見出し画像

ギャラリーで知り合った初対面男性と3人で飲んだらうわばみどころかゲロ祭りになった件について

それは突然のことだった。

『おれ、14:00にイベントで参加するねん。よかったら来てや』

朝の11時くらいにお友達の下野くんから連絡が来て、ちょうど在廊のタイミングに重なったから中崎町へ向かうことになった。この四連休は自粛自粛と言いながらも足早に遊びに行く人たちでごった返す。ギャラリーきのねの牛乳パックをテーマにした展示に参加していたから、ギャラリーに寄る前に、下野くんのイベント『うわばみ』へ行った。

テーマは酔い。

思い思いの展示が飾られていたが、みな大人な感じだったのか酔いというよりかラウンジやカフェバーのようなオシャレな空間で、どうやら近畿大学メンバーの伝やOB、現役生で参加しているらしい。それにしてもお前ら上品すぎないか、僕は感想ノートに『もっと振り回してやれ』と一筆して後にした。最終在廊が終わりもっと話が聞きたいとまた帰ってきた。

タバコを吸おうとしたら細身の男性が先に吸ってたから、声をかけてみた。その人は絵描きでうわばみの出展者だそうで、話を聞くと東京の方らしい。主催の人と仲が良く、すごく面白い話だったので『よかったら飲みます?』と言われたので、飲みにいくことになった。

僕と細身くん、主催者と後輩くん

おいおい、男3人に囲まれて飲めるなんてワンチャンあるんじゃないの?連れて帰れや、おれのマンコよ。内心ハーレムな状態で中崎町商店街の居酒屋で飲む。すごく喉が渇いていたから生ビールを注文。タバコに火をつけたら乾杯。ビールとタバコの最強タッグ、一気に僕の肝臓と肺の細胞をレイプした。タバコの味はまだ美味しいかわからないがビールの苦味がかき消してくれるからどんどん入る。今回の展示の話や、なぜ写真を撮ったのかと話が進み、ご飯モノや一品モノなどなどが入り、尿意が溜まり、トイレに行こうと席を立つ。

そのときだった。

目の前がクラァとなり歩けない。
一気に血の気の引いた汗と嘔吐感、これはダメだ。吐いちゃう出ちゃう、もらしちゃう!!ウッ…!!ぼくは目を閉じた。白い光と異臭がぼくのまぶたの奥と鼻をさした。気を失ったのか、誰かに押さえ込まれている。おっさんの威勢が耳元で放たれている。あれ、僕おしっこしたの?え、ゲロ?やだな、せっかくのハーレムが、せっかくのお持ち帰りが。ぼくはゆっくりと目を開いた。

気がついたら、店の外だった。3人が僕の身体をさすっていて、近くで飲んでいたチャラめのおっさんが僕を抱きしめてくれた。あーあ、もうこれじゃハーレムどころかゲロマンコババアじゃん。どうやらトイレに行く途中、カウンターのお客さんの鞄に全部かけてしまったらしい。しかも新品だとか。お客さんは鞄より僕を気にしてくれた、「おばちゃんもよーやったから、おねーちゃん泣かんといてな、クリーニング代とかは店長さんに任せるからさね。このご時世やし、頑張りなさい」と肩を摩ってくれる。なんて神。あーあ、本当に死にたい、おばちゃんごめんよ。

帰り道、主催の男の子が、『サッチョン、やばくなったら下野かインスタのストーリーに報告な。うわばみ3期待してるで。』と背中を押してくれたが、ぼくは苦笑いでそうだねと言った。25歳、初めてゲロを人にぶっかけた事を後悔しながら、帰りの電車に揺られて眠った。JR天王寺をでて、和歌山行きの最終列車でシクシクないた。途中、下野くんからいきなりLINEがきて「大丈夫かよw笑うわ」と励ましのメッセージ、余計好きになる僕の心と共に、最寄りについた。

7月の下旬、ぼくの淡い思い出は中崎町の居酒屋に吐き散らかし、初対面男性3人にゲロを見せつけてしまうという結果になった。もし、『うわばみ3』が出るならば、この経験をもとに振り回してやろうとおもう。

これが本当のベストオブうわばみ。主宰と共に。

写真を撮るOLです。