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らせんの本棚

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SF、ファンタジー、実用書からマンガ、画集、絵本などなど、アトランダムに紹介するレビュー集。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本を不定期に紹介していきます。もちろんネタバレはな… もっと読む
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2022年1月の記事一覧

『ゼロからつくる科学文明』レビュー

『ゼロからつくる科学文明』  タイムトラベラーのためのサバイバルガイドライアン・ノース(著) / 吉田三知世(翻訳) ⌚ 突然ですが、あなたのお家のタイムマシン、だいじょうぶですか? アレ、出先で故障しちゃったら大変ですよね>< とはいえ、時間旅行には事故がつきもの。 バックトゥザフューチャーでもドラえもんでも、かの H・G・ウェルズの時代からの伝統なのでしょうか、タイムマシンってやつはけっこう壊れやすくって、大昔や遠未来にタイムトラベラーが置き去りになってしまう事故は枚

ロケット関連本~昨日のつづき~🚀

昨日、 で、ロケット本を何冊か紹介しました。そこにも書いた通り、これらの本が起点になってどんどんとロケットな世界が広がっていくのですです。 今日はちょろっとそのあたりも紹介しておきます。前回ともども、作家さんの名前など敬称略(あるいは「さん」つけ)でいきます、ご了承ください。 まだまだいろいろあるよ 上半分の「ロケット団」関係の真ん中においてあるのはコレ。 『トラ技スペシャル:宇宙ロケット開発入門』 雑誌トランジスタ技術の別冊MOOK、トラ技SPECIALの『宇宙ロ

『進め! なつのロケット団』①~②(他)レビュー

『進め! なつのロケット団』①~② あさりよしとお(著)🚀 ②巻まとめてご紹介です。 ①巻のころから紹介しよう紹介しようと思っていていたんですけどもー。 これ紹介しはじめるとあれもこれもとやたら広がり続ける話題なものでちょっとばかり手間を惜しんでいたら、なんと昨年末に②巻目がでてしまいました。というわけで、重い腰を上げてひょっこりご紹介なのですw なぜって、この本を紹介するときは、まず同じ あさりよしとおさん作の『なつのロケット』を紹介しなくちゃいけないキマリなのです。

『無線と実験』復刻ダイジェスト版 〈1924-1935〉レビュー

『無線と実験』―ラジオ放送開始より電気蓄音機まで〈1924-1935〉「MJ無線と実験」編集部 (編集) 📚 1924年、大正13年に創刊した『無線と実験』(最近は『МJ無線と実験』だそうです。MJD!?)の、創刊から11年分、1924年~1935年の記事のダイジェスト本です。 1924年というからには今から98年前!! ほぼ一世紀前に創刊してたんですね。もう老舗中の老舗雑誌です。 じつは、同じ年に創刊した『子供の科学』もダイジェスト版があり、 ↑こちらで紹介していま

ネタ本紹介! 架空幻想地名事典三種盛り!☆

古地図に続いて、架空地名ネタ本3種のご紹介です。 まず、 『世界文学にみる 架空地名大事典』#アルベルト・マングェル / #ジアンニ・グアダルーピ (著) / #高橋康也 (翻訳) 原本は1980年にHarcourt Brace,&Co.から出版された "The Dictionary of Imaginary Places" の翻訳で、日本語版は1984年に翻訳出版された架空地名事典です。 総項目数およそ560点。 日本人の良く知っている地名から、おそらくこの時点でこの

『日出処の天子』《完全版》レビュー

『日出処の天子』《完全版》山岸涼子(著) 📚 無人島に一冊(1シリーズだけ)持っていくなら? とか、貴女のナンバーワン少女漫画は? という問いに、多くの女子が間違いなくコレ。と答えたという(要出展)山岸涼子の『日出処の天子』。 かくいうワタクシも文庫本でそろえてあったのですが、この度なんと完全版がオール電子書籍化したということで、再度一気にそろえてしまいました。 この、電子化第一弾となる『日出処の天子』を筆頭に、 山岸涼子さんの多くの作品が一挙に電子化!! ありがた

『幕末明治大地図帳 輯製二十万分一図』レビュー

『幕末明治大地図帳 輯製二十万分一図』平凡社地図出版(編集)/ 清水靖夫/今尾恵介(監修) 🗺 今回はなんと地図、それも古地図の決定版のレビューです。 古地図、好きですか? 私は好きですw これは、明治政府によってつくられた、歴史上初めて20万分の1で日本国全土を網羅した大地図のデジタルリマスター復刻版なのです。 「輯製」というのは、「編集によってつくられた」という意味だそう。 測量によってつくられた地図は、既に伊能忠敬の『大日本沿海興地全図』(1821)というも

『文体の舵をとれ』レビュー

『文体の舵をとれ』 ル=グウィンの小説教室アーシュラ・K・ル=グウィン(著) / 大久保ゆう(翻訳) 📚 技巧が芸術を可能にする。 『ゲド戦記』や『闇の左手』、『所有せざる人々』に『風の十二方位』などなど、イマジネーションあふれる世界を描く、自然で大胆で、それでいて繊細な、命が宿るような語り。まるで魔法のような文体から〈西の善き魔女〉とも呼ばれるアーシュラ・K・ル=グウィンの小説技法の解説書であり、ワークブックです。 📚 いや、これ、本当は紹介したくない(またかw)

『大宇宙の魔女』レビュー

『大宇宙の魔女』 ノースウエスト・スミス全短編C・L・ムーア(著)/ 中村融・市田泉(翻訳) --- かつて、(日本では1970年代に仁賀克雄訳で)松本零士のイラストでハヤカワ書房より発売されていたC・L・ムーアのノースウエスト・スミスシリーズが、全作品新訳決定版として創元社から出版されました!! もともとは1930年代(!)に発表された古典SF作品群。C・L・ムーアという筆名は著者の本名キャサリン・ルシール・ムーア(Catherine Lucille Moore)の

『あけましておめでとう計画』レビュー

『あけましておめでとう計画』/ 『キャベツ畑でつかまえて』 ―実録・日本テレワーク物語―野田昌弘(著 ――― 元旦なので、なにかおめでたいお話を~、とおもって本棚から引っ張り出した古い本がこちら。 もとは1985年元旦(というから37年前!!)に発行された本で、その後、1990年に『キャベツ畑でつかまえて』に改題されて再発行されました。 その表紙はこちら どちらも加藤直之さんの絵で、なんだか目つきの悪いガチャピンと、三角眉毛のふくよかなおじさんが描かれています。この、ち