ボンズと紅茶
「ボンズよ……紅茶を、紅茶を飲むのです……」
みほとけっぽい呼び掛けを無視して俺は◯~いお茶を飲んだ。ブディズム。
秋の昼下がり、日光を楽しみながら午後の思索にふけっているとみほとけっぽい呼び掛けを聞いた気がしたが、魔性か化生か狐狸のたぐいとみてこれをスルーして思索に戻った。
ふと、脇に置いていたペットボトルを見ると緑茶でわなく『午後の紅茶』無糖ストレートにすりかわっておる。
こしゃくな狐狸である、なんとしてもボンズに紅茶を飲ませたいらしい。
俺はすり替えられたは蓋の開いていないペットボトルはありがたくいただく事にして今日は緑茶の気分なので冷蔵庫にすとっくしておいた緑茶と取り替えにくるとどうだ。
冷蔵庫のペットボトルはどれもこれも午後の紅茶にすりかわっておる。王道のストレート、女子受けのいい?ミルク、CORONAめいた輝きのレモン、今手にしている無糖、うろんな味わいのマスカットすぱーくりんぐ、そしてチャイだ。残念ながらアップルミルクティーはなかった。
なるほど、仏の顔も三度まで。生きている人間にはみほとけのお心は伺いしれぬがどうやら今日はなんとしても俺に紅茶を飲ませたいようだ。
俺はみほとけか、あるいは麒麟神の思し召しに根負けするとチャイティーを手にとり日光浴に戻った。
大分傾いた日の光を浴びながらチャイを傾けると特有のシナモンの香ばしい香りとチャイにしては控えめな甘さ、紅茶の後味を感じるのであった。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……
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