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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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#中原尚哉

マーダーボット・ダイアリー『逃亡テレメトリー』レビュー

マーダーボット・ダイアリー『逃亡テレメトリー』マーサ・ウェルズ(著) / 中原尚哉(翻訳) 📚 ( ゚∀゚)o彡゜弊機! 弊機!  というわけで、個人的大人気の弊機ちゃんが活躍するマーダーボット・ダイアリーの最新巻三作目です。 第一作は ↑で、第二作は ↑で、それぞれレビューしています。(できれば↑もどーぞ♪) 三作目である今回は、表題作『逃亡テレメトリー』と、『義務』、『ホーム――それは居住施設、有効範囲、生態的地位、あるいは陣地』の二短編を収録しています。

マーダーボット・ダイアリー『ネットワーク・エフェクト』レビュー

マーダーボット・ダイアリー 『ネットワーク・エフェクト』 マーサ・ウェルズ(著/文), 中原 尚哉(翻訳) ◇ きましたよー! 弊機! マーダーボット・ダイアリーの続編です! 前編はこちら のレビューで語っていますのでまずご覧いただくとして、前編(マーダーボット・ダイアリー)で弊機ちゃんについで私の中で大人気のART(不愉快千万な調査船)さんが再登場! それも、すごい役どころで!! さて、どのくらいすごい役どころかというと、うーん、ネタバレになりかねないところで苦し

『マーダーボット・ダイアリー』レビュー

『マーダーボット・ダイアリー』(上・下) マーサ・ウェルズ(著/文), 中原 尚哉(翻訳) ◇ お仕事されてる人は自分の会社のことをよく「弊社」って言いますよね。 弊社とは、自分の属する社の謙称のこと。 自分の会社のことを示す際に使用するへりくだった表現、謙譲語である。 弊社の語は、相手の会社に対して自社が格下であるというニュアンスを含んでおり、社外の人間に対して「我々の会社」と言いたい時に使用する表現である。(Weblio辞書より) と、あるとおり、相手の会社よ

『荒潮』レビュー

『荒潮』 陳 楸帆 (著), 中原 尚哉 (翻訳) ◇ 米米と書いてミー・ミーと読みます。彼女は中国本土南東部沿岸にある珪島、英語読みでシリコン島と通称される島で、電子ゴミから資源を探し出して暮らす最下層の人々である「ゴミ人」の一人。 彼女たちは毎日危険で苦しい労働を強いられ、健康を害しつつも低賃金のまま。そんなわずかな稼ぎすら、何代にもわたって島に君臨してきた、御三家と呼ばれる支配層に吸い上げられていました。 ある日、国際的なリサイクル業者の米テラグリーン・リサイ

『折りたたみ北京』レビュー

『折りたたみ北京』 現代中国SFアンソロジー #ケン・リュウ /編 ◇ 『紙の動物園』で知られるケン・リュウさん(中国読みで劉宇昆=リウ・ユークン)が編纂・英訳した、気鋭7名の中国作家による13作品+3本のエッセイ+ケン・リュウさんの序文+各作家の紹介文、という、ちょー盛り沢山。詰め込みに詰め込みまくった中国SFのアンソロジーです。 今、中国SFがとってもアツいわけですけど、『紙の動物園』のようにご自身で書くだけでなく、あの劉 慈欣(リウ・ツーシン)作『三体』の英訳

『円環宇宙の戦士少女』レビュー

『円環宇宙の戦士少女』クローディア・グレイ(著) / 中原 尚哉(翻訳) ――― いやあー、おんもしろかったー☆ このちょっと微妙な日本語のタイトルで正直最初はどうなのそれ? って思って読み始めたんですが、これがまたツボおさえまくりで一気読み! ひさしぶりに残りページ数でそわそわしてくる、え? もう終わっちゃうの? まだ読み終わりたくない!ってなるお話でした。 ◇ 所は宇宙、時は未来。 緑豊かな惑星ジェネシス。その環境資源を狙い亜空間ゲートを超えて侵攻してくる