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[24-02]JPN-LAO:SAT. 7.20

2024 Tokyo Japan 『酷暑ながら有意義な一日』


眠い目をこすり起床。朝食を摂り、川の活動へ。午前中、グリーンインフラの検討会に同行させていただく。区内の公園を2ヶ所見て回る。とても暑かったが、面白く、かつワクワクする取り組み。

暑くても緑のある空間は癒される



1度帰宅し、シャワーを浴びる。洗濯機を回して、軽くお昼ご飯のあと、一休み。

午後は、小学校のバザーイベントへ。川の活動のブースを出展。例年はおやじの会で参加していたイベントだったけれども、今年はこちらの活動に参加。子供たちに川にまつわるクイズを出したりして、これも、楽しかった。学校の雨庭も見ることが出来た。


夕方、終了間際に大雨。雷雨の中帰宅。


兎に角、暑い暑い一日だったが、有意義に過ごせたかと。

夜、外はまた雨が降り出す。雨音を聞きながら、22年前のこの日も、何やらスリリングな一日だったことを思う。

2002 Don Det Laos『川中島探険記』


久しぶりに少し朝寝坊。 本日は、さらに南のコーン島へ向かう予定。 訪問目的は、1860年代、 フランスにメコン川を利用した中国奥地との貿易を断念させたという、 コーン瀑布群を見学するためである。

荷を詰めて、 南部へのバスが発着する。 南方バスターミナルへ向かう。

トゥクトゥクを下ろされると、すぐにピックアップトラックに 乗せられそうになる。 よくよく見ると、ちゃんとバスもあって、 値段も一緒なので、バスで行くことにする。 なかなか出発しないが、苛々したって仕方ない。 腹を決めて待つ。 しかし、ほんとにボロいバスだ。床に穴。 窓ガラスが外れてたり、ガラスの代わりに木の板がはめてあったり…

10:30過ぎ、ようやく出発。前に座った男の子と遊んだり、音楽を聴いたりしている間に 寝こけてしまう。

はっと目覚めると、コーン島行きの脇道に入るところ。 ここで下りるのか、と身振りで尋ねると、 バスの兄ちゃん(荷物係)は「違う」と首を振る。 「ふーん」と思って、下りずに居ると、 そのまま小さな村に連れて行かれた。 多分、コーン島と、コン島とを勘違いしたのだろう。 ちゃんと伝えたはずなのに。こっちのヒトは、たまに分かって無くても 分かった振りをすることがあって、それがしばしば頭に来る。

さて、下ろされた場所がいまいち何処だか判らぬまま、 「あっち」と指された川の方へ向かって歩き出す。 川べりには、小さなボート乗り場があった。 ガイドブックには「島へはバスごと川を渡る」と書いてあったので、 いよいよ違うところへ下ろされたことを確信。 おそらく時間的(この時点で既に14:00過ぎ)にもやはりコン島とデット島の対岸だろうと考える。

とにかく、滝を見るにも荷物が邪魔だから、宿を探さねばならない。 行き先は不明瞭だが、勘に頼り、意を決してボートに乗り込む。

積み出し埠頭水路を進むにつれ、目的と思われる島が見えてくる。 フランスがパクセ方面への輸送貨物の積み出しを行っていたという埠頭が見え、 そこがデット島であることを知る。

デット島の積出埠頭跡



とにかく荷をおろしたくて、船着場近くのバンガローにチェックイン(1,000kip) 。蚊帳の釣られたベッドがあるだけの部屋。電気も無い。 それでも、ベッドが比較的清潔そうだたので、よしとする。 白人が多くて(というよりぼく以外、皆)しかも、わらわらと群れて、 大声で馬鹿笑いしているのが気になったが仕方ない。

昼飯を食ってなかったのでチャーハンを注文。 それと、やや途方に暮れた気分だったので、ビールも注文。 手持ちのKipがなくなりかけていることに気付く。 頼んだチャーハン、美味しくなく、残してしまう。 仕方なく、ビールをぼそぼそ飲む。 少々だるくなったので、部屋の前のテラスで ハンモックに揺られ、川の流れを眺めつつ、 これからどうするかを思索。 予定では本日はコーンパペンの滝を見るはずだったが、 時間的にも無理そう。腹をくくり、 今日はこの島を歩いてみることに。 今日のこの展開、多少困惑はしたが、 こういうイレギュラーも楽しめなくちゃ駄目だわと思い直す。

とは言え、地図が無い。バンガローで唯一英語の喋れそうな オーナーは先ほど白人どもを引き連れてボート・トリップに出かけた模様。 おかみさんに"map"と言ってみたところで通じず、仕方なく「歩き方」 に小さく載ってる島の概形図と川の流れ、それとコンパスの指針から 現在地の「あたり」を付けて歩き出す。 とりあえず、先ほど上陸前に見えた「埠頭」のある東へ向かってみる。

川沿いを進むうち、道が東と南へ分かれる。 東の道も、どうせ川沿いをぐるっと周って、おなじみに合流するはず。 ショートカットということで、南の道へ。 上手くしたら、隣のコン島へ渡された橋くらいは見られるかもと考える。

16:00。陽はまだ高かったけど、確実に西に傾きつつある。 周囲はひたすら田んぼ、農作業する島民と、牛。 観光客らしい人は見かけない。 目算で南北2~3㎞と踏んでみたものの、 歩いてみるとなかなか南端へたどり着かない。 ふと、芥川龍之介の「トロッコ」という作品を思い出す。 帰り道のことを考えて、やや不安になったから?

