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ノースシ・ノーライフ(6-7)

「ドーモ、ミートバーンです」

玄関から堂々と襲撃してきた生肉ニンジャ装束のニンジャは、堂々たるアイサツを決めた。その体躯は巨漢といえるレベルで、その全身を異形の生肉ニンジャ装束が覆っている姿はインフルエンザ悪夢めいた佇まいだ。

「ドーモ、エーリアスです」
「ドーモ、レインボーフードです」

即座にアイサツを返す二人に対し、生肉ニンジャはカラテも構えずに視線を下げる。

「ニンジャ、それに二人もとな?だが我の狙いは唯一つ、ここに運び込まれたケモ動物よ。怪我をしたくなくば、おとなしく差し出すが良い!」
『なんだって!?』

生肉ニンジャの襲撃、そしてその目的はケモ動物であるという。
情報量の過多に、レインボーフードはくらくらしつつもカラテの構えは解かない。エーリアスと異なり、この生肉変質者ニンジャはどうあがいてもクソな、コミュニケーションが成立しないタイプのニンジャだ。カラテするしかない!

「ニンジャがわざわざケモチャンを捕まえて、何しようってんだ?」
「しれたこと、捌き、焼き、喰らう!我が手を付けておらぬネオサイタマの動物はそのケモ動物で最後よ!なんとしても奪い取らせてもらうぞ!」
「ケモ動物で最後?だったらオマエが食ってきた動物を言ってみな!」

エーリアスの挑発に、ミートバーンは鼻を鳴らし自らの食肉履歴を語り始める。その隙に密やかに対応を相談する二人!

「まず、我がニンジャとなってまず手をつけたのは野生化したバイオスズメの大型個体よ。日本では古来よりスズメの串焼きが……」
(アンタ、カラテは?)
(多少は……サンシタの域は出ませんが)
(俺よりはマシだと思うぜ、こっちゃ銃持ったモータルにも勝てねぇし)
(ならば、ここは自分が時間を稼ぎます。その隙にこの名刺を持ってケモキさんに!)
(そうはいかねぇ、元々は俺んちに舞い込んだクソトラブルだかんな!)
「次に我が喰らったのは、タマリバーに迷い込んだタマチャンにラッコチャンである。本来であれば日本から出なければ狙えぬダイキンボシ!!」
(しかし、他に手が……)
(二人がかりだ、一瞬でいい、奴に隙を作ってくれ。そしたら俺がなんとかする!)
「そして最新の獲物はヨロシサン重役が密かに愛でていたオーガニックカンガルー!飼育状況が良く、何処を取っても最高の美味なる赤身肉であったわ!煮て良し焼いて良し!それに引き換え、オーガニックコアラの方は草食動物だというのに実にイマイチ!」
(わかりました!)

意を決したレインボーフードは、生肉ニンジャ装束の肉食狂信ニンジャに向かって、カラテを構え……バックパック展開!ターポリンに包まれたスシ重箱が機械展開し、新鮮なスシネタを披露する!

「我にとって最も思い出深い味はやはりバイオパンダ!鋼鉄よりも硬いバイオバンブーを捕食する品種改良されたパンダは、やはりベアとは違う旨味の宝庫であったことよ!」
「ミートバーン=サン、肉ばかりですがお寿司はお食べになりますか?」
「スシ、フン!惰弱!時代遅れの俗物がありがたがるレトロアーティファクト!」
「では自分が……」

レインボーフードの構えたカラテ闘法……それは右手にネタを、左手にシャリを!構えているではないか!

「あなたに本当のお寿司をご馳走いたします」

【ノースシ・ノーライフ(6-7):終わり:(6-8)に続く第一話リンク

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