WARNING

世の中には似ているものが沢山ある。

「柿」と「杮」
鮃と鰈
クローバーとカタバミ

今回は、私が経験した似ているものに関するとある事件をご紹介しよう。

母は晩御飯の一品に味噌汁を作っていた。祖母にもらったという三葉を消費する為だ。晩御飯ができたと呼ばれた私は、椅子に腰掛け、味噌汁の入った椀を手に取った。味噌汁から嗅いだことのない臭いがした。恐る恐る口にしてみると、食感は三葉だが味が異なっていた。
母に味に異変があることを伝えると、ゴミ箱から三葉の包装を取り出した。なんと祖母にもらったのは三葉ではなく、パクチーだったのだ。味噌汁から独特の香りがするのはそのせいだと思うと、腑に落ちた。
三葉とパクチーという間違いだったので、体調不良にはならずに済んだが、これが水仙と韮やシラスと河豚の稚魚、といった間違いだったら、と思うと少し怖くなった。
ちなみに不運なことに、私にとってこの味噌汁がパクチーとの初対面の場だった。第一印象が最悪だったので、私はパクチーが嫌いになった。
物を買うときやいただくときには、きちんとその物を確認すること、そして、何事も第一印象が大切であるということを学んだ。

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