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ノースシ・ノーライフ(6-9)

「ウ、ウマ……」

白目を剥き、見事なアーチを描いたブリッジ体勢になりながらミートバーンは喰らったニクスシを咀嚼する!一回!二回!三回!四回!ミートバーン中心にクモの巣状のヒビが走った!かたずを飲んで見守る二人!

「ウマ……クナイゾーッ!」
「グワーッ!」

南無三!ミートバーンは突如バネ仕掛けのブリキロボめいて跳ね起き、レインボーフードへとストレートを見舞った!辛うじてスウェイ回避!PVCニンジャ装束が、化学的に焦げる不快臭をあげる!

「貴様ッ、貴様ーッ!?ネタに肉を使おうとスシはスシ!酢飯に肉をのせるなど肉に対する冒涜ではないか!?そしてそれを我に食わせるなど、なんたる屈辱にして侮辱か!貴様は生かしては帰さんぞ!」

怒り狂い前腕を炎のゆらめきで覆うミートバーン!懇親の肉寿司もミートバーンを無防備にすることは出来なかった、ならば打つ手はないのか!?いや、いや見よ!レインボーフードは腰マウントされたスシ具材タッパーに手を添えている!まだ諦めてはいない!

「ぬう……」
「自分のスシターンはまだ終わってはいません……!」
「良かろう!貴様の切り札、このミートバーン様が甘んじて食らってやる!すべて喰らった上で不味いと断じてやるわ!かかってくるがいい!」
「それではお言葉に甘えて……イヤーッ!」

レインボーフードの手が消失!いな、ニンジャ動体視力の持ち主であれば捉える事ができるだろう……最小限の動作でつかみとられたシャリとネタが、まるでライフルの銃身から撃ち出された銃弾めいて螺旋回転しながら空中融合!
撃ち出されたスシはカラテミサイルの如くミートバーンの腕の炎をかすめた後、仁王立つ彼の口へと飛び込んだ!宣言通り噛みしめるミートバーン!

「んぐ、ぬが、こ、これは……ウマーイッ!?ウマイゾーッ!?」

余りの衝撃に、ニンジャブリッジ体勢のままにスシを喰らうミートバーン!もはやカラテ戦闘など頭にあらず、彼の意識は今、口腔のスシにだけ奪われている!

「この上質な和牛の霜降り肉に勝るとも劣らない脂身甘みと赤みの旨味!酢飯の上品な味わいと擦りたてのワサビがツーンときいて渾然一体となり、我の、我の全身を駆け巡っている……!これは、炙りオオトロスシ!?」
「さようでございます。しかもツキジダンジョンから採掘したレジェンダリーアーティファクトである、埋蔵冷凍マグロから切り出した超一級品!いかがですか!?」
「これは、これはもはや魚ではない……肉だ!こんな肉がこの世に存在したとは……このミートバーン、一生のふか……」
「はい感動してるとこちょっとごめんよ、イヤーッ!」
「アバーッ!?」

強襲!今まで静かにチャンスを待ち構えていたエーリアスが、炙りオオトロスシに悶絶ブリッジ体勢でいたミートバーンの両こめかみに、親指を突き立てた!釣り上げられたマグロめいて七転八倒痙攣するミートバーン!

「アバーッアバババババババーッ!?」

しばしの後、悶絶していたミートバーンは遅刻したサラリマンめいて跳ね起きた後……音もなく、転倒した。

【ノースシ・ノーライフ(6-9):終わり:(6-10)に続く第一話リンク

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