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『転生令嬢と数奇な人生を』レビュー

表紙。驚き(?)の早川書房刊

『転生令嬢と数奇な人生を』
かみはら(著)/しろ46(イラスト)


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転生もの、そんでもって(悪役じゃないよ!)令嬢もの。
いわゆる異世界転生ものの、なんというか定番なイメージと受け取られかねないタイトルです。
でも本作は、普通の(イージーな)転生モノとはかなり違います。
異世界であっても人生楽じゃないのよ。貴族の令嬢だって大変なんだから的な、チートなし、魔法なし(世界には魔法はあるっぽいけれど主人公はその才能なし)の、世知辛ハードモードで極太な人生ドラマが繰り広げられます。

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主人公はとある中流の貴族の家に転生を果たします。おぎゃあと生まれたその時からすでに三十路の前世記憶をもつ彼女、カレンは、その前世たる一般人の記憶以外はなんら特別な能力を持たず(いちおうは貴族らしい見た目は持っていますが)ごく普通の令嬢として人生をリスタートします。
ですが、14才のころ、なんと突然、異世界の母親から娘としての存在を「忘れられて」しまうのです。
ふりでも冗談でもなく、本当に母の記憶からすっぱりと消えてしまったカレン。
なんじゃそりゃと混乱する彼女と家族たちは、母親の記憶を取り戻そうとするのです。が、その際に今度はなんと母親の浮気が発覚。どうやらカレンはこの貴族の家ではなく別の男の娘らしいことが分かり、すったもんだの挙句、とうとう家からほおりだされてしまうのでした。

もうこの段階で一筋縄ではいかなそうなお話です。でもこれ、「令嬢」の話じゃなくなっちゃってなあい?
なんて思っていたら、追放劇から2年後、カレン16才の時に、これまた突然、おどろきの理由により彼女の名誉が回復されるのです。名誉回復、つまり、貴族令嬢の立場にもどる……。と。
もどったら、当然、貴族の責任が発生しますわね。
いきなり二枚の肖像画を見せられ、「どちらかに嫁に行け」と言われる彼女。
かたや、金髪の美青年。
もう一方は、60過ぎのおじいちゃん。
はたしてカレンは、どちらの男性を夫に選ぶのでしょうか?

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っというところまででまだまだ物語の冒頭も冒頭、500ページ級の一巻のわずか30ページってところです。
この後も怒涛の展開と、ドラマチックなストーリーがガンガン押し寄せてきてきます。
正直、ワタクシ、夢中になって読みふけってしまいました。
どっぷり、このカレンちゃんの波乱万丈で数奇な人生劇場にのみこまれ、一巻を読み終えるころには、次巻への引きで思わず「ひぇっ!><」って叫んでしまったぐらい。(マジで声でました)
このラスト、いかんでしょおおお!! とうなりつつ、次巻をぽちり、次巻でもラストに思わず叫び、またその次巻を……。という常習性(?)がヤバイです。

現在、分厚い本が4巻まで出ています。(4巻目は9/2に出たばかり!)
次巻を待つソワソワ味わえない分、一気読みできるチャンスよぉ!(3巻ラストも超ヤバかった!>< 4巻ラストは、まあ叫ぶほどじゃなかったですけどとにかく次が待ち遠しいですw)

世知辛くハードな人生を歩む転生令嬢の、もう大河小説と言っていいじゃないかとおもえる転生ファンタジー。あ、大河だとのんびり流れるイメージですが、なんかこれは激流ですね。ジェットコースターな人生にどっぷりつかりたい方におすすめの小説でした。(次まだぁ??><)



なお、出版元の(なんと!)早川書房さんも noteで宣伝&告知されていますね。本編読まれた方にはイラストギャラリーがおすすめ!!


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