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港区おじさんナメてた問題(抜歯後最悪のコンディション期)

すり足で会社に戻り(通院はだいたい仕事の合間、タクシーで病院に乗り付けるスタ~イル)抜歯後の痛みと戦いながら、半分意識を飛ばしつつ、仕事をなんとかやっつけて(だいたい金曜は今週中の仕事がてんこ盛り)帰宅。ベッドに入ってAmazonプライムビデオでなんとなくカジノロワイヤルを検索、プライム会員ならフリーで観れるとな。カジノロワイヤルって私観たっけな~とか思いつつ、レビューとあらすじに目を通してみたけど、ストーリーを何となくしか思い出せないので、観ることに。ほぉ~なるほど、ボンドが初めて本気で愛した女、その女は愛した男のためにスパイになり、ボンドを騙しつつも、ボンドを愛しはじめて…ほぉほぉ。。。これは、男の人が好きな展開だよね~~とかいいつつ、私も割と夢中で観ました。(まぁでもダニエルがかっこいいから話置いといても、基本魅入る)でもやっぱりスペクターのレアのが私には魅力的に映るわけで。ちなみにカジノロワイヤル観てる間も、抜歯後の幹部はズキズキつねに痛んでおり1分1秒ずっと痛みと戦っている状態であります。それを見たあとは、なんとか光を見出そうと「抜歯後・痛み・いつまで」とか「抜歯後・ピーク・何日目」とかで延々ググって寝落ち…。

痛みのせいでコマ切れ睡眠しか取れないストレスもマックスな土曜の朝(抜歯後5日目)、起きたらすっごい熱っぽさ、熱を測ると38℃近い発熱じゃないか!!!痛いし、発熱してるしでフラフラ、しかも抗生剤を飲んでいるので体中浮腫んで、もうこのまま一生痛みは消えないんじゃないかという気持ちに支配される私…。絶望……。痛み止めを追加でインストールしようとしたその時、港区おじさん先生の手書きの電話番号が目に止まり、すぐさまその番号宛てに発熱していることをショートメールしました。まさに藁にもすがる思いってことのこと。ちなみに映像業界はかなりの電話文化であまりメールを使わない人が多く、みんな会社携帯と自分携帯と二台持ちなのでLINEアカウントでやりとりするというより、ショートメールでやり取りする文化なので、迷いなくショートメールしたわけです。また、この時点では港区おじさんをただのアラフィフのおじさんと捉えており、LINEとかあんまやらないのかな?くらい思っていたのです。なんせ、今の会社は社長くんが私の2つ下で社内で一番年上なのは自分だから、昔は得意としていた業界のおやじ対応スキルも、過去の栄光となりにけり…なのでした。

「港区おじさん先生、こんにちは。お休み中にすみません。先日親知らずを処置していただいたラジエル子と申します」
「今朝起きましたら、発熱しており、痛みも続いていております。患部にウィルスでも入ってしまったのでしょうか」
と、ショートメールの内容はこんな感じ。するとすぐさまレスが来ました
「お熱は何度ありますか、腫れていますか」
それに返信するテキストをポチポチ打ち込んでいると、LINEにも受信が…。
「こんにちは〇〇です(先生の苗字)」
「お熱は何度ありますか、腫れていますか」
とりあえず、LINEに画面を切り替えて、そちらに38℃熱があり、患部は大して腫れていないと返信しました。この時点で、私の期待していたことは、とりあえず不安を解消してもらうことなわけで。なんなら、あんた暇って言ってたし、今からクリニックに行くので、診察してくれないかしら?とか思っていたくらいです。今まで胆石の発作に見舞われて、先生に電話して近所の行きつけのクリニックを深夜や休日にあけてもらい痛み止めの注射をしてもらったことが何度もある私としては、それくらいの切羽詰まり度を感じていたからです。(今となれば大げさ女だとわかるのですが…)

だがしかし、港区おじさん先生からの返信は「栄養をとって安静にしていてください」というものでした。は?そんなもん私でも分かるがな!だわよ。でも、ここでもわたしの内面に反する強すぎる社会性が沸きあがり
「お休み中にご返信ありがとうございます。そうします。」
「昨日カジノロワイヤルを観返したのですが、やっぱり素晴らしかったです」と雑だが相手の喜びそうなレスを白目剥きながら返しました。ザッツ社会人!ビジネスマンな俺氏、乙。そして携帯を投げ捨て、布団をかぶって寝ようとしたらまた即レスで
「奇跡のシンフォニーはご覧になりましたか?」
「好きな映画です」「泣けますよ~」
と。は?なんだその映画…聞いたことあるわけねえだろ、007とかインディージョーンズとかゴッドファーザー級の有名映画のようなものじゃないのに、急に?と怪訝に思いながらも、即奇跡のシンフォニーをググる私。ざっとwikiや映画ポータルで調べてたところ(この間2分くらい)、クソ映画の予感しかキャッチできなかったものの、休日にSOS連絡をしてしまった負い目から「観てないです~、今度観てみますね、おすすめありがとうございます」と返す俺氏。(その当時の体調の悪さのあまり、意味の分からない一人称に)

とにかく、そんな一連のやりとりをして、その週末はずっと歯の痛みと発熱に苦しめられながら廃人として過ごしたのでした。ちなみにこの時点での、私の先生に対する気持ちは、腕がいいし、なんだかんだこちらの要望をくみ取ってくれるし、治療一生懸命やってくれる職人気質の優しい先生という好意的なものでありました。
ここで、先生についての私の知る限りの情報を少し。年齢はちょい50過ぎ、自分で歯科医を開業している、助手は女性3名。某国立の歯学部卒。独身(奥さんをご病気で亡くされてるらしい)。職場も住まいも港区。映画好き。趣味はゴルフと麻雀。そんな感じ。こうざっと書いただけで、全然畑違いのお互い。多分かぶるのは港区勤務ってところだけなわけで。映画好きについては、前述のとおり、多分趣味は合わないと予想できますね。

この時点で、なるべく痛みをさけ丁寧に処置してくれる先生を見込んで、抜歯後も下の歯の銀の詰め物をセラミック的な白い詰め物に変える治療を続けることを決めており、しばらく通院は続きます。

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