現代討魔伝:ボンズ ウィズ ディテクティブ

時は新世紀!
二次元の嫁を実際にめとるべく狂人なる天才が作り出したフィックションとリアルをつなげるマッスィーンによって幻想世界と現実世界は結合してしまった!

現実を侵食する幻想より人々を虐げるべくそう定められた使命にて数々の魑魅魍魎と悪魔が迫る!

これは現代を駆け異形を断つボンズの物語である!

※このパルプの登場人物はフィックションでありリアルの奴らとは関係がない重点。

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ブンブブーンブンブブーン……

深夜二時半、丑三つ時を迎えたオフィスビルの中でアイッティーサラリマン達が残業に苦しんでいた。

「納期までに間に合わせなければ帰さんぞ!」

おお見よ!サラリマン達を恫喝するのは山羊頭の悪魔である!
しかしブラックならぬダークマター企業の超々時間労働により思考停止に陥ったサラリマン達はただただ業務を行うばかりだ!
そこに現れたるは量産型ガーゴイル悪魔である!

「部長!ご報告です!」
「なんだ!」
「セッキュリティを突破してこのビルに侵入した奴らが……アバーッ!」

強制成仏弾を受けてスイカの様に吹き飛ぶ量産型ガーゴイル悪魔の頭!

「なにやつ!」

サラリマンが心神喪失により無反応の中、山羊頭部長の叱責が飛ぶ!
オフィスドアに立っているのは二人組の男だ!

「ドーモ、スケープゴートさん」
「人々が虐げられていると聞いてきた。ブディズムの体現のため、いざ逝くが良い」

一人は編み笠に黒衣の袈裟を現代風に作り替えたボンズ!
もう一人は結婚式のタキシードめいて白い背広に白コートを重ねた探偵である!

「このネガティブマインド牧場の存在を嗅ぎ付けおったか!名を名乗れ!」
「セージ」「カリュー」

二人が名乗ると同時に姿を現し襲い掛かる量産型ガーゴイル悪魔!
しかし一瞬で試し切りのために並べられたペットボトルめいて一薙ぎ!
青き血がオフィスを染める!血に染まって無反応のサラリマン達!
悪魔たちを切り殺したのはボンズの振るったライトセーバーめいた降魔の利剣だ!

「アバババババーッ!」
「ナンデ!ボンズナンデ!」
「ホワイ!ブッダスリーピングブッダ!?」

口々に悲鳴を上げる悪魔達!その悪魔達の身体を探偵が放った強制成仏弾がえぐっていく!
岩めいた強靭な肉体の量産型ガーゴイル悪魔がかかしの様に処分されているのだ!

「あ、悪魔を殺して平気なのか!ボンズの癖に!」
「平気だ」

抗議と共にかぎ爪を振り上げたガーゴイルをライトセーバー利剣で頭から両断!
ガーゴイル死体を踏みつけボンズが答える!

「民草を苦しめるお前らを始末する事は御仏の御意志に叶う、安心して冥土に逝け」
「ま、そゆことなんで茶々っと俺達のおまんまになってくれ」

仏頂面のボンズと相反する様に気楽な様子で告げる探偵!
その探偵を本性を現した3メートルを越える山羊頭悪魔がひづめで踏みつけんと襲い掛かるが床を突き破ったひづめの下に探偵はおらぬ!探偵は既に吸血鬼めいて無数のアルビノコウモリに分かれて回避したのだ!

「ぬうぅー!抜けぬ!」
「顕現しろ、黒縄!」

悪魔に手をかざしたボンズの声に答え、地獄より恐るべき灼熱に赤く染まる無数の鎖が姿をあらわし強靭なる山羊悪魔の身体に絡みついていく!鎖の先についているのは灼熱の斧や鉈や鋸だ!
何たる悪夢めいた責苦か!人々を苦しめたとはいえこれほどの扱いを受けるいわれがあるだろうか!?

「アババババババババッーッ!」

白目をむいて阿鼻叫喚の悲鳴をあげる悪魔!そして悪魔に歩み寄るボンズ!

「神に遭うては神を斬り」

インタラプトに向かうガーゴイル悪魔は人型に戻った探偵が残らず射殺!

「仏に遭うては仏を斬る」

せめてもの抵抗を試みんと山羊悪魔はアギトを開くが遅い!

「この世の全てを斬り捨て、もって解脱へと至らん」
「アバーッ!」

ボンズの唱える「殺仏殺祖」と共に山羊悪魔の首が宙を舞い、邪悪なる青き血が噴水めいてオフィスを汚す!
中ボスめいた山羊頭悪魔が滅ぼされると同時にガーゴイル悪魔の在庫も尽き、オフィスには悪魔以上に悪魔めいた二人とかかしめいたサラリマン達が残された。

「はい、お勤めしゅーりょー。あんたたちも帰っていいぞー」

ゴア殺戮ショーめいて解体された悪魔の死骸をスマホ撮影しながら証拠品として残す探偵の声を受け、サラリマン達は自分にかかった血をぬぐうこともなくゾンビのように帰宅しはじめた。

南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……

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「マスター、いつもの」

バーのカウンターでオーダーしたボンズは相変わらず仏頂面でスマッホンを眺めていた。
相方たる探偵はコロナをあおっている。

(安易な美少女化はんたーい!原典の性別を守れー!)

バーの表では日本人の安易な美少女化により性別を変えられた幻想存在達が抗議のデモを行っている。

「毎週やってるな、アレ」
「そのために来たんだってさ」
「まあ、気持ちはわからんでもないな」

幻想世界と現実世界は結合してしまった事によって、今や実在しないはずの存在は実在してしまい、結果として現代人に好きにいじられまくった彼女らはわざわざ抗議のために現実世界の東京にやってきたのだ。

「ぶいちゅーばーとかも女になってるのか?」
「俺の調べだと、偉大なる四大始祖の一人が本当に美少女になっちゃって、嬉しいやら売りがなくなったような……だそうだ」
「現実側の人間でもなるのか、おっかねえな」

雑談の間に坊主頭のマスターからぐうされたビーフカレーに手を合わせ掻き込むボンズ。

「前々から思ってたんだが、ボンズ的にいいのかそれ?」
「この牛は既に解体されてる。ゆえに食ってやらない方が無益な殺生になる」
「とんちバッカだなお前」
「デストロイ・ブディストだからな」

バーのカウンターで軽口を叩きあう二人に女が迫る。

「この店に腕利きのバニッシャーがいるって聞いてきたんだけど……あんた達のこと?」

【この続きは作者が思いついたら続く】

#小説 #逆噴射プラクティス #パルプ #ボンズ #怪奇小説

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