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「永遠の1位」「2位の反撃」の沼が心地よい


周書逸、私は君が泣く姿が好きだ。

すごい誤解を招きそうなんですけども、台湾BL「永遠の1位」を見ました。

今季激アツ、とのことでそりゃ見ないわけにはいかないでしょ!と清水の舞台から意を決してどぼんしたんですけどまんまと沼でした。幸せとヒリヒリする辛さが心地よい。
私は2期が始まるとほぼ同時に1期を見たので間に合ったのですがこれはリアタイされてた皆さま2期まで耐えるのさぞかしお辛かったでしょう……と思いました。本当に1期最終回ラスト1分でガン!と殴られたので……深夜に見ながらハイ!??て叫びました。それ以来あらゆる失恋ソングが胸に刺さって仕方がないです。
続く2期「2位の反撃」も見るまでにさんざ緊張して逡巡して躊躇ってうーーーーーんって悶えてたのですがこれも意を決してぽちっと視聴ボタンを押しました。結果1期を上回る辛さでのたうち回る羽目になりました。つらい(笑顔で)。



「永遠の一位」は、小中高とずっと何においても1位を攫い続ける高仕德と、彼のせいで万年2位に甘んじざるを得ず、仕德にコンプレックスを感じ続ける周書逸、漸く離れたと思ったのに仕德が転入して来たお陰で大学で再会することになった2人の物語です。
まずもってお二方がお美しい。
書逸を演じてらっしゃるYUさんは日台ダブルの方、役柄上もお父上が日本の方。お顔立ちも親しみやすく、色白で細身、台詞にもちょこちょこと日本語が混じるのですがこれが非常にかわいらしい。母国語にこんなきゅんとする日が来るとは思わなかった。
仕德を演じてらっしゃる林子閎さんも目鼻立ちのすっとした、スタイルもがっしりしたお美しい方でして、サムネイル見たときにハー、2人とも美しいわー!つってその段階で既に勝利宣言しました。好きなお顔立ちの方がいらっしゃるだけでテンションが倍上がると最近気付いた派です。


さて
1期通して、また2期もなのですが、映像と音楽にとても心を配った作品だなと思います。
もちろん、物語や演じてらっしゃるキャストの皆様も素晴らしいのですが、カットの割り方や画づくり、その色彩、そして徹底したテーマ性のある音楽が美しく、どこか懐かしさを感じながら落ち着いてゆっくりと見られる作品だなと思いました。心のやわい部分を冒頭からサクサクと刺してきます。
映像は甘やかな色調が最高によいお仕事をなさっていて、焦点の当て方や画の切り取り方も絵画のようですばらしい。1期4話、朝の保健室の2人の画なんてちょっと宗教画かなと思いました。また、夜景の美しさは本当にため息が出るレベルで、夜のシーンは夜景マニアにとってはたまらないカットがたくさんありました。台湾に行きたい。

音楽も、主題歌(挿入歌なのかな?)、主題のバックトラック、主題の明るいアレンジ、切ないアレンジ、と一貫したテーマ性が打ち出されていてお見事。見ているうちに次第に口ずさめるようになります。そして大事なシーンは音楽をかけず息遣いや衣摺れの音まで大事にする。完璧……そもそも主題の挿入歌が素敵な歌なので終始切ない……先日主演されてるYUさんが歌ってらっしゃる動画に行き着きまして(遅い)、息を詰めて見てしまいした。お歌もお上手とか、天は彼に何物をお与えになりたもうた。感謝しかないわ……


永遠の一位も圏套よろしくほぼ1日で一気見してしまったわけですが、「自分が書逸より上にい続ければ、それだけ自分を見ていてくれる」という理由でずっと書逸を見つめ続け1位をキープしてきた仕德を、初めは妬み、邪魔に思っていた書逸が次第にひかれてゆく様はわかっていてもやはり胸高鳴ります。
幼少期からひたすらに書逸のことだけを見つめ思い続けてきたという究極の重たさを誇る仕德と、仕德含め気に入らないものは蹴っ飛ばして噛み付いて強気で生きてきた書逸の歯車がかちりとかみあった時は、幸せそうな2人にこちらもニヤニヤしてしまいました。

