不思議なヴィジョン

うつらうつらしていたら、
まぶたの裏に、
「灰色の何年も着ていた服に五センチくらいの穴が開いていて、
そのすぐそばに
小さな数センチくらいの鴨🦆がいて、
その鴨が白黒の蝶🦋に変化して、
蝶は羽をゆっくりひらひらして、
今にも飛べるような感じだった」
という超高解像度カメラみたいな、
驚くほど鮮明なヴィジョンが映った。
いつか、絵に描くかも。

それを見ながら、
自分は70%寝て30%起きてるような感じだったけど、
ヴィジョンが映りはじめて、
「あっ、これヴィジョンだ!
スゲェ!」
と興奮して目が覚めて、
つい目を開けて、
ヴィジョンは
上にスライドしたまぶたの裏と共に視界の上に
消えていった。

いつもの夢との違う点は、
自分がこのヴィジョンを見ながら
覚めた意識を持っていて、
「自分が今、ヴィジョンを見ている」
のに気づいていたことと、
夢は眠りに落ちた意識に沈みこんで
見る感じだけど、
これは3割起きてる状態どまぶたの裏に
映像が映っていて、
自分の願望とか記憶でできた感のある
夢と違って、
自分の記憶を使って何か別の存在が
こしらえた映像、
みたいな感じだったこと。
視力検査で見る映像みたいな感じだった。

眠りかけとか夢ではっきりヴィジョンを見たのは
今回含めて
人生でまだ3回か4回だけど、
いちばん鮮明でクリアだった。
服の繊維が一本ずつ見えるくらい鮮明で、
感覚や感触も、
寝てみる夢とは違った。

映画館で見たピクサー『FLY』の予告で、
「未知へ冒険するのを怖がって嫌がる
鴨の夫と、
冒険に連れ出そうとする鴨の妻」 を
見ていたので、
ヴィジョンの飛ぶ気がなさそうだった鴨は
「変化したくない、
慣れきった世界観に安住したい、
飛べる自覚はあるけど、
まだ着慣れた服の上にいたい自分」
で、
今にも飛べそうだった白黒の蝶は、
「昔からの信念や自己概念を離れて
自由になる準備ができた、
その向こう側に飛んでいく、
その意欲がある心」
だと思った。
着慣れた灰色のトレーナーは、
実家みたいな、
慣れ親しんだカンフォートゾーン、
今までの生き方、世界観、信念や自己概念。

現状維持したい気持ちと自由になりたい気持ちが両方あるけど、
飛んで服の穴から出て行く準備が整いつつあるみたいな感じだろうか。

ここまで鮮明にヴィジョンが来たのは
始めてで、
「ヘレンが経験してたようなやつが
とうとう来た!」
と思った。

最近、あれだけ重く感じた風呂に
2日に一回ぐらい入れたり、
「自分が絶対に動かせないと思っていた
キツさや重さや無力感は、
意外と変化するんだな」と実感していた。
岩みたいだった重たい感じは、
意外と空気みたいに軽かった、
思い込みでしかなかった、
みたいな感覚。
それに伴って、
このヴィジョンが来たのかもしれない。

あと、蝶が蛹になった時は、
一旦中でドロドロになるけど、
泥沼みたいな感情にまみれる時間は
羽化するまでのプロセスで、
自己嫌悪とか罪悪感が上がるから
何かひどく間違っているように感じるけど、
実際には全然間違ったことが
起こっているわけじゃなく
自然で正しいプロセスだ、
みたいな考えがきた。

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