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BWD:悪魔狩りの夜に

びしゃ、と吐瀉物めいた音を立てて赤く汚れた床に青い血が飛び散った。
全面ガラス張りの窓から月光だけが照らす広大なオフィスルームは地獄であった。否、カルティズム組織を隠れ蓑にしたアクマの根城であったここは一人の来訪者によって地獄となったのだ。

「派遣された奴等が戻らんというから来てみれば、まったく」

首魁たるアクマはその眼で見た。赤黒い外套をまとった来訪者に飛び掛かった山羊頭がその獲物たる斧を振り下ろす前に右手のマシェーテによる三十二合の斬撃を受け肉片となって飛び散り、空手で掴みかかった羊頭は対戦車弾を十字架めいた軌跡で撃ち込まれたように左手のククリナイフによる突きを十度喰らってバラバラになった。それが一瞬で起きた。

「ギルドの連中め、最初から俺に回しておけば無駄な犠牲は出なかったものを」

来訪者たる男は闇の中赤色巨星めいた眼光を首魁たるアクマに向けた。

「おまえ、おまえは一体……なんだ?」
「人間、だ」


【つづく】

#逆噴射プラクティス #小説 #ボンズウィズディテクティブ

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