原田芳雄さんの特集上映に行ってきました

昨日は18時までお仕事をして、19時に渋谷のユーロスペースという映画館へ向かいました。
とても楽しみなイベントがあったのです。
それは俳優の原田芳雄さんの生誕80年特別上映のイベントです。

僕は日本の役者さんの中で原田芳雄さんがとても一番最高にめちゃくちゃ大好きです。
あんなにもカッコ良くて存在感があって、繊細な芝居も豪快な芝居もでき、それでいてユーモアに長けた役者さんはいないと思います。

僕が原田芳雄さんを好きになったのは、原田芳雄さんが亡くなった後でした。
それ以前はもちろん大御所の役者さんということで存在は知っていましたが、特に大好きというわけではなく、亡くなってから過去の作品を観て、こんなに凄い人だったのかと驚いたのです。
そしてやはり、ああ、もっと早くからこの方の凄さを知っていたら、とどうにもならない後悔の気持ちを持ちました。

好きになったのがわりと最近なので、出演作もまだそれほどたくさん観られていないです。
でも作品は半永久的に残っていくものですから、いつでもその姿を見ようと思えば見られます。
憧れの存在はスクリーンの中にあります。
本当に映画というのは素晴らしいものです。

そんな原田芳雄さんは閏年の2月29日生まれでして、今年2020年も閏年。
生誕80年を迎えるということで、出演作の特集上映が行われているのでした。
22日から28日まで、原田芳雄さんの出演作10作が上映されています。

昨日の19時からは『出張』という作品が上映され、上映後に主演の石橋蓮司さんのトークショーがありました。
石橋蓮司さんは原田芳雄さんと共演作が多く、一番親しい役者仲間であるとして有名です。
最初の共演は『竜馬暗殺』という僕も大好きな映画で、とても面白くてカッコ良くて最高な作品なのです。
そんな石橋蓮司さんのトークを生で見られるということで、昨日はとても興奮しながら仕事終わりに急いで渋谷へ向かったのでした。

急いだからわりとちょうどいい時間に間に合って、予約してあった、前から3列目の真ん中に座りました。
スクリーンもその手前のステージも近くて、この距離で見られるのかと始まる前からわくわくしっぱなしでした。
お客さんはやはり年配の方が多いようでしたが、僕より若そうな方もちらほらいました。

『出張』という映画は正直全く存じ上げず、この際あらすじも調べたりせずに観ようと思いそうしました。
1989年製作の作品で、主演の石橋蓮司さんが40代のサラリーマンの役です。
僕はこのぐらいの時期の日本映画に対してちょっと偏見を持っていたかもしれません。
変に劇画タッチだったりトレンディドラマっぽかったり、カメラワークも音楽も芝居も過剰なのが当たり前で、まあいわゆる古臭くて観てられないもの、という印象を持っていました。

だから石橋蓮司さんと原田芳雄さんが出てくるということ以外、作品になんの期待もしていなかったのです。
スクリーンでお二人の若い頃の姿が見られさえすればいいやと。
作品がつまらなくても今日はその後のトークがメインなのだと。

上映が始まってすぐ、自分のそんな勝手な想像は覆されました。
会場に笑い声が溢れるほど面白いのです。
内容の説明は省きますが、ジャンルでいうとブラックコメディのような感じで、やはりあの時代ならではのセンスな気はしますが、今観ても全く見劣りせず面白いのです。
というより今の時代に観た方が面白いのかもしれません。
なんでも過剰だったり古臭かったりというのは予想に反していないのですが、それでも観ていられないどころか、ずっと観ていたいぐらい面白い内容だったのです。

僕も終始ニヤニヤしてしまって、とても幸せな鑑賞体験でした。
主演は石橋蓮司さんで、ずっと主人公の姿を追う感じで破茶滅茶な展開が起こるのですが、中盤あたりから原田芳雄さんが登場します。
もうその時の待ってました感が大きくて、期待通りの素敵すぎる芝居が披露されて大興奮しました。

とてもカッコいい。面白い。カッコいい。素敵。

とても良い役どころで、原田芳雄さんの魅力を理解しているキャスティングだなぁと思いました。
僕の口角はマスクの裏で上がりっぱなしでした。
石橋蓮司さんと原田芳雄さんのお二人のシーンも多くて、その会話のやりとりが最高で、このシーンだけでも大枚を叩くぐらいの価値があるぞと思いました。

このイベントは一般料金1500円です。もう信じられないです。
トークショー付きで1500円。こんな素晴らしい企画をしていただいて、渋谷ユーロスペースさんありがとうございます。

ちょっとだいぶ文が長くなってきました。
続きは明日にします。
石橋蓮司さんのトークショーがめちゃくちゃ最高だったことは明日書きます。

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