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【内閣府調査】薬局の利用に関する世論調査から見えてくる現実と未来

・はじめに

たまたま、ブログ記事を見ていたところ、「薬局の利用に関する世論調査」の結果が書いてある内容を見つけました。

大体、現場で働いている方々はうすうす感じていらっしゃると思いますが、国が調査した結果が公表されているのでここからどのようなことが読み取れるのか?また、さらにどうすべきなのか?について少しでも考えられればいいと思いましたので、ブログを書くことにしました。

HPは下記に貼っておきますのでよろしければどうぞご覧ください。

・調査内容及び項目等

調査内容としては下記になります。
調 査 対 象  全国 18 歳以上の日本国籍を有する者 3,000 人
有効回収数 1,944 人(回収率64.8%)
調 査 期 間  令和2年 10 月8日 ~ 11 月 22 日
調 査 方 法  郵送法
調 査 目 的  薬局の利用に関する国民の意識を把握し、
      今後の施策の参考とする。
調 査 項 目  1 自分の健康について
      2 お薬手帳について
      3 薬局・薬剤師について
      4 かかりつけ薬剤師・薬局に求める役割について
      5 健康サポート薬局に求める役割について
      6 薬局の利用の仕方に関する広報啓発について

・結果(自分の考察も入れておきます)

ここでは、結果と自分の考察を入れておきます。ただ、考察については様々な考え方があると思います。
各人で持ってもらってもいいかと思います。

 1 自分の健康について

  (1)自分の健康への意識

問1 あなたは、自分の健康をどれくらい意識していますか。(○は1つ)
意識している(小計) 90.0%
・とても意識している 25.2%
・ある程度意識している 64.8%
意識していない(小計) 9.5%
・あまり意識していない 8.6%
・意識していない 0.9%
→やはり、意識されている方が多いです。また当たり前ですが、年齢別を見れば、年齢が高くなるにつれて健康に対する意識も高くなってくることがわかります。ただ、性差はないようです。

 2 お薬手帳について

  (1)お薬手帳の利用

問2 あなたは、服用している薬の名前や飲む量、回数、飲み方などを記録するための「お薬手帳」を利用していますか。(○は1つ)
・利用している 71.1%
・利用していない 28.6%
→これは薬局でのお薬手帳を勧めているのが効果を発揮していることを示しています。
ただ、3か月以内の来局で手帳持参した場合に金額が安くなることで手帳を持参いただけている部分については、次の設問では20%と低いチェックだったため、金額にすごくこだわって持参いただいているというのは少ないのかもしれません。

   ア お薬手帳を利用している理由

(問2で「利用している」と答えた方(1,382 人)への質問)
問3 「お薬手帳」を利用している理由は何ですか。(○はいくつでも)
(上位4項目)
・服用している薬について薬剤師に飲み合わせなどを確認してもらうため 56.9%
・服用している薬について自分で確認するため 52.9%
・服用している薬について医師などに相談しやすいため 44.9%
・薬局で利用を勧められたため 42.0%
→上位4項目とのことですが、これは見方が分かれると思います。
 飲み合わせを確認するためが半分強しかご理解されてないのか、それとも半数は理解していただけているのか?意見が分かれるかもしれません。

   イ お薬手帳を利用していない理由

(問2で「利用していない」と答えた方(556 人)への質問)
問4 「お薬手帳」を利用していない理由は何ですか。(○はいくつでも)
(上位3項目)
・病院や診療所、薬局を利用する機会が少ないため 52.2%
・お薬手帳がなくても服用している薬を自分で管理できるため 25.9%
・利用するのが面倒なため 23.0%

→ここのポイントは、やはり、薬剤師が今服用している併用薬のチェックをしていることが、患者さんに浸透していない部分が浮き彫りになっていると思います。自分で管理できたり、面倒であることの2項目が、すでに約半数になっていることが、まさに、手帳の重要度が理解されないことを証明されています。もちろん、利用するのが面倒については、今は電子お薬手帳もありますが、様々なソフトがあること、アプリでスマホ等の容量を占めてしまうことなど様々な問題があると思います。

現段階の手帳の進め方は、やはり、震災時とか、ITのインフラが止まった時でも紙媒体で見ることができることや併用薬を確認する意義などを説明するしかないと思います。半年間の手帳の持参が50%を割ると減算になってしまうので、手帳(紙or電子)の持参は何としても半分は死守したいところです。

利用者の立場からすればかさばったりして持っていくのがついつい億劫になると思います。若い方であればアプリを勧めたり、年配の方であれば、保険証と手帳が入るケースなどを勧めるなど一工夫あれば少しは違うのではないでしょうか?

