲームがやめられないのは仕掛けがあるからなんだよと言葉に出さなくても伝わるところがいい。

■算数
算数だけはしっかり付き添って教えている。考え方を間違って覚えてしまうと数学でつまずいてしまう可能性があるから。問題集を活用している。校外学習では、子ども用のお財布と子ども用スイカ、お小遣い帳を渡す。どのように使うかは本人任せ。1年生でスイカを使う練習をして、3年生からお財布を渡して練習していた。その成果が出るといいなと期待。失敗しても学びになるので良いと思っている。

■理科
夏に「すごすぎる天気の図鑑」を使って、特典でついている自由研究のシートを使って雲を観察する練習をしていた。その成果が出て、校外学習で外に行く時も空を見て雲量を判断し、天気を見る習慣がついた。「冬の空は雲がゼロの時があるね」「すごいきれいだよ」「写真に撮ったら背景透明にできるね」などと言っている。

他に、地元に科学館や博物館がないので、とても楽しみにしている様子。
・国立科学博物館(上野駅)
・東京国立博物館(上野駅)
・江戸東京博物館(両国駅)
・日本科学未来館 (東京国際クルーズターミナル駅)
・鉄道博物館(鉄道博物館駅)

■社会
大好きな醤油の工場とお菓子の工場へ行きたいとリクエスト。それと、最近は台風や大雨・渇水で困ることがあったため防災を学びたいと言っていた。今回の滞在では、東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県・栃木県・山形県に行く予定。その地域の地形や特産物を楽しみながら会話をしていこうと思う。

■英語
中学生が修学旅行へ行って「楽しかったー」と言っていた施設があるらしい。「TOKYO GLOBAL GATEWAY」。英語だけで過ごす施設で、様々なシーンを体験できるらしい。今回は、まだそこまで勇気がないかもしれない。面白い施設なので、メニューに残した。

■図工
美術館がないので、行きたい場所を聞いてみると、すみだ北斎美術館とのこと。江戸時代の版画の技術が見たいらしい。

あと、好きだった図工ができなくなったので、美術教室に通ってみたいと言っていた。通塾ではなく短期で通える場所を探して問い合わせをしてみた。参加できたのは、美術教室の「がじゅく」で開催している短期(2ヶ月の間に8回まで参加可能)で日付を相談できる「すこしだけがくじゅ」。1回90分の授業で好きな作品をつくり、先生からアドバイスがもらえるもの。席に空きがあった教室に申込をして行ってみると、自由な創作の場があった。そこで剥製を描くことに挑戦。構図のとり方から、部位のバランスや配置、描き方や影の付け方など声かけをしてもらいながら集中。他学年の小学生がいる中でもくもくと描いていく。最後まで描けなかったけれど、「すごい楽しかった!」とのこと。あと何回か参加できるので楽しみ。

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■家庭科

家では、お出汁文化を知り、日本食が作れるようになったらいいなと思った。カツオを削るところもやっているけれど、将来一人暮らしになってもできるものを練習したいと思った。茅乃舎だしのHPにレシピがあり、お出汁は簡単に使えるものばかり。練習していこうと思う。

食事の支度や食べ方、片付けなどができるようになってきた。外では素敵なお店で雰囲気を楽しみながら、あまりかしこまらずに適度なマナーを体験できたらいいなと思った。子どもメニューでもワンプレートでエビフライというのではなく、お皿に素敵に盛り付けてある場所を選んでみた。

■体育
一人でも遊べて、思いっきり体を動かすことができたらいいなとアスレチックを選んだ。ここは本格的なアスレチック。2日間遊びたい時はバンガローに宿泊ができる。

荒川や隅田川沿いをサイクリングするのも運動になる。渡り鳥や川沿いの風景、野草などを見ることができる。冬の場合は、北風が強い時は大変かもしれない。天気を見てから借りる。

皇居外苑を散策したり、ランニングするのも楽しい。都会のど真ん中にあるのに自然が豊か。探検気分が味わえる。とにかく広いので見学やピクニックなどいろいろな楽しみ方ができる。

校外学習メニュー(その他)

■図工

小学生から高齢者まで、家族みんなが行きたい!というリピートしている場所。今は大人が一人でも入場できるので、利用しやすくなった。長期滞在して、体をいっぱい動かして遊び、様々な素材で制作を楽しむ。