新・幻想小話
烏の沈黙②
からから
ごとごと
何かが風で転がる音
酷く悪い寝起き
来たのは歳神に非ず
烏はずっと静かだった
引きずり出すのはミミズであろう
ただ低く飛ぶ
見ているとはぐらかされる
隣の地蔵が揺れている
龍雲が東に出ていたのを思い出す
烏はずっと鳴かなかったのに

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