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「資本論」って何が書いてあるの?【高校生からわかる「資本論」】

こんにちは、らるです。

先日は資本主義について
「何が問題なの?」から入りました。

人がモノ扱いされてしまう…というのが
問題だったという話をしました。

今日は、一歩戻って
資本論には何が書いてあるのか
の話をします。

池上さんが、資本論に書いてあることを
カンタンに要約してくれています。

人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、労働力を買い入れて労働者を働かせ、新たな価値が付加された商品を販売することによって利益を上げ、資本を拡大する。資本家の激しい競争により無秩序な生産は恐慌を引き起こし、労働者は生活が困窮する。労働者は大工場で働くことにより、他人との団結の仕方を学び、組織的な行動ができるようになり、やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。

Kindleの位置No.411-415

資本主義においては
「あらゆるものが商品」です。

「え?私に商品なんてないけど?」
…という方も、しっかり商品を持っています。

それが「労働力」です。

労働者は「労働力」を資本家に売っている
というわけです。

人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、労働力を買い入れて労働者を働かせ、

ココの部分ですね。

そして、資本家は労働者から
労働力を買って商品を作ります。

当然ですが、労働者に払う賃金よりも
高い価値のある商品を作る
わけです。

そして、お金を儲けて
資本を拡大するんですね。

新たな価値が付加された商品を販売することによって利益を上げ、資本を拡大する。

ここで一つポイントになるのが
労働者の賃金がどう決まっているか

という話です。

労働者が、作ったものの価値に応じて
賃金が支払われているんでしょうか?

一瞬、そんな気がしてしまいますが
違うんです。

労働力の再生産費 として
賃金が払われているんです。

ちょっと難しい言葉なので
もう少し簡単に話をすると…

あくまで、買っているのは「労働力」であって
「労働によってつくったモノ」ではない
んです。

だから、明日も「労働力」を
発揮してもらえるよう
に…

家に住んで、食べ物を食べて、必要な服を買って
家族を養って…というのができるだけの
お金を渡している、ということ
なんですね。

ざっくり言えば
「これだけあれば、明日も働けるよね?」
という意味でのお金ということです。

なので、作ったモノの価値そのものとは
直接的には無関係
なわけです。

労働力に対して払うお金 よりも
労働でできたもの売って手に入るお金 が大きい
からこそ
会社は儲かるわけです。

この差分を「搾取」する、というわけです。

労働者が作った価値を
資本家は搾取して、どんどん資本を
拡大させていく
わけです。

資本を拡大させていこうとすると、
他の資本家と競争になります。

機械などを入れて効率化合戦が
はじまったりもするわけです。

効率化するならいいのでは?

と、思うかもしれませんが
いいことばかりでもありません。

機械化がすすむと

・単純に労働者の数が必要なくなる
・誰でも(女性・子供)労働力になる
・モノが安くなるので「労働力の再生産費」も
 安くなる=賃金が下がる

と言ったことが起きてきます。

労働者の立場が弱くなっていくんですね。

資本家の激しい競争により無秩序な生産は恐慌を引き起こし、労働者は生活が困窮する。

結果的に、労働者たちが困り始めるわけですね。

そして、追い詰められた労働者はどうするのか

大きな工場で働き、団結の仕方を
しっかり学んでいた労働者たちは…

労働者は大工場で働くことにより、他人との団結の仕方を学び、組織的な行動ができるようになり、やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。

組織的行動で、革命を起こし
資本主義を転覆させる

…というわけです。

実際には、
この「資本主義が進み過ぎたことで起きる」社会主義への革命
というのは、起きたことはありません。

ですが、今の日本を見てみると
どうでしょうか?

激しい競争があり
貧富の差は拡大して
労働者の生活は困窮していないでしょうか?


マルクスがこの資本論を出したのは
1867年で、150年前のことなわけですが
今、この本に書いてある通りの状況に
なっているのではないでしょうか?

だからこそ、今「資本論」を
学ぶ価値が高まっているということなんですね。

まとめ

資本論には、大体こんなことが書いてある

資本主義ではあらゆるものが商品。
労働者の商品は「労働力」

資本家は、労働力を買い入れて労働者を働かせ、
新たな価値が付加された商品を販売することで利益を上げる

資本を拡大する中で資本家どうしの激しい競争により
労働者は生活が困窮することになる。

労働者は大工場で働くことにより、
他人との団結の仕方を学び、
組織的な行動ができるようになり、
やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。





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