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【日経DI9月号】薬局経営者、勤務薬剤師に対する事業承継に関するDI Online読者調査の結果を受けて

・はじめに

題名の通り、アンケートを実施されているので、
これについて少し解説をしていければと思います。

年々、厳しい経営を強いられているのは、
経営者や経営サイドに比較的近い方は、感じているとは思いますが、
逆に、感じていながらも、小さいテコ入れだけで、
しっかり行っていない方も多いように見受けられます。

今回はアンケート結果をもとに、
少し考察しながら、どうしていくかを考える一つのヒントとなればと
思います。

・アンケート結果

日経DI9月号で、薬局経営者、勤務薬剤師に対する事業承継に関するDI Online読者調査の結果を公開。

薬局経営者に聞きました
Q:薬局の事業承継について、どう考えていますか。
Q:考えている承継先は?(複数回答)
勤務薬剤師に聞きました
Q:今後独立して薬局を開きたいという希望はある?
Q:どのような形態での開局を希望する?

 薬局経営者に聞いた、薬局の事業承継についてどう考えるかという質問には、一部または全部を承継したいという回答が約4割、考えている承継先の1位は「子ども(28.4%)」だったものの、僅差で2位は「M&A等で第三者(27.5%)」となり、後継者のいない経営者にとって、第三者承継が選択肢のひとつになっている。

ここで考えていただきたいのは、太字の部分です。
薬局経営者の約半分近くは、売却したいと考えており、
また、譲渡先として約3割が第三者に渡したいと考えている
ということです。

ここで言えることは何でしょうか?

自分が考察をする点として下記になります。
①診療報酬対応ができない。
②立て直すノウハウ自体がない。
③スタッフをハンドリングできていない。
④経営者自体が、借金等のリスクを負いたくない。
などがあると思います。

一言でいえば、
薬局経営者もしくは、経営層に近い方では、もはや対応できない
に尽きるかと思います。

以前、下記の記事を書かせていただきました。

でも、考えてみてください。
自分が経営できない店を、そんな簡単に第三者が購入するでしょうか?
現状、売りが出ている店の多くは、
だれも買うことはなさそうなお店ばかりです。

売買の基本は、売り手と買い手が合意をして初めて購入されます。
人件費や処方箋枚数、今後の伸び等を考えても、
すんなりM&Aが進めるかと言われれば、
自分の返答としては、そんなに簡単ではないという回答になります。

・対策

ここまでであれば、誰でも言えると思います。

では、
売却しようと考えている方
売却できずに困っている方
経営を立て直したい方は、どうしたらいいのでしょうか?

自分の意見としては、
相談すること
につきます。

相談は、いろんな方があります。
・自薬局で働いている人
・他業種の経営能力に長けている人
・薬局専門のコンサル業の人
・大手で働いていてノウハウを持っている人

などがあげられると思います。

自分のケースだと、経営者が経営に困り、
経営層に近い方に内緒で動かれて、
気が付いたらM&Aになっていました。
最近、相談を受けるケースは、ある日突然パターンが多いです。
逆の立場なら確かにそうしますよね?

ちなみに、売却された身として感じるのは、
売却されると実はみじめです(笑)。
売却先がどんな会社かわからず、
びくびくしながら仕事をすることになります。
もちろん、売却先もバカではありませんので、
少しずつ、方針を出していきますが、
そもそも、大金をはたいて買うので、
いかに回収するかを相手は、考えています。
もちろん、会社が違えばやり方も違うので、
同じレセコンを使っていたとしても、
方針に従わなければならず、
どのM&Aも、苦労されている方が多く、

また、少なからず売却先にマッチしない方は、退職を余儀なくされます。
しかも、今後は、薬剤師過剰の時代も、もう間もなくやってきます。
その時に、気軽に薬局を移ることができなくなります。
M&Aは、基本的には、ほとんどの人が不幸になること
なのかもしれません。
もちろん、いい売却先もあるとは思います。
自分が協力する場合には、購入先であれば、
そういった部分もフォローしながら行っていきたいと思いってます。
実体験で感じたからこそ、購入する側であれば、
そこは繊細に気を付けたいと考えています。

自分がされた側で思うのですが、
もうちょっと、真剣に経営者と従業員が向き合って、
解決策を考えて、
上向きになれば、給料で還元できるようにすることが
大事だと思います。

相談受ける方の多くは、何もせず、
したとしても、給料で払っているのだから当然という対応を
されている方も多く見受けられます。
その対応で、従業員は安心して働けるのでしょうか?
そのような会社に魅力を感じるのでしょうか?

自分はそういう会社で働きたいとは思いませんし、
大手と戦ったら、すぐに負けてしまうと思います。

これからは、今までのやり方は通用しません。
残念ながら、どの業種も淘汰の時代に突入しています。
だからこそ、中小薬局は、大手と違ったサービスや対応で
差別化をすべき
なのです。
大手であっても、弱点はもちろんあります。
中小薬局のメリットは、実はたくさんあります。
そこに気づけるかどうかがキーになります。
(ここではすべては書きません)

すべては、やり方だと思います。
ただし、このやり方は、時代に即したという枕詞が付きます。
これができない薬局は、淘汰されてもしょうがないと思います。

まだ、立て直すチャンスは、あると思います。
ただ、今後、医療業界は、一般の業種のように、
薄利多売を強いられることも、また事実です。
なので、運用面も、たくさん対応できるよう調整する必要があります。

そこを踏まえて、今後どうしていくか
考えていっていただきたいと思います。

・最後に

コロナになって、周りからも相談が増え、
皆さん思っていることは同じかと思います。
一方で、ドラッグストアの急激な伸びにも、
外から見ていて驚かされることがあります。

自分は、10年ほど前には、
将来的に、
ドラッグストア・スーパー・コンビニの垣根がなくなる
と考えていました。
調剤薬局の立ち位置も少しずつ薄まると思っていました。
ここに、自分が想定していなかったECである、
Amazonや楽天なども参入し、より複雑になってきています。
世の中は、便利な方向にしか進みません。
コンビニがいい例だと思います。

この状態からどのように戦っていくかがキーになると思います。

もちろん、普通のコンサルを使えば、膨大な費用を毎月取られます。
彼らもビジネスです。
しかも、成果が上がろうが上がるまいが、費用はしっかりとります。
それで、立て直しができるのか謎でしかありません。

自分でよければ、過去のノウハウ
noteで書かせていただいているノウハウを元に、
ご相談に乗ることも可能です。
ただ、自分の場合には、一つだけ条件があります。
それは、
「店舗を何とかしたいという真剣な思いがある方」
としか、仕事をしたくありません。

相談にいらっしゃる方の多くは、
なんとかしたいと軽く考えている方が実に多いです。
立て直しは、そんなに甘くはありません。
そんな簡単に立て直せるのであれば、店舗はひどくはなってません。
要は、経営の甘さが招いた結果、自分が苦しい状況になっているのです。
これは、避けられようもない事実だと思います。

過去は変えられません。
なので、今を真剣に何とかしたいという方であれば、
きっと何とかできます。
もちろん、何とかした後に、M&Aで処分されるというのも
一つの方法かと思います。
そこは、初めに方針をしっかりしていればいいと思います。
もちろん、方針の変更はあると思いますが、
根本は何とかしたいという思いが大事だと思います。

もし、コンタクトを取りたい方がいらっしゃれば下記からお願いします。

本日もお読みいただきありがとうございました。

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