しかし、OPにもある名シーン(と勝手に思っている)に、仕德が後ろから書逸の目を覆いながら連れ去るシーンがあるのですが、とにかく仕德は"書逸には知らないでいいことは知らせたくないし、全部全部自分の掌の中で守っていつまでもかわいい書逸でいてほしい"というところがあるので、彼の言動に末恐ろしさを感じることもしばしば。
そしてそれが故にあんなこと(番外編〜2期)になっちゃったんですけど。
2期2話で、今度は何も言うなと書逸の口を覆い、泣きながら縋る仕德が痛々しくて悲しかった……仕德はやはり全て自分ひとりで背負おうとしてしまうのだな、と打ち拉がれていたら一瞬画面に映る自分の顔がえらいことになってて思わず我に返りました。

1話で失恋の痛みにひとり泣く書逸に私はこの子の涙に弱いのだ、と確信しましたが、EDで一目で惹かれた美しい涙をこぼす書逸が、辛いシーンというより告白のシーンであったとわかった時には床をゴロゴロと転がりながら一時停止と10秒戻しと再生を繰り返しました。
だからこそ、6話の最後と番外編は頭をがんと殴られたような気持ちになりましたし、泣きじゃくる書逸がきれいで哀しくて、その後一切なにも手につかず早々に布団に入ったことを思い出します。
以前好きなキャラクターに泣いて欲しいわけじゃない、でも泣かせたい、と話していた友人の言葉がふと蘇りまして、思うに
周書逸、私は君が泣く姿が美しくて好きだ。


1期1話で制服の白いシャツ、プールの青さ、とエモーショナルさ満開の映像美に惹かれたのですが、このプール、水、というのが随所に出てくるモチーフなのかなと思ったりしています。初めて仕德が書逸にキスをしたのもプールの中だったし、2期ED最後のカットはやはりプールだし。2話でどうして書逸にきちんと連絡を取らなかったのか、どうやら事情はあるのに頑なにそれを明かさない仕德が水中で叫ぶシーンなんか、水の中じゃ泣いていてもわからないというのが切なさを増幅させていて胸が痛みます。伝えられない想いを抱えている様子を、足のつかないプールの中に沈む姿で表しているような……。
2期で仕德の従兄弟守一が働いて?いるバーも河辺、夜灯りが映る水面が明媚だし、泣きながら書逸に縋る仕德のシーンも部屋の窓の外にゆらめく水があって印象的でした。
また、台湾は気候柄雨が多いのかな?と思うのですが、雨や雨上がりのシーンもドラマチックに訴えるものがあって心に残ります。


また1期からその存在が(というより不在が)仄めかされていた守一の元恋人?の真軒がようやく2期で登場したのですが、デスノートのLかな……?ていう一風変わった強キャラっぷりと笑顔の抜群なかわいらしさに色々持っていかれたのでこちらも注目したい所存。携帯つまんでたり椅子に膝曲げて座っちゃうあたり少し意識してたりするんじゃないかなーと思うんですが、どうでしょ。


同じ作品を短期間に繰り返し見る、ということを余りしないタイプの私が、永遠の1位と2位の反撃については何度もリピートしております。良いと言われるものはやはり良いのだと改めて噛み締めることが多い昨今です。

国内ドラマだけでなく、こうやって海外ドラマにも毎週の楽しみというか苦しみが増えたのは喜ばしいことなので、この先ひと月あまり悶え苦しんでいきたいです。
2期で書逸くんのパパが予想以上にシリアスブレイカーな面白いパパだったので次回以降もわくわくしてしまう……立場上仕德と書逸の前に立ち塞がりそうなんだけども、あんな登場の仕方されたら憎もうにも憎めないのが、にくい……!