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大事な4つの『徳』とは?【ニコマコス倫理学⑥】

こんにちは、らるです。

今日もニコマコス倫理学を読んでいきましょう。

今日は、についてです

徳…というと

『徳のある人になりなさい』とか
『人徳がある』とか

普段はそんな感じで使われる言葉ですが

「じゃあ、徳ってどんな意味なの?」
と聞かれると、なかなか答えるのが
難しいものです。

今日は、徳という言葉の意味と
徳の中で大事な4つの徳について紹介します。


徳の意味

「徳」はギリシア語で「アレテー」と言います。「卓越性」や「力量」とも訳されることがある言葉です。

日本放送協会,NHK出版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年 10月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.63). NHK出版. Kindle 版.

徳=アレテーであり
アレテーの意味としては

ギリシア語-英語辞典を引いてみると、一番目に「あらゆる種類のよさ、卓越性、とりわけ男らしい性質、力強さ」という意味が載っています。
(中略) 
また、「動物や事物の善さ・卓越性」という意味も載っています。

同上

「あらゆる種類のよさ、卓越性、とりわけ男らしい性質、力強さ」
「動物や事物の善さ・卓越性」

これが「徳」の意味するところなわけです。

あらゆる種類の~ と書かれている通り
「徳」というのは、かなり幅が広い概念なんだ
というのがわかると思います。


大事な4つの徳 枢要徳

アリストテレスは、様々な徳のなかでも、極めて重要なものが四つあるとします。これはのちに「枢要徳」と呼ばれるようになるもので、「賢慮」「勇気」「節制」「正義」の四つです。

日本放送協会,NHK出版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年 10月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.63). NHK出版. Kindle 版.

「賢慮」:判断力
「勇気」:困難に立ち向かう力
「節制」:欲望をコントロールする力
「正義」:他者や共同体を重んじる力

「徳」…特に、この4つの徳を
身につけることが幸福につながる

という話で
『ニコマコス倫理学』の大半が、これらの
「徳」の話に充てられている
のだそうです。

確かに、この4つが高いレベルにあれば
幸福な人生を送れそうですよね。

個人的に面白いと思ったのが
「正義」:他者や共同体を重んじる力
が入っているところで
「人は他の人と一緒でないと幸福になれない」
ということを表している
のかな、と感じます。


まとめ

・「徳」=アレテーの意味
「あらゆる種類のよさ、卓越性、とりわけ男らしい性質、力強さ」
「動物や事物の善さ・卓越性」

・大事な4つの徳 枢要徳

「賢慮」:判断力
「勇気」:困難に立ち向かう力
「節制」:欲望をコントロールする力
「正義」:他者や共同体を重んじる力

この4つの徳を
身につけることが幸福につながる

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