通変星は鑑定する側とされる側を結ぶ共通言語
四柱推命でよく目にする、「通変星」についてまとめています。
私が今勉強中の書籍は、「阿部泰山流」といわれる流派の考え方をもとにしています。
四柱推命は、日本国内で複数の流派がそれぞれの解釈で鑑定をしているので、四柱推命を勉強するときにその文献や情報がどの流派をくんだ考え方なのかを把握しておくことは大事!
通変星とは
通変星というのは、10種類がある。
この10種類の中から、個人それぞれの持つ陰陽五行のバランスによって選ばれる。
読み方は、比肩、劫財、食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官、偏印、印綬。
漢字二文字でとっつきにくそうだが、AやB、1とか2の記号や数字でないのには意味がある。
通変星が表す「生・剋・比」
通変星は、陰陽五行の相生、相剋、比和と深い関係がある。
通変星は陰陽五行の3つの関係を2字に置き換えて意味を通じさせた仮借形容詞だからだ。
通変星は、陰陽五行図と同じように「相生・相剋図」で関係を表せる。
もし自分の日干が「木」なら、比肩と劫財は「木」の性質を持つ。
同時に、食神と傷官は「火(木生火)」の性質を持つ。
他の通変星も同様だ。
通変の調べ方
通変の調べ方は、自分の日干から見て、各干の五行にあてはまるものを探す。
上の図では、日干が「丙」のとき、年干が「乙」であれば、年干の通変は「印綬」になる。
日干が「乙」だったときの各通変星
命式図の中でわかる代表的な通変星は、この7ヶ所に表れる。
上の命式の7つの通変星は、劫財、食神、劫財、正官、比肩、偏財、正財。
日干の「乙」から見たそれぞれの陰陽五行との関係を表すと以下のようになる。
日干が「乙」の場合、
自分の五行(甲乙)が多ければ「比肩」「劫財」は多くなるのは必然だ。
また、この命式には「水」の五行が壬、癸ともに0個。
そのため、木の五行から見て「水」の位置にあたる「偏印」「印綬」が0個になる仕組み。
通変星の使われ方、読み方の例
四柱推命は、その人の性格を詳しく読むことができる。
性格を読むのに必要な、代表的な部分は以下の3点だ。
月支と日支の蔵干(通変星)
日干の五行
日支
実際に命式内に通変星が入っているもののほうが分かりやすいと思うので、以下の例を用意した。
この命式から1〜3の要素を抽出すると以下の3つになる。
偏財と比肩は、今回の記事で取り上げている「通変星」になるので解説をちょっとだけ。
Webで、「月柱が偏財の人の性格」といった情報はいくらでも調べることができる。
しかし、「月柱に偏財がある」という点だけでは、パズルの1ピースを見て盤面を見ていないのと同じ。
この命式の場合、
「偏財」「比肩」という「種」を持っているのに過ぎない。
実際にこれらが実を宿すかどうかは、それ以外のピースがこの2つとどんな関係を持っているかによる。
おわりに
もし、四柱推命で通変星が存在しない場合。
その人の陰陽五行のバランス(生・剋・比)はぱっとわかっても、「木の五行が多い人はどんな適職があるか」と尋ねられた時、本職の人は「五行が云々であそこがこうで…」とわかるかもしれない。
が、私を含めた初心者、素人は「なんで木が多いから〇〇なの?」とイメージが湧きづらいし、何より覚えづらい。
陰陽五行で性格も仕事も家族も判別して理解しなくてはいけない。
要するに、通変星は鑑定する側同士、鑑定する側と鑑定される側の共通言語としても役に立つという側面を持っている。
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