島の牛



40分以上歩くと、不意に正面の視界が開け、 右手にゲストハウスが見えた。 小さな川が東西に流れ、やはり小さな橋が南側に掛かっている。 道は、南の端へ続くものと、東へ伸びる道とに分かれていた。 ゲストハウスを覗くと、なんと日本人発見。 ここぞとばかりにあれこれ聞く。

曰く―
・ここはやはりデット島で、現在地はその南端。対岸はコン島。
・東への道を行けば、川沿いをぐるり回って先ほどの分岐点に繋がる。
・島内でもバーツとキープを両替してくれるゲストハウスがある。
・コン島のソンパミットの滝へは、ここから歩いて30分くらい。
・コーンパペンの滝へは60,000kip程でボートをチャーターすれば行ける。
などなど…。情報はありがたい。こういう状況で何よりありがたい。 気持ちにゆとりが出来る。

島の南端のゲストハウス



行き当たりバッタリだが、 折角なのでコン島へ渡り、ソンパミットを見ることに。 橋を渡り、教わったとおり西へ伸びる道へ。 途中、Y字路。右手の先にはワット(寺院)があり、境内へと続いている。 なんとなく左手の道へ。気がつけば、「ドドドドッ」という音が聞こえる。 間違いなく滝の音。

ソンパミットそのまま直進するも、徐々に音は遠ざかり、未てゃ南東から真南へと 方向を変え始める。 「こりゃあかん」と思い、地元民に尋ねると、 この道からも行けるとのこと。先の方に右折する道があるらしい。 しばらく進んでもう一度尋ねると、 そこを曲がれと指さす。その先には、 畦道と間違いそうな小さな道が西へ伸びていた。 聞かなかったら気が付かなかった。礼を言って曲がる。 確かに歩くほどに音は近付く。 15分ほど行くと、あった、ソンパミット。 雨季で増水して、夕陽を受けた姿は「歩き方」 の写真とは随分違ってるけど間違いない。

ソンパミット



しばし眺め、本日のミッション終了。 滝へ到着する直前、北へ曲がる道を見つけていたので、 帰りはそっちを行ってみる。 おそらく川沿いを進んで、さっきの寺院の分岐路に出るはず。 予想的中。ま、なんせ島なんで、方角を確認して沿岸を歩いている限り 迷うことは無い。

橋に戻ると、これまた日本人二人に会う。 男女二人。こんな僻地で意外な思い。 女の人は(看護婦さんらしい) これからカンボジアへ。 男の人はしばらくここでダラダラしたあと、 タイへ向かう、と。二人とも、ややスレた感じがした。 話しやすかったけど、長期旅行者特有の臭いみたいなのを感じた。 ガンジャを勧められたが、辞退。 眠たくなるし、これから歩いて帰らにゃならん。

女の人曰く、橋を渡って東側へ進む道沿いの"Mr.Von'sバンガロー" で両替できるとのこと。帰りのルートはそちらに決定。 陽は既に沈みつつある。

件のバンガローで両替するもやはりレートは悪い。 が、出来ただけでもありがたい。 すっかり暗くなった道を、牛の糞を踏まないように泥濘を踏まないように歩く。 幸い、月が出ている。月の明るさは、良く知っているので心強い。 お陰で懐中電灯はほとんど使わずに済む。

さすがに行きよりも時間が掛かったが、なんとか無事に到着。 積み出し埠頭を見たときは、やはりホッとした。

ひとつアクシデント。 部屋に戻り、テラスで一休みしていると、傾いた机から 懐中電灯が転げ落ち、川にぽちゃん。 あいたたた…。馬鹿やった。幸い部屋にはアルコールランプがあり助かった。 が、トイレはライターの明かりが頼り。電気のありがたさを痛感。 トイレはともかく、こりゃ、シャワーは無理だと諦める。 もっとも、疲れてその気力もなかったけれど。

へとへとだったので、21時には沈没。そこそこスリリングで、 長い一日だった。久しぶりに緊張した気がする。 あぁ、しかし日本では丁度今ごろsigen-2001の皆がバカ飲みを始めたなんだろうなぁ… などと考えつつ眠りに就く。


メモ書き
※1 情報は生存(サバイバル)に最も必要ってのは村上龍の言葉だっけ?

※2 どうやらぼくは天候に恵まれてたらしい。この島も昨日までの数日間雨だったそうだ。

※3 コン島の南の方にビーチがあるらしく、そこに行けなかったのは心残り。 というか、コン島をもっと歩いてみたかった。もう少し日程にゆとりがあればなぁ、と今更ながら…

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