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初めてのお使い的な初めての恵方参り

恵方参りなんてしたことがなかったし、興味もなかった。ところが、恵方参りってなんだかわからないくせに、ふとやってみようという気になった。最近YouTubeで時々恵方参りの動画が上がってきていて気になっていたかもしれない。立春になって日が伸びて、なんとなくウキウキしてきてどこかに出かけたくなったからかもしれない。

で、恵方参りの仕方という動画を見てみたところ、これがけっこうめんどくさい。恵方の方角(今年は南南東か南)にある神社を探さなきゃいけないんだそうだ。じゃあコンパスが必要、ということでスマホにコンパスをダウンロードするも、使い方がよくわからない。で、ネットでおすすめのコンパスを探して改めてダウンロード。私のアパートから南の方角にある神社(お寺や教会、モスクでもいいそうだ)を探すと「あった!」。

恵方参りの説明によると、自宅から半径750メートル圏内では恵方参りにならないそうだが、道のりにして1.6キロくらいのところに「天沼八幡神社」が見つかった。直線距離ではどのくらいかわからないけど、多分750メートルの圏外には出ているだろう。

そこで、私の大の苦手なスマホのマップを開けて行き方を検索。途中までバスで行って、降りてから15分くらい歩くらしい。歩いて行っても23分くらいらしかったが、住宅街で道に迷うのは嫌(人通りが少ないので道を聞けないから)なので、少しでもバスで近くまで行った方が無難だと考えてバスに乗ったのだが、あまりに近かったので乗り越してしまい、バス停ひとつ分戻ることになった。

で、バスを降りて神社までの経路を見ようとしたら、地図が消えていた。コートのポケットの中で変なボタンを押してしまったらしい。そこで改めて「天沼神社」で検索したら、埼玉県の神社が出てきてすごく焦った。また、マップの使い方を間違ったのかと思って。。。「天沼」がつく神社ってひとつじゃないんですね。

再度「天沼八幡神社」で検索したら、経路がでてきて無事にたどり着くことができた。恵方参りは立春の午前11時43分以降にするといいそうだが、立春は前日だったこともあってか、境内に参拝者はちらほら。

恵方参りというのは家内安全とか無病息災を願うのではなく、「願いを叶えるための知恵とチャンスを掴みに行く」のだそうだ。そして、右手を高く上げて右手人差し指で天を指し、左手を下に向けて、左手人差し指で地を指す、というポーズをとって、「私にチャンスを、チャンスを見抜く知恵を、そしてチャンスに乗る勇気をください」と唱えると。

参拝客が少ないとはいえ、いないわけではないので、このポーズを取るのは勇気がいったけれど、私は幸運に貪欲なのでやらない手はないと思った。このポーズ、ほとんど「サタデーナイトフィーバー」のジョン・トラボルタですね。すぐ後ろには夫婦らしい二人連れがいて恥ずかしかったので、そそくさとお参りを終えてしまった。お願いちゃんと届いただろうか、ちょっと心配。お参りした後、振り返ってこの二人がどうするか見ていたけど、普通にお参りしていた。

恵方参りを終えると、スマホを頼りに今度は徒歩でテクテクと自宅に戻った。住宅街で全く目印らしいものがなかったが、無事に自宅に到着。天気が良くて暖かかったし、お散歩するのも気持ちがよかった。

ところで、私はスマホでアプリを使うのがチョー苦手。あの小さなスマホの画面で見るのが苦痛なのだ。マップが見にくいので画面を大きく表示しようとすると、目的地や現在地が画面の外に飛んでってしまうし、路上で老眼鏡を出して見るのもほんとにめんどくさい。老眼鏡世代の皆さんはどうしているんだろう。

そんなアプリ苦手、盛大な方向音痴の私が、スマホにコンパスをダウンロードして恵方参りの神社を探し出し、しかもそこに辿り着き、誰のお世話にもならずに無事にアパートに帰ってきたということはものすごく快挙なのです。誰も褒めてくれないけれど「エヘン」て感じ。

歩いて行っても30分もかからないような行程だったが、私にとっては「初めてのお使い」無事に完了しました的な達成感なのでした。



らうす・こんぶ/仕事は日本語を教えたり、日本語で書いたりすること。21年間のニューヨーク生活に終止符を打ち、東京在住。やっぱり日本語で話したり、書いたり、読んだり、考えたりするのがいちばん気持ちいいので、これからはもっと日本語と深く関わっていきたい。

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