ただし、自分の意見としては、将来的にはお薬手帳はなくなると考えています。今のマイナンバーとの紐づけにより、リアルタイムに処置や、検査値、服用している薬剤もある程度はITの技術によりみえることになるでしょう。

 3 薬局・薬剤師について

  (1)薬局・薬剤師への相談内容

問5 薬局では、薬や健康に関して相談をすることができますが、あなたは、薬局を利用した際に薬剤師にどのような相談をしようと思いますか。(○はいくつでも)
(上位2項目)
・病院や診療所で処方された薬について 49.1%
・薬の飲み合わせについて 45.2%
・特にない 22.1%
→この部分については解釈は分かれると思います。
 医師の指示通り、いつもの薬をいつも通り服用されている方の場合、疑問に思うこともないことだってあると思います。特に、年配の方は、医師が言うことをそのまま受け入れるので、逆にそれに対して薬局で何かしてほしいと思う方も少ないのではないでしょうか?

現場に立たれている薬局薬剤師であればわかるとは思いますが、質問をされれば答えるのはたやすいですが、疑問点を見つけるというのは結構難しいのではと思います。
また、患者さんは病院やクリニックでさんざん待ったあとに、薬局でさらに待つことになります。早く帰りたい方だって多いのではないでしょうか?
特にないが、1/5を示していますが、この内容を本当はもう少し分解する必要があるのかと思います。

  (2)薬局・薬剤師以外の相談相手

問6 あなたは、薬剤師以外の人のうち誰に薬や健康に関して相談をしようと思いますか。(○はいくつでも)
(上位2項目)
・医師・歯科医師 74.4%
・家族 41.9%
→自分は、この答えを見た時に、参考になると思えませんでした。
なぜなら、初めから、患者さんが薬剤師に一番最初に相談することを前提にそれ以外という風に誘導しているからです。
まず第一に、薬のことを疑問に思ったら誰に相談するかを聞いてからであれば、納得する答えになると思うのですが、そこがこういったアンケートのいやらしい部分かと思います・・・・。ひょっとしたら、医師が薬剤師より上に相談されるかもしれませんが・・・・。

   ア 薬局・薬剤師以外への相談内容

(問6で「医師・歯科医師」、「看護師」、「介護福祉士、ヘルパーなど」、「家族」、「友人・知人」、「その他」と答えた方(1,787 人)への質問)
問7 薬剤師以外の人に薬や健康に関してどのような相談をしようと思いますか。(○はいくつでも)
(上位4項目)
・病気や体調について 40.9%
・病院や診療所で処方された薬について 33.7%

・薬の飲み合わせについて 19.5%
・市販薬について 14.9%
→実は、この答えは、興味深い内容になります。
 実際、健康の話題が出るといわれているのが40代を超えてからと一般的には言われています。自分の年齢を胸に当てて考えていただけると案外ご納得いただける方も多いのではないでしょうか?

ここでのキーは、コメディカルである「看護師」、「介護福祉士、ヘルパーなど」です。3割強の方が何かしらコメディカルに相談をされていることを暗に示しています。もちろん、知人・友人などもしくはネットの口コミで薬局を選ばれる方もいらっしゃいます。ただ、初めのアンケート結果にある通り、年齢が高くなるにつれて健康の意識度は高まります。自動的に、施設や医療機関の利用も高まります。
ぶっちゃけ、医療関係者の口コミは、ネットとかよりも信頼度は無茶苦茶高いです。

医療関係者は、様々な方々とコンタクトを取ります。もちろん、患者さんからも様々な情報が入ってきます。薬局であっても同様ですよね?
自分も、服薬指導時に患者さんから情報を得たり、処方内容、疑義紹介の時の医師の対応からかなりの確率で、地元で腕のいいクリニックなどがわかりました。
もちろん、困っている患者さんがいれば、門前の医療機関を紹介しないこともありました。その方が患者さんにとってメリットが大きいからです。服薬指導のテクニックや話術・会話の間など様々なことが薬剤の技術に求められます。他の方と違う対応をして、しっかり成果を上げれば患者さんも認めてもらえますし、地元の薬局の地位も自動的に上がります。

大手など営業をしている在宅部隊も口コミを大事にしており、施設などを回り、患者さんをすでに囲い込んでいます。
今後生き残るためにも、こういった地道なコメディカルとのコンタクトは必須です。
もちろん、対外営業も苦手と言いたい気持ちも分かりますし、日常的に薬局に張り付いていて動く暇もないと言いたいこともあるでしょう。そこであきらめるか、別の方法を考える方は各人次第です。
アイデアを出していって、トライすれば一個ぐらいは当たります。
自分もアイデアはたくさんありますが、ノウハウな部分もあるのでここでは割愛します。

