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「質の高い」幸福を判断する方法 J.S.ミル『功利主義』第二章より

こんにちは、らるです。

今日も『功利主義』の話をしていきます。

最大多数の最大幸福を目指すのが
功利主義なわけですが

「幸福」だったらなんでもいいわけじゃない
幸福には「質」がある


「質の高い」幸福を知った人は
「質の低い」幸福を敢えて求めることはしない

と言ったのがミルさんなわけです。

これを表した象徴的な言葉がこれです。

満足した豚であるよりも、満足していない人間がよい。
満足した愚者よりも、満足していないソクラテスがよい。

P31

有名な言葉ですが
反発も多い言葉でしょう。

「満足できないんだったら
 ソクラテスであるよりも
 豚で居た方がいいんじゃない?」

という声も聞こえてきそうです。

この疑問に対して、
ミルさんは強烈なことを言っています。

愚者や豚がこれと違う意見だったとすれば、
それは、問題のうち自分たちにかかわる側面しか、
わかっていないからである。

P31

ひと言で言うと

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「ソクラテスの良さがわからないのは
 お前が豚だからだ」

ということです。

余計なお世話ですよね!

…まあ、とは言っても

結局、どちらかが良いのかを
述べることができるのは
両方を知っている人だけ

…という理屈自体は
一応、納得はできるのではないでしょうか?

じゃあ、どうすればいいの…というと
答えはシンプルです。

そうした手段となるのは
経験の積み重ねである。
また、自分をよく振り返って観察する習慣
加えておかねばならない。

P35

経験を積み重ねて
振り返りを行う

つまらない位にシンプルですが
これしかないわけです。

こうした「経験と振り返り」をして
「両方を知った」人達が
どちらを「望ましい」と判断するか

それが「質の高い幸福」を
見分ける手段だ
というわけです。

まとめ

豚には
「満足した豚より
 不満足なソクラテスがいい」の
感覚はわからない。

どちらの幸福がより質が高いかは
経験を積み、自己を振り返って
「両方の幸福」を知った人にしか
判断することはできない。




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