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ベンゾジアゼピンの離脱症状_12_全身倦怠感・疲労感

(この記事の内容は、私の知識と経験に基づく個人的な考察と症状の記録であり、何らかの実験・研究・論文等に基づくものではありません。ベンゾジアゼピンの離脱症状を理解するための参考としてご覧いただけましたら幸いです。)

倦怠感や疲労感は、身体の酷使、睡眠や栄養の不足、精神的なストレス、感染症や内臓の病気など様々な原因で起こる症状です。
その詳細な機序は今も明らかではありませんが、例えば、筋肉や神経などの使い過ぎが生じた際に細胞から出る老廃物や疲労物質などが脳で感知されることで疲労感が起こり、体や神経を休ませることを促す働きがあると考えられています。

ベンゾジアゼピンの離脱の際には、この倦怠感や疲労感を感知する脳の神経が過剰に活動している可能性があります。
また、ベンゾジアゼピンによって脳全体の機能に異常をきたしながら生きているということは、制御システム・感知システム・警報システムなどが全部壊れた飛行機を、なんとか墜落しないように手動で操縦しているような状態とも言えますので、体や神経が非効率的な動きをたくさんすることになったり、ひっきりなしに何らかの症状が起こったりすることで、心身共に疲弊するのは仕方のない事とも言えるかと思います。

私は下記のような全身倦怠感と疲労感を経験しています。

全身倦怠感

常に何ともいえない怠さやスッキリしない感覚を体に感じます。
ただなんとなく体が怠いというだけではなく、体がまるで鉛になったかのように重く感じられたり、体の上に岩でも乗っているかのように感じる時もあります。
体の中から湧き上がってくる強い不快感のような、ゾッとする感覚と共に強い全身倦怠感が生じることもあります。
このゾッとするほど苦しい感覚が長時間にわたって体の中から無限に湧き上がってくるような時もあります。

全身倦怠感が強いと、寝返りをすることも、指一本動かすことも、目を開けることも、声を出すことも大変になります。この状態が朝から晩まで続くこともよくありますし、数日から数週間続くこともあります。

全身倦怠感と同時に悪寒戦慄(寒気がして、体が震える)が起こることもあります。風邪やインフルエンザで高熱が出る直前の状態にとても近い感覚があります。
発熱は無いことが多いですが、38℃くらいまでの発熱を伴うこともあります。発熱があっても、他に炎症が生じているような症状は全くありませんので、体温を調節する神経が正常に働けないことによって体温が上昇しているのだと思います。

疲労感

倦怠感に加えて、ちょっとした動きなどをきっかけに、一日に何度も強い疲労感に襲われます。
体を動かそうにも、頭を動かそうにも、体中のあらゆるエネルギーがどこかに全て吸い取られていってしまったかのような、もうどこを探しても一滴も残っていないような、そんな感覚になることもしばしばです。

例えば、体調と気候の良い時は30分~1時間程度ゆっくり歩いて散歩をするようにしているのですが、家に帰った後、そのまま倒れ込んで何時間も動けなくなることがあります。
また、自分が寝ていた布団を畳んだだけで、強い疲労感が出て、何時間も座り込んだり横になっていることもあります。

体調の悪い日は、トイレに行っただけで、まるで山道を何日も歩き続けて、もう一歩も前に進めなくなったかのような疲労感に襲われます。
もっとひどい時には、何時間も眠った後、目が覚めた瞬間から、起き上がる事もできないほどの疲労感を感じる日もあります。


全身倦怠感と疲労感は類似した感覚なので、どちらか言い分けることができないような感覚も多いですし、どちらも同時に起こっている時も多いのですが、分けて言うと上記のような感じです。

この倦怠感・疲労感の程度というのが、本当に本当に強く、「身の置き所のない倦怠感」という言葉がありますが、正にこれに当たるのかなと思います。
あまりに倦怠感・疲労感が強過ぎて、じっと寝ていることがとても辛く、のたうち回りたくなります。しかし同時に、あまりに倦怠感・疲労感が強すぎて、実際には身動きすらできません。
とても強い痛みを感じた時に涙が出ることがあるかと思いますが、全身倦怠感や疲労感が強すぎて涙が出ます。何らかの感情を伴って泣くのではなくて、倦怠感や疲労感それ自体が、自然に泣けてくるほど強いという意味です。

また、別の記事に書くブレインフォグと重なる部分でもあるのですが、猛烈な倦怠感・疲労感のために、意識を保つ、目が覚めている状態を保つことが、とても難しい時もあります。
眠気とも言う事ができるのかもしれませんが、普通に眠い時の感覚とは違います。意識を頭の上から強制的に抑え込まれて眠らされていくような、どんよりとした、とても不快な気分の悪さと共に、意志に反して地面に引きずり込まれていくような眠気です。
普通の眠気は心地良さのような感覚を伴っている時もあると思いますが、この眠気は非常に大きな苦痛を伴います。

今も、軽いものまで含めると、全身倦怠感や疲労感は常にあります。
このため、ご飯の前後、お風呂の前後、トイレの前後、散歩の前後など、全ての日常の行為の前と後に、何もせずに横になったり座ったりして休む時間が必要です。また、1日に1回は、最低1時間程度の昼寝をしないと夜まで持ちません。

最近は、体調が良い時は、このように少し文章を書ける日があります。しかし、すぐに疲れてしまってあまりに少しずつしか書けないので、この記事も書き始めからここまで書くのに3か月かかりました。

倦怠感・疲労感が強い日は、ご飯を食べたりお風呂に入ったりする力を残しておくために、それ以外のことは何もできません。
とても倦怠感・疲労感が強ければ、ご飯がまったく食べられなかったり、お風呂に入れなかったり、トイレに行ったり着替えをしたりするのに介助してもらう必要があったりします。


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