  (3)薬局・薬剤師の満足度

問8 あなたは、利用している薬局の薬剤師による薬の説明や相談への対応に満足していますか。
(○は1つ)
満足している(小計) 85.3%
・とても満足している 33.3%
・やや満足している 52.0%

満足していない(小計) 8.4%
・あまり満足していない 7.2%
・満足していない 1.3%
薬局を利用したことがない 3.4%
→ここは、現場の薬剤師の方々が服薬指導をしっかいしていただけているからこそ、満足度が高い結果になっていると思います。

 4 かかりつけ薬剤師・薬局に求める役割について

  (1)薬局を一つに、薬剤師を一人に決めているか

(資料2を提示して、調査対象者に読んでもらってから質問)
問9 あなたは、薬局を一つに決め、薬剤師を一人に決めていますか。(○は1つ)
・かかりつけ薬剤師・薬局を決めている 7.6%
・薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない 18.4%
・病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く 57.7%

・特に決めていない 13.7%
→見てお分かりの通りの結果ですよね。
感じていただけているかと思うのですが、本当にそこの薬局を選んでいく方は5人の内1人しかいないというのが現実です。なおかつ、かかりつけ薬剤師を決めている方は10人に1人もいない。これは、どの薬局も薬剤師も、特徴がないということを示していると思います。大手も含めてになりますが、今後、こういったところにエッジを効かせて認知度を上げていき、選んでいただける薬局作りをしなければなりません。
そのためにも、様々な方策をする必要があります。

ただ、細かく分析をすると、年齢が高くなるにつれてかかりつけ薬剤師・薬局を決めている方が増えてきています。
どれだけ地域に必要とされる薬剤師や薬局を作れるか?それが経営者にも求められ、また、薬剤師もどれだけいろんなことができるか?がキーになってくることは間違いありません。
逆を言えば、大手でさえ、できていない部分でもあり、ここは、中小薬局の方がチャンスになる部分かもしれません。
(もちろんやり方次第ですが・・・。そんなに簡単にできないからこそ作戦やテクニックが必要になるのかなと思います)

   ア かかりつけ薬剤師・薬局を決めた理由

(問9で「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」と答えた方(147 人)への質問)
問 10 かかりつけ薬剤師・薬局を決めた理由は何ですか。(○はいくつでも)
(上位4項目)
・信頼できる薬剤師であるため 49.7%
・服用している全ての薬の飲み合わせについて確認してくれるため 44.9%
・生活状況や習慣などを理解してくれた上で、薬についての説明などを
してくれるため 36.1%
・自宅や職場の近くなど行きやすい場所にあるため 32.0%
→ここについては、ありがたいこともたくさん書いてあっていいですよね。
日ごろ現場で頑張っていただいている薬剤師の苦労をわかっていただけている部分もあるかと思います。
自分が興味を持った項目は、「生活状況や習慣などを理解してくれた上で、薬についての説明などをしてくれるため」になります。どこまで寄り添えるか?薬以外にもどんな代替え案があるかなどが薬剤師の腕の見せ所な気がします。自分が対応した方でも様々な患者さん背景がありました。持病に糖尿があって、営業でお酒を飲まなければならない方であったり、夜勤シフトであったり様々でした。ありきたりの内容では残念ながら信用してもらえません。
今後は、ますます、できること、できないことを線引きして服薬指導をして、患者満足度を上げていく必要があるのではないでしょうか?

   イ かかりつけ薬剤師・薬局を決めていてよかったこと

(問9で「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」と答えた方(147 人)への質問)
問 11 かかりつけ薬剤師・薬局を決めていてよかったことは何ですか。(○はいくつでも)
(上位2項目)
・生活状況や習慣などを理解してくれた上で、薬についての説明などを
してくれたこと 52.4%
・服用している全ての薬の飲み合わせについて確認してくれたこと 46.3%
→上記同様の内容ですね。実際は、〇の数が限定されてないので、上位2項目が約半分ずつになっていますが、概ね、かかりつけの意義は果たされているのかなと思います。

   ウ かかりつけ薬剤師を決めていない理由

(問9で「薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない」と答えた方(358 人)への質問)
問 12 かかりつけ薬剤師を決めていない理由は何ですか。(○はいくつでも)
(上位3項目)
・かかりつけ薬剤師を決める利点がわからないため 24.6%
・かかりつけにしたい薬剤師が見つかっていないため 22.1%

