還元の鉱脈?INPEXの可能性

INPEXは、日本を拠点に世界中で石油・ガス開発事業を展開する大手エネルギー企業です。
INPEXの株価は大きく上がりましたがエネルギー安全保障において極めて重要な会社であるにも関わらずまだまだ割安で還元余地が多いといえます。今回はその理由を説明していきます。



INPEXの概要

株式会社INPEX(インペックス、INPEX CORPORATION、1605)は、国内外で石油・天然ガス等の権益を持つ日本の石油メジャーです。旧社名は国際石油開発帝石株式会社

時価総額     2,565,334百万円
配当利回り 3.46%
1株配当    64円
PER                8.05倍
PBR                0.62倍
EPS                 229.71

大株主

出典:https://www.inpex.co.jp/ir/shareholder/stock.html

INPEXは、一般的な企業とは異なる特性を持つ企業で、政府が黄金株を保有しています。これは、日本政府がINPEXの大株主であるため、企業の経営方針に直接的な影響を及ぼすことが可能だという意味です。そのため、ファンドが株を購入しにくく、株主提案も行いにくい状況が生まれています。したがって、アクティビストによるカタリストを狙うのであれば、コスモエネルギーホールディングスをお勧めします。

直近の業績

INPEXは8月9日に第2四半期の決算を発表しますが、その前に、第1四半期決算のおさらいをしておきましょう。INPEXの通期予想は上方修正され、進捗率も34.2%と非常に高い数字になっています。(石油ロイヤリティの関係を考え純利益を進捗と考えるのであれば進捗率は50%です)

出典:https://kabutan.jp/stock/finance?code=1605

これは、おそらく、天然ガス価格の変動が業績に遅効性を持って影響を与え、このような決算結果につながっているのではないかと考えられます。(あくまで仮説です)

出典:https://www.inpex.co.jp/ir/pdf/20230510_c.pdf

会社の説明では、通期の原油価格とドル円の見通しの修正により、業績予想を上方修正しています。しかし、それを考慮しても、会社が予想している影響と実際に出ている業績との間には大きな違いがあるように思います。
(以下会社の原油と為替の影響↓)

https://www.inpex.co.jp/ir/pdf/20230209.pdf

その為、第1四半期の業績が他の四半期では出ないと考えられます。ここは注意してください。

割安と考える理由

INPEXは実際どれだけ儲けているかが分かりにくなっています。その理由を説明しますと、通常、純利益は経常利益から特別な項目を引き、さらに税引き前利益から法人税などの税金を引いたものです。しかし、INPEXのこの数字は他社と比較して大きすぎます
これは、経常利益の段階ではまだ実質的なコストであるロイヤルティ等が反映されていないからです。そのため、INPEXは石油でたくさん稼いでいますが、法人の税率が高い石油の事業では売上が上がりますが、純利益は出ていない。じゃあどこで純利益を出しているのか?それは、天然ガスの権益です。

この会社の純利益は天然ガス


決算説明資料見てるとわかりにくかったのですが

【IR広告】株式会社INPEX 個人投資家様向け会社説会https://youtu.be/QHuA42CNvdw

におきまして、「44分から2022年のイクシスの純利は7割8割です」と言ってます。つまりINPEXは利益の大半をイクシスで出しているということになります。これは長期的に脱炭素が進んでいくとしても、INPEXの収益源は無くなりにくいことを示唆しています。
ちなみに今年の第1四半期においては908億円も純利益を出しています。

2023/05/10 2023年12月期 第1四半期決算補足説明資料 

利益から還元余地を計算

自作

これは純利と自社株買いと配当金を表にしたものですが、純利が今年3500億出るとして、今回の決算で配当性向が30%まで上がると過程する(そこまで増配はしないと考えています)のであれば大幅な増配が見込めます。
また下記の内容からも第2四半期決算で何かしら還元は出てくるのだろうと考えています。

2023/05/10 2023年12月期 第1四半期決算補足説明資料

天然ガスの重要さ

長期的に見て、天然ガスは以下の理由から重要です:

  1. 遷移燃料: 炭素を多く排出する石炭や石油に比べ、天然ガスの燃焼は炭酸ガスの排出が少ないため、再生可能エネルギーへの移行期間中のクリーンな選択肢として注目されています。

  2. 需要の増加: 世界の経済成長と都市化が進む中で、エネルギー需要が増加しています。天然ガスはこの増加する需要を満たす手段の一つです。

  3. 多様性の提供: エネルギー供給源としての多様性は、供給の安定性や価格の変動を緩和する上で重要です。天然ガスはその多様性を増加させる役割を果たします。

  4. 柔軟性: 天然ガス発電所は、電力需要に応じて迅速に出力を調整できるため、太陽光や風力などの変動する再生可能エネルギーの補完として注目されています。

これらの理由から、天然ガスは今後もエネルギー戦略の中心的な役割を担うと考えられます。そしてそれはINPEXがこれからも重要な会社で有り続けることを意味します。

決算に対する戦略 

決算で株価がどう動くかの予想は難しいです。これは、決算結果、将来の見通し、市場の感情、その他の外部要素など、多岐にわたる要因が絡み合って株価を形成するためです。これらの要素は予測が困難で、予想外の動きをすることも少なくありません。したがって、決算に基づいて株価の動きを正確に予測することはできません。わからないと断定した上での考察です。

直近の株価上昇

INPEXは直近大きく株価を上げています。これは好決算を織り込んでいるのではないかと考えています。つまり還元見込みで買っても材料出尽くしとなる可能性もあります。(泣)

最近の相場状況

最近、さまざまな企業の決算発表を見ていると、投資家たちの間で「決算プレイ」が増えている傾向が見受けられます。特に、INPEXの最近の株価上昇を見ると、その背後には期待感が高まっていることが否めません。このような状況に合わせて株を買う戦略も存在しますが、その一方で、このアプローチは高いリスクを伴います。なぜなら、決算発表の結果は予測が難しく、また、発表後の株価の動きも予想外のものになることが多いからです。したがって、もし決算プレイを考えているのであれば、その行動は慎重に進めてください。
ただ私はINPEXは長期的には株価3000にはいくと考えて投資をしておりますし、何かしらの還元が来るのではないかと考えています。がこれは同時にポジショントークであるという点も留意してください。

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