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「野生の思考」≒「情報検索」!? 『野生の思考』第9章 歴史と弁証法

一見すると、
何の関連もないように見える
「野生の思考」と「情報検索」だが
それらは共通の面を持つのだ

と、レヴィ=ストロースは指摘している。

『野生の思考』P323 より

未開人(もしくは世に
そう呼ばれている人びと)の世界は
主としてメッセージでできている。
(中略)
彼らを現代の情報検索理論の
専門家と同一平面におくもの
である。
意味の世界が絶対的対象としての性格を
ことごとく備えたものであることが
物理科学によって明らかにされたが、
それによってはじめて、
未開人が自分たちの世界を
概念化する方法が斉合性を
備えている
ということだけでなく、
それが一般的に、
不連続的複雑性を基本構造とする対象を
処理するとき
必ずとらなければならぬ方法
なのだ

『情報検索』とは何かというと

コンピュータを用いて
大量のデータ群から
目的に合致したものを取り出す
こと。
検索の対象となるデータには
文書や画像、音声、映像、
その他さまざまなメディアや
その組み合わせとして
記録されたデータなどが含まれる。

Wikipediaより

ばらばらに存在する情報の中から
有用なものを探し出すことである

「ばらばらに存在する情報」
=「不連続的複雑性を基本構造」
とする
である。

これを「処理」=「検索」するわけだが
この時の思考法が
「野生の思考」と共通のものなのである。

再び『野生の思考』P323から引用

情報検索の専門家は
対象とする著作物の実質を
否定したり議論したりはせずに、
それを分析して、
コードの構成要素を抽出する
あるいはまた、
コードの構成要素を結び合わせたり
必要があれば
より細かな単位に分解したりして、
それを著作物に適合した形にする。

・要素の抽出
・組み合わせ
・さらなる分解


これらは『野生の思考』そのものである。

ある対象に対して
要素を分けて
対比させて、
組み合わせ
体系を作っていく

これが、ここまで学んできた
『野生の思考』であったが
これが『情報検索』と共通である
ということだ。

最も原始的と思われたものが
最も最先端のものに結びつく


P325より

人知の全過程は、
こうして閉鎖体系の性質をもつに至る。

とある通り、
人の知識は一つの閉鎖された
体系の中にあり、

「新しいもの」などはなく
既に通った道の中に答えはあるのが
人の知というものということになる。

もっと荒っぽく言ってしまえば
答えは古典の中にあるのだ。

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