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今年は庚子

新年あけましておめでとうございます。

元日ももうすぐ終わりますが、皆さんはどんな元日を過ごされましたでしょうか? 私は朝だけ仕事して、帰宅してからは初詣、そして今こうして文筆活動に明け暮れています(笑)。


さて、今年はネズミ年。干支で言うなら子です。そこに「庚」という字が付いて、庚子の年となります。

ここで庚子を庚と子に分解して、それぞれの意味合いを見てみましょう。

庚は植物の成長が一旦止まり、そこから新しい形に変わる状態の漢字です。つまり、変化を意味します。

次に子です。十二支の始まり、スタートを意味します。子も植物に関連し、今まさに種から発芽した瞬間の状態です。

ネズミ算、ネズミ講、と言うと悪いイメージばかり思い浮かぶと思いますが、本来多産のネズミから発展、繁昌を意味する、縁起のいいものです。

では今一度、庚子に合体させて意味を見ていきます。

庚は十二干、子は十二支から来ています。これらの由来は古代中国の思想・陰陽五行説です。陰陽五行説ではその組み合わせによって、互いを打ち消す「相剋」と互いを補い高める「相生」を付け足していきます。

庚は十二干では「金の陽」。金は金属で、堅実・冷静な性質を持ちます。季節でいえば秋で、豊穣の象徴です。陽は大きく、勢いがあることを意味します。

次に子です。子は水を意味しており、庚子は「金生水」をという相生の関係になります。「金生水」はたくさんの水が地面に埋まっている金を洗い出して、運び出します。ここで現される水は流水です。

水に鉄分が混じり、再び土にしみこむことで光合成が促され、再び植物が実のです。

纏めると庚子の年は物事を冷静に見つめ、何事にも貪欲に行動し、新しく何かを始めることに適した一年となります。

では、何を始めるのに適しているのか?

答えは二十八宿に求めてみましょう。これも古代中国の思想で、黄道十二星座を四分割して、七等分したもので年・月・日も占えるオールマイティなものです。

本年2020年は二十八宿の「畢(ひつ)」に当たり、この「畢(ひつ)は「神仏祭礼婚礼、屋根葺き、棟上げ、取引開始すべて吉」とされています。

つまり、結婚、新築、新規事業、開店などに適しています。

そうなるとお参りする神社もおのずと見えてきます。

結婚は縁結びですので、伊弉諾尊と伊弉冉尊(例:多賀大社、伊弉諾神宮)。素戔嗚尊と奇稲田姫命(例:八坂神社、氷川神社)大国主命と須勢理毘売命(例:出雲大社、日光二荒山神社、浅間大社、諏訪大社、夫婦大黒社)、瓊瓊杵尊と木花之佐久夜毘売(例:箱根神社、築土神社、高千穂神社、霧島神宮)等の夫婦神を祀る神社。

新規事業、開店は商売繁盛や社運隆昌ですので、伏見稲荷大社、日前神宮・国懸神宮、建部大社、椿大神社、三嶋大社、西宮神社、大神神社、鹿島神宮、香取神宮がおすすめです。

建築は大山祇命の御利益ですので、大山祇神社がおすすめです。特に大山祇命は前述の木花之佐久夜毘売の父親に当たる神様なので、二重の御利益も期待できます。

初詣は近場で済ませてしまった方も、大丈夫です。

古人は恵方詣りと言って、その年の恵方に参拝することが本来の初詣としていました。自分の家から見て恵方の方角にある、前述した神社をお参りしてみるのもいいかもしれません(但し、恵方詣りは節分の翌日からが適しています)。

どうぞ、皆様の2020年のスタートに役立ててください。

                       らしんばん

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