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0から学ぶ『功利主義』 漫画『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』

こんにちは、らるです。

突然ですが、
これから「功利主義」
学んでいこうと思います。

「最大多数の最大幸福」のやつですね。
正直、私もよく知りません(笑)

全く知らないときは
入門書から…ということで

まずは漫画から入ってみました。

この漫画は
ベンサムさんの思想を元に書かれています。

功利主義と一口に言っても
実は歴史的な変遷があります。

ベンサムさんは、功利主義を
はじめて体系化した人
です。

社会全体の幸福を重視するという発想は古来からあるが、功利主義を体系化したのはジェレミ・ベンサムである。

ベンサムの功利主義は、古典的功利主義とも呼ばれ、個人の効用を総て足し合わせたものを最大化することを重視するものであり、総和主義とも呼ばれる。「最大多数の最大幸福」[3]と呼ばれることもあるが、正確には「最大幸福」である。この立場は現在でも強い支持があるが、一方で、さまざまな批判的立場もある。

功利主義においては効用は比較可能であると仮定される。ベンサムは快楽・苦痛を量的に勘定できるものであるとする量的快楽主義を考えた。これに対し、J.S.ミルは快苦には単なる量には還元できない質的差異があると主張し質的快楽主義を唱えたが、快楽計算という基本的な立場は放棄しなかった

20世紀には快楽計算を放棄した選好功利主義が登場した。ヘアやシンガーがその代表と目される。

ウィキペディアより

流れとしては、
以下のようなイメージでしょう。

ベンサム:古典功利主義
 快楽から苦痛を引いた量を最大化することが良い

J.S.ミル:質的快楽主義
 基本的にはベンサムの言う通り。
 ただ、快楽と苦痛には、
 単純に量に換算して
 差し引きができないものもある。
 =質が違うものがあるはずだ 

ヘア、シンガー:選好功利主義
 快楽は計算で出せるものじゃない

というわけで、まずは
ベンサムさんの話からということです。

功利主義の基本

功利の原理とはなんでしょうか

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P101

メチャクチャ単純ですね。

あなたにとって苦痛=悪い
あなたにとって快 =良い

きっと、これが分からないという人は
居ないと思います。

ですが、ポイントになるのはここからです。

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P102

そうなんです。

ポイントは、この単純なことを
「ちゃんと」考えることなんです。

この本では、『酒』を例にして
「ちゃんと」考えるための視点を
6つ紹介
しています。

①快の大きさ
例)酒は酔いで良い気分にしてくれる。
→快は大きい。

②快の続く長さ
例)酔いが醒めてしまえば終わる。
→短い。

③快が得られるかどうかの確実性
例)酒を飲んだら酔いでハッピーになれる。
→ほぼ確実。

④快を手に入れるための時間
例)酒には安いものもあるから沢山働かずとも手に入る
  どこでも買うことができる。
→短い。

⑤快の多産性
その快から連鎖して、別の快が得られるかどうか
得られると、多産性がある
例)酒は、仲間と楽しくおしゃべりすることに繋がる
  酒は、寒い冬に体を温めてくれる。
→多産性アリ

⑥快の純粋性
その快が、同時に苦痛を生み出さないか
苦痛を生み出すなら純粋性が低い=不純
例)酒は、酔いが醒めたあと頭痛や体のだるさを引き起こす。
  酒にお金を使い過ぎて生活に支障がでる。
 →不純な面アリ

ここまで、快に関して
「ちゃんと」考えるための
6つの視点
を見てきました。

いかがだったでしょうか?

例に挙げた「酒」一つをとっても
「私は下戸だから快を得られないんだけど…」
「安酒だと、悪酔いして快を得られない…」
「私は二日酔いしないから、純粋な快を得られる!」
…等々、色々な意見が出てくると思います。

結局、快の大きさってどう決めたらいいの?

と思われるかもしれませんが…

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P112

そうなんです。

一つの行為をとっても、
個々人の違いによって
得られる快は異なって
います。

その快の大きさは、
あなた自身にしか分からないのです。

なので…

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『最大多数の最大幸福 道徳および立法の諸原理序説より』P112

他人に害を及ぼさない限りは
個人で快の大きいと思うものを
選んでやっていい
わけです。

酒の快が何より大きいと思うなら
他人に迷惑をかけない範囲で
いくらだって飲んで良いわけです。

まずは、自分が「快」だと思っていることを
「ちゃんと」考えてみるのがいいのだと思います。

まとめ

ベンサムは功利主義の祖である

功利の原理は単純
 あなたにとって苦痛=悪い
 あなたにとって快 =良い

ただし、
ポイントは快を「ちゃんと」考えること
快を考える時のポイントは6つ

①快の大きさ
②快の続く長さ
③快が得られるかどうかの確実性
④快を手に入れるための時間
⑤快の多産性
その快から連鎖して、別の快が得られるかどうか
⑥快の純粋性
その快が、同時に苦痛を生み出さないか

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