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「ヒトの初心忘るべからず」。はじめます。

ヒトとは、現生生物種としての人類を表す言葉。学名がホモ・サピエンス
和名がヒト。ある本がきっかけで、狩猟採集時代のヒトに、私は惚れています。

自由で自律していて、平等。足跡ひとつでその動物が何で、どのくらいの大きさで、次にいつ来るかが分かる。何もない原っぱのような場所を何キロも進んでも、石ころ一つの置き場所さえ正確に記憶し、また同じ場所に戻ってこれる。働く時間は短く、遊ぶように暮らし、大人も子どもも怒ることもない。人々は協力しあって生きていた原初の平和な時代。
そんな人々への憧れから、過去にもちょこっとnoteをかいていました。

私たちのDNAは「自律と共有と平等」で出来ている 
落合陽一が提案する世界観「マタギドライブ」を自分なりに解釈してみる

世界各国の狩猟採集民、縄文、アイヌなどなど、今のところ興味は多岐に渡っていますが、共通してその人たちへの憧れと尊敬の念を抱いています。

ホモ・サピエンスになったのが約30万年前とすると、農耕が始まる約1万年前までそのうちのほとんどは狩猟採集民として生きてきた私たち。

このヒトたちに、私はなぜか、ものすごく惹かれてしまうのです。本を読んだり、想像したりいしていると、とてつもない映画をみているように、なんだかとても興奮して、のめり込んでしまう自分がいます。

今の私たちも、30万年前のヒトも基本的に同じDNA。同じ構造。
きっと同じような事を想い、同じようにワクワクしたり、嬉しかったり、悲しかったりしたんじゃないかなと。誰かと笑い合って楽しんだり、恋に落ちたり、子育てをしたり、死に遭遇したり。今の私と生活様式は驚くほど違うけれど、私のDNAにはきっと彼らが感じたことが刻まれている。だから、彼らが感じていたことを私も感じてみたい。友達になってみたい。ヒトとして、初心の気持ちを感じてみたい。きっと、それが何かに繋がるはず。そう思って、2024年はヒトの初心を辿る旅をしてみたいと思っています。

なのですが、先日、「学んでみると自然人類学はおもしろい」を読んでいて、ふと思い出してしまいました。

ヒトが新しい土地に進出した時期と、大型哺乳動物や、他の人類が絶滅した時期が同じタイミングである、という事実。ヒトが新大陸に上陸すると同時に、それまで繁栄していた動物たちが姿を消す。そこに何があったかは分からない。環境要因が大きいとの見方もある。でも、結論は出ていないらしい。長い時間をかけてヒトが環境と適応してきたアフリカ大陸では、そういったことは起こらなかったらしい。

更科 功著「絶滅の人類史」によると、30万年前からヨーロッパにネアンデルタール人が住んでいたらしいが、4万年前に絶滅した。ホモ・サピエンスが初めてヨーロッパ大陸に進出したのが4万7千年前、4万3千~4万年前にはホモ・サピエンスの遺跡が急激に増えたらしい。ちょうどネアンデルタール人が絶滅した時期と重なる。

とはいえ、両者の間に争いがあったという遺跡はほんのわずかで、大きな集団での争いはなかったようです。もしかしたら、ネアンデルタール人のほうが、ホモ・サピエンスの住んでいる地域を避けていたかもしれないとのこと。そして、たまたまホモ・サピエンスは子だくさんで、子孫を多く残せたから生き残っただけかもしれない、と。

でも、、今もなお、私たちは明らかに、色々な生き物を意図せずとも絶滅に追いやってしまっている。そのDNAは、憧れだった初期のヒトからもずっと脈々と続いているのだろうか、、とつい思ってしまう。

「初心忘るべからず」

今回、私が追ってみたいテーマ。ヒトとして、初期のころのヒトの気持ちを感じてみたい。そう思って、このテーマを置いてみました。

ふと、「初心忘るべからず」の意味を調べてみると、実は私の知らない意味があったことに気付きました。

これをかいた世阿弥は、違った意味を込めていたそうです。

「是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず」
(現代語訳:未熟だったときの芸も忘れることなく、その年齢にふさわしい芸に挑むということは、その段階においては初心者であり、やはり未熟さ、つたなさがある。そのひとつひとつを忘れてはならない)
 つまり、「老年期になって初めて行う芸というものがあり、初心がある。年をとったからもういいとか、完成したとかいうことはない」とあり、そのときどきで、自分の心の状況を意識して、変えていくという意味合いなのかと思います。

https://diamond.jp/articles/-/268942?page=2

つまり、初心者の意味。いくつになっても、初めて行う芸では初心者。自分が未熟であることを忘れてはならない、ということ。

これを知って思いました。

ヒトも同じ。何年、何万年経っても、新しい力を手に入れた時は、それを使いこなすには初心者。自分は未熟であることを忘れてはいけないのだ、と。

農耕、産業革命、情報革命。ヒトは色々な技術や力を手に入れてきました。その度に、それを使いこなすには初心者だったのかな、と。

約30万年前に生まれた私たち、ヒト。
でも、今もまだ、ずっと未熟。

ヒトの初心の忘るべからず。
ヒトへの愛と希望を抱いて。
大好きなヒトたちと一緒に。
2024年はそんな旅をしてみたいなと思っています。





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