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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』レビュー

『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』 長谷敏司 (著/文)◇ 身体表現の限界を追及するコンテンポラリーダンスの若手ダンサー護堂恒明は、不慮の事故で右足を失ってしまいます。 一命をとりとめたと言え、人生のすべてをダンスに打ち込んできた人間にとって、足を失くし、踊れなくなることはもう死んだも同然。 これでは生きている意味がないと絶望してしまう恒明。 しかし、そんな失意の中で、AIで制御されるロボット義足の存在を知った彼は、そこにかすかな光明を見いだすのでした。 「ロボット義足

『13歳からの地政学』レビュー

『13歳からの地政学』 田中孝幸 (著/文)📚 進学校に通っている成績優秀な高校生一年生のお兄さん、大樹(だいき)と、勉強よりアイドルやおしゃれのほうが好きな妹、中学一年生の杏(あんず)は、夏休みの前日に近所のアンティークショップの店先で年代物の、とても高級そうな地球儀を目にします。 なぜかその地球儀が気になった二人は、アンティークショップの扉をくぐり、片目を眼帯で覆ったおそろしげな風貌の店主、近所の子供たちからカイゾクと呼ばれている男に出会うのでした。 カイゾクは、その地