腐女子になれなくて生きづらい二次元限界オタクの話
おはようございます。二次元限界オタクの玉井すあまです。
突然ですが、皆さんに推しはいますか?アイドルさんや配信者さんなどの三次元の方ではなく二次元で。
平たく言えばアニメや漫画・ゲームなんかのキャラですね。わたしはいます。3年くらい推している男キャラが。
ここで「たかが3年?私は10年推してるけど?」という推し歴マウント女が脳内を過ぎりましたがそれはそれ。推しへの愛を証明するのはひとえに期間や金額だけではないと信じてやまない一方で、推しにはいい飯を食べてほしいので、わたしにできる範囲でたくさん課金しております。ただあくまで二次元なので、正確には推しを描いてくださるイラストレーターさん、推しに声を当ててくださる声優さん、そして推しを世に出してくださる運営の方々という感じでしょうか。二次元推しはやはり基盤となるコンテンツがあってこそ生きて(存在して)いられるので。
さて、話を本題に戻しますが、皆さんは腐っていますか?
実のところ、わたしの推しを推している方々(同担さん)はお腐りあそばされている方々が多く、ゆえにわたしの推しは二次創作において常に腐の世界と密接しております。気持ちは分かります。推しには幸せでいてほしいので、BLだろうが何だろうが笑って受け入れるつもりで過ごしていました。そう思って腐海に飛び込み、18禁の沼でお忍びバカンスしてきました。
きちーです。死ぬかと思いました。
わたしの推しは腐海では総受け傾向にあって、まあいろいろな濡れ場やセクシュアルなシーンを時には見、時には自ら二次創作にトライするなどして頑張りました。それを数ヶ月続けました。とにかくエロエロな推しを見届けて、(近場に闇の腐女子が多かったのもありますが)残酷にプライドを傷つけられながら尊い命を奪われる推しを描き、時に幸せに、時に苛烈に描かれる同性愛をこのちっぽけな脳に焼き付けました。
そうしていたら、やがて自我が崩壊しました。
自我が崩壊するというのは、医学的には「離人感・現実感消失」といいます。自分が何者で、何が好きで、何がしたいのか、全部分からなくなってしまう発作のようなものです。強いストレスが引き金となる場合が多いそうです。わたしは所謂メンヘラの部類であるため、毎週処方されるお友達のデパスくんの力を借りて少し眠れば自我が戻ってくるので、そうしたら再び腐海に飛び込む、そしてまた自我が不明瞭になってきたらデパスくんを呷る、という推しとの向き合い方をしてきました。それを何度も繰り返し、ボーイズラブバケーションの中悩みに悩んで、いつのまにか出先で歩行困難を起こして救急車を呼ばれた時、ああもうダメだ、情けない、どうしてわたしは腐女子じゃないんだろう、とボロボロの心で自分を責めたものです。
BLに慣れていないと、推しへの認知が歪みます。公式の勇姿を見て、かっこよくて素敵だと思って推していたはずの存在が、腐海では一人の受けとしてかわいいかわいいと言われ、女の子のように抱かれて喘いでいる。でもそうでない推しもいる。一般向けにしろ腐向けにしろ、二次創作が多すぎて、どの推しを見ていればいいのか分からなくなります。
推しの認知の境界が曖昧になるんです。
わたしはこんなに女の子扱いされている「受け」を好きになって、ずっと推していたのかな?こんなのおかしい。じゃあ今までわたしが好きだったかっこいい推しは幻か虚無だったのかな?と思い詰め、気がつけば流れるはずの涙も固まり、足が震えて息が浅くなっている。そんな日々です。
でも、そんな思いこそわたしのエゴだと思いました。
似たようなケースとして、地獄を体現したような漫画『宝石の国』が無料公開されてツイッターで阿鼻叫喚を巻き起こしたのが記憶に新しいですが、その中の登場人物「カンゴーム」について紹介しようと思います。彼(宝石は無性ですが便宜上)は主人公の相棒兼ツッコミ役のような存在で、無鉄砲な主人公にやれやれと言いながら長年寄り添ってくれた数少ない宝石でした。しかしその立場は、彼が月の王子に見染められて、「今までの立場は強制されたものであって苦しかった。本当の自分になりたい」と心情を吐露した結果、王子と結婚して「姫」としてガラリと変わってしまいます。姫になったカンゴームは主人公のことなんてほっぽって、本来の自分を手に入れたとイキイキ過ごしています。
これがわたしの推しに当てはまったらどうでしょうか。
公式の「自分を強いと信じてやまず、不器用だけどいざという時は見せ場があって頼られる自分」が苦痛で堪らなく、本当は大切な男性に抱かれたがっていたら?二次創作の腐向けの世界こそ推しの理想や願望の体現であり、3年前からずっとわたしが好きだった推しの姿の何もかもが嫌々やらされていた虚像だったら?そこまで考えて、パニックになってわたしは吐きました。血痰が出るまで吐いて、虚ろな心のまま強い酒を浴びるように飲みそのまま泥のように眠りました。
とまあ、わたしはこんな面倒くさい女なのですが、推しが推しである以上、どの世界線の推しも平等に大切にしたいという気持ちは確かです。ここでタイトルに戻ります。わたしは腐向けコンテンツ、特に18禁二次創作における推しを見ても平然としていたいのです。
あまり認めたくはないのですが、わたしの推し方はどうやらリアコや同担拒否に近いようです。ただ、別に推しと恋がしたいとかいうわけではなく、近頃はツイッターでも名前がトレンド入りするほど大人気キャラのため「引く手数多の推しがお前なんかに目を向けるわけねーだろw」という自虐のもと生きているのですが、いかんせん独占欲が強すぎて自分でもイヤになります。アイドルさんの界隈でも同担拒否なんて嫌われやすいので、真っ先に克服したい概念ではあります。それに、推しの性質上、同じ界隈で盛り上がるためにはやはり腐海で優雅にバタフライできるようなメンタルでないといけない、と経験上強く思っているところがあって、そのためにも心から腐向けをエンジョイできるようになりたいのです。離人感なんて引き起こしてる場合ではありません。バカかお前は。デパス飲むな。
胸を張って「わたしは腐女子!地雷なんてありません!同担大歓迎!」と言えるのが理想ですが、現実は「全年齢ならギリギリ耐えられますが、18禁の腐向けは見続けているとストレスで体を壊してしまいます。地雷過多の同担拒否で嫉妬心の塊のようなオタクです」と名乗るしかありません。こういうオタクは所謂厄介オタクとして同担さんからも他担さんからも嫌厭されるのが関の山。所詮わたしは嫌われ者です。でもこうやって生きることしかできないのです。きちーです(2回目)。
誰かわたしの脳を弄って腐女子に魔改造してください。お願いします。同担さんに会うと嫉妬でどうしても息苦しくなってしまうので、推しの名前を隠して為すすべなくここに書きました。とても生きづらいです。助けてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?