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祖母との回顧録(冬暮らし)

30年ほど前のお正月、熱いブームがありました。
祖母の家には、ゲームが置いてある訳もなく
TVも居間に1台だけ、と言う
子供からすれば、ちょっと【お暇】な
くらしがありました。
(今思えば、贅沢な話ですが)

納屋には味噌、漬物、うめぼしなどが
当たり前の様に自家製・作られていて。

私は納屋の匂いがものすごく、懐かしい気がして
大好きで今でも、きっと好きです。

これ以上の上(土地として)が無い所に住むくらし。
やわらかい軟水の水。
祖母の暮らす世界は、私の住む世界とは
なんだか違う気がしていました。

家の中にも余計なものが無くて、きちんと
整理された空間。
柱に掛かる音のする時計。
壁に掲げられた日めくり。

モノにあふれていない、ちょっとだけ不便な
でもくらすには事足りた生活。

外に出れば、雪しかなくて
目が疲れそうなくらいの銀世界。
金ダライの中の水が凍っている、
そんな自然が当たり前の世界。

祖母は、家の中でも着込んでいないから
時々見ていて
「寒くないの?」
と聞いても
『今日は暑いくらいじゃ』
と、会話がかみ合わない。

言われて、見た温度計は5度とか8度あたりが
ほとんどでした。室内ですよ?

石油ストーブ1台に、部屋にはコタツだけ。
よくもまぁ、ここで何十年も暮らして来たものだと
感心するばかりでした。
コタツの下には、囲炉裏があったけれど
時代と共に使わなくなり、塞いであるのです。

祖母曰く、灰の掃除が大変だから
もうあんまり使いたくない。と言っていました。

冒頭に戻り、熱いブームの話の続きですが
祖母から、昔のなぞなぞを出して貰って
家族で考えて回答する。
と言った事に熱中しました。

最後に、そのなぞなぞを書いて終わります。

『天から落ちて地転んで、しょみずかぶってひなたぼこ。何じゃ?』




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