還暦からの再就職奮闘記 その2
介護施設の厨房で働くようになって2ヶ月が過ぎた。
最初の頃より慣れて来て少しは楽しく働けていい頃なのに、日を重ねる毎に足取り重く、相変わらず心臓のバクバクはおさまることがない。
なぜ?
色々な人がいて当たり前。
経験値ゼロからの仕事なので、年下上司に叱られて当然。覚えが悪くて若い先輩に呆れられても仕方ない。
そう頭では理解出来ても心の奥底で傷ついている自分がいる。
胃腸の調子はずっと良好でなく、持病のヘルニアも悪化の一途だ。
体重、体脂肪が減少しているのは良かったとしよう。
たった5時間の勤務だが、ほぼ厨房内を走っている。
この運動量は健康に繋がっている。(多分)
若い頃ならとっくに挫折していたであろう。
高校生の時に、先生から
「そんなに神経が過敏じゃあ世の中渡っていけんぞ」
と言われた事を不意に思い出す。
先生、大丈夫!
あの頃よりだいぶ図太くなってるから。(多分)
いい歳して「落ち込んでます」
と言えない自分がいる。
つまらないプライドだろうか。
周りが見え始めると、改善点を提案したくなる。
もっとこうしたらいいのに。
なぜこのやり方にこだわっているのだろう。
そんな言葉もとても言える雰囲気ではないので
浮かんだ言葉を飲み込んでしまう。
今日もいつものように叱責が飛んでいる。
自分が怒られているのではなくても
同じ事を何度も何度も執拗に繰り返す叱責は
紛れもなくパワハラであると感じている。
例えば
「主任の言動はパワハラに該当すると思います。」
と上層部に伝えたところで何が変わるのか。
拗れるだけかもしれない。
なまじ前職で社員教育に携わっていた部門に在籍した経験があるだけに
なぜ社会人として使うべき言葉
使ってはいけない言葉もわからないのか思ってしまう。
ふーっ
さて私をこの職場に送った運命の神様に問いたい。
私はここで何を試されているのか
はたまた何をすべきでしょうか。
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