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実はアナタも巻き込まれてる…?『犯罪的群衆』の恐怖

こんにちは、らるです。

今日は、これまで多くの大虐殺を
起こしてきた『犯罪的群衆』について

『群衆心理』第三篇 第二章より
説明します。

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『群衆』による犯罪は
法律的には間違いなく犯罪です。

しかし、心理の面から言えば
犯罪とは言いづらい
面があります。

それは『群衆』が『暗示』に導かれ、
無意識の自動人形と化している側面が
あるからです。

『群衆』の犯罪者は、
犯罪を行った後においても
自分は義務に従い正しい行いをした
と固く信じています。

これが普通の犯罪者との違いになります。

『犯罪的群衆』の性質は
『群衆』の一般的性質と同様で

・暗示を受けやすい
・物事を軽々しく信じる
・動揺しやすい
・善悪の感情が誇張される
・ある型の徳性が現れる

といったことです。

ル・ボンは、フランスの歴史上で
大きな虐殺事件(犠牲者1万人以上)と
なった『九月虐殺』を例にあげています。

『九月虐殺』はフランス革命の最中に
パリで起きた、反革命派狩りです。

一人の政治家ダントンの演説による
煽動により、
『全ての囚人を、群衆が裁判し
 その場で死刑を執行する』

ということが行われました。

これに参加した群衆たちについて
ル・ボンはこう書いています。

この群は、特に、靴屋、錠前屋
床屋、石屋、雇人など、種々な職業組合に
属する店主や職人
から成っていた。
愛国的な義務をはたしつつあるものと
固く信じており、裁判官と死刑執行人との、
二重の職務を行っているのであって、
自分たちが犯罪者であるなどとは
ゆめにも思わなかった。
貴族、僧侶、官吏、王の従臣など、
つまりその職業だけでも、
善良な愛国者には有罪の証拠であると
考えられるあらゆる人間を、
特別に裁判に付する必要もなく、
十把ひとからげに虐殺
する
犠牲者たちは、真っ裸にされて、
半時間も斬りさいなまれる。
それから、一同がよく見届けてから、
犠牲者たちの腹をさいて、
息の根をとめる。

あまりにも酷い話で
こうして客観的に見れば
紛れもなく凶悪犯罪です。

しかし、この時の『群衆』にとっては
これが愛国的な正しい行い
いうことになっていたのです。

人間が『群衆』化し
その矛先が犯罪に向かったとき
こんなにも恐ろしい事が起こります。

しかも当人たちは
「無意識に」「正しい」と思って
行っている
ことなのです。

もしかしたら、
私達も知らない間に
『犯罪的群衆』の一人に
なってしまっているかもしれません。

今日のまとめ

『犯罪的群衆』は『群衆』の
一般的性質通りに動く。

・暗示を受けやすい
・物事を軽々しく信じる
・動揺しやすい
・善悪の感情が誇張される
・ある型の徳性が現れる

『犯罪的群衆』は、
恐ろしい大虐殺も
「無意識に」「正しいと信じて」
実行してしまう。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

今日は少し怖い話でしたが
こういう事があると
知っているだけでも
少し、自分の行動を冷静に
見られるのかな、と思います。

明日も更新しますので
また見てくださいね!

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