幻想小話 第四十九話
残映
竹林の夢から戻った私は間もなく
庭の茂みの陰で弱そうな鳥の雛を見つけたのだった
万代に見せると篭の中に布切れで巣を作ってくれ、私たちは世話をした
ある日、いつものように懐の中に雛を入れて、私は部屋の前に立っていた
万代はおらず、影の薄い方の万代がいた

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