【風来のシレン6】これぞシレン【ゲーム】

 正直言って私は風来のシレンを1つか2つしかプレイしたことがなく、その記憶も1・2・3のどれかというあいまいなものしかない。そのほかの不思議のダンジョン系で言うと、ワンダースワン版のチョコボの不思議なダンジョンをやっていたことがあるくらい。
 つまり、昔の不思議なダンジョンはいくつか触っていたが、最近のはほとんど触っていなかった。
 そんな久しぶりに風来のシレンシリーズを遊んだ人間の感想だが、知ってるシレンだ! というのが一番かつすべてだ。

◆不思議なダンジョンの絶妙なバランス
 ストーリーで最初にもぐるダンジョンであるとぐろ島は、未識別のアイテムも少なくルールさえ知っていればすんなり進める。それでも数回倒されているが。
 道中で少しずつ展開される人々の物語も繰り返しの中でアクセントになる。早くにクリアすると回収のための往復がやや面倒だったけど。
 そのほかのダンジョンでも、未識別でも三択になっているダンジョンから持ち込みありの進めやすいダンジョン、新要素? であるデッ怪やドスコイ、桃まんといったコンテンツがメインとなっているダンジョンなどいろいろな遊び方ができて楽しかった。
 ストーリーもメインの遊びを邪魔するものではなく、風来の旅人がいつの間にか関わっていたり、神々の痴話喧嘩だったり世界観らしい。

 難易度という面でいうと、おそらく昔よりは易化しているのだろうと思う。
 死んだときは基本雑な操作をしていたり、出し惜しんだりしたときが多く、反省して絶対死なないように動いていけば結構安定して攻略できるようになっていた。
 稼ぎ作業も行ったりしていたが、良いアイテムが出る率も高くなんとかなった、という感覚が強かった。
 ただ決して楽になっているというわけではない。
 序盤から火力の高いモンスターが出てくることが多かったし、後半のダンジョンのモンスターハウス率は毎階で発生してないかっていうぐらい異常と感じるほど。
 それでも詰んだとはならず、操作ミスや甘えたことをしなければクリアできたのだから、バランスよくできてるなぁ、と。
 難しすぎればストレスにしかならず、簡単すぎれば不満がでる、それでいて自動生成の確率しか制御できずプレイヤーの成長にすべてをゆだねる、難儀なゲームジャンルが絶妙なバランスで成り立っていることをしみじみと感じさせられた。

 救助機能を遊ぶメリットがあまりないのに基本機能にあるのってどうなんだろうとか小さい不満点はあるが、全体としてクリアしたときの達成感は大きく、久々に不思議のダンジョン系を遊んでよかったな、というのが一番の感想だ。
 ゲームに慣れていくにつれて、その場その場の判断に磨きがかかったり、クリアした後に思い返して「気配察知の腕輪強すぎじゃない?」ってなるのも楽しい。
 うまくいかずに苦戦して何度も挑むうちに、パコプレキンの桃まんで安全に経験値稼ぎしたほうがいいなとか、石投げればデッ怪倒せるじゃんとか、強い武器全然落ちてないダンジョンだけどバトルカウンターで火力補助できるなとか、成長を言語化できるほど楽しんだ。
 即興性やアドリブの大きさ、またプレイヤーの成長のみというこのストイックなゲームは、ハマったときの魅力がつくづく恐ろしい。