・薬局を利用する機会が少なく、必要性を感じないため 20.4%
・その他 21.2%
・特にない 15.2%
→これは、厳しいご意見ですよね。特に、薬剤師が見つからないのが1/5という部分は、実力不足とみられている部分もあると思います。
いい方悪いのは承知ですが、ある意味、この制度は、水商売系の指名と同じだと思っています。
選んでいただくというのは、比較があって初めて選ぶという行為ができます。是非、選ばれるためには何が必要なのか?どんなことをすれば選ばれるのか?を考えるいい機会かと思います。
こういった部分は、自分にとってビジネスチャンスであり、ブルーオーシャンな部分でもあると思います。

   エ 薬局を一つに決めていない理由

(問9で「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」、「その他」、「特に決めていない」と答えた方(1,419 人)への質問)
問 13 薬局を一つに決めていない理由は何ですか。(○はいくつでも)
(上位3項目)
・病院や診療所ごとにその近くにある薬局を利用する方が都合が
よいため 74.0%

・薬局を利用する機会が少なく、必要性を感じないため 29.0%
・一つに決める利点がわからないため 15.2%
→ここも上記と同様の内容に近いのでほぼ割愛します。
ただ、一点だけですが、今までは医療機関のそばの薬局が選ばれていましたが、すでに少しずつ傾向が変わりつつあります。

今後、立地のメリットも少しずつ減ってくると思います。敷地内薬局もできた今、門前薬局も少しずつ苦しめられています。
0410対応でオンライン診療。服薬指導がスタートしましたので、今後、より一層の利便性の向上が図られることは間違いありません。

以前から何個もnoteにて記事していますが、この件については、大手もすでに動いており、他業種も触手を伸ばしています。
受診回数は、リフィル処方箋やDPCなどが導入されることにより、今後、ますます減ることが想定されます。そのためにも、自薬局・グループの生き残り戦略は、必須だと思います。

   オ かかりつけ薬剤師・薬局の利点への関心事項

(問9で「薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない」、「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」、「その他」、「特に決めていない」と答えた方(1,777 人)への質問)
問 14 かかりつけ薬剤師・薬局を決めていると以下のような利点があります。あなたが関心のあるものは何ですか。(○はいくつでも)
(上位3項目)
・服用している全ての薬をまとめて管理し、薬の重複や副作用を確認 58.9%
・緊急時の開店時間外の調剤 24.0%
・薬についての開店時間外の電話などによる相談への対応 18.7%

・特にない 15.0%
→ここについては、いろんな議論が出ると思います。
自分から見れば、まだまだ、患者さん側からの薬局・薬剤師をどのように利用したらいいのか悩まれているのかなと思います。

自分からしたら、地域のイベントに読んでいただいたり、健康相談や衛生関連相談など様々なことがまだまだ使っていただけるのかと思いますが・・・。
かかりつけの評価は、制度が始まってまだ数年なので、これからなのでしょう。

   カ かかりつけ薬剤師・薬局を決めたいと思うか

(問9で「薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない」、「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」、「その他」、「特に決めていない」と答えた方(1,777 人)への質問)
問 15 今後、かかりつけ薬剤師・薬局を決めたいと思いますか。(○は1つ)
・かかりつけ薬剤師・薬局を決めたいと思う 21.0%
・調剤してもらう薬局は一つに決めたいと思うが、かかりつけ薬剤師は
決めたいと思わない 29.3%
・調剤してもらう薬局もかかりつけ薬剤師も決めたいと思わない 40.1%

→ここも、意見が分かれると思います。かかりつけを決めたくないにも、約半数が存在していますが、利便性を考えて固定されたくないと考える患者さんも多いのかなと思います。
配達(郵送・直配・置き配など)サービスなどを含めた利便性が変われば、かかりつけに選ばれるかもしれませんね。
もちろん、生活多様性も求められてくるので、時間帯がより不規則になることも想定されますね。

 5 健康サポート薬局に求める役割について

  (1)健康サポート薬局の認知度

(資料3を提示して、調査対象者に読んでもらってから質問)
問 16 あなたは、健康サポート薬局について知っていましたか。(○は1つ)
・よく知っていた 1.5%
・言葉だけは知っていた 6.5%
・知らなかった 91.4%
→こちらの答えは、皆さん想定されていた通りじゃないでしょうか?
国のHPに書かれても、患者さんがそのHPを見るなんてほとんどないですよね・・・。
自分としての見解は、健康サポート薬局は、国の政策である、地域のハブを薬局が今後担うための準備のための称号だと思っています。これが、地域連携薬局につながってきています。国の政策として、多すぎる薬局を減らす(3万店ぐらい)、病床数を減らして、自宅で看取るなどがあります。
薬局については下記の記事にある通り、微増を続けており、増加をしているということは、それだけ、他との差別化をより鮮明にしなければ、次に待っているのは淘汰され、マーケットから退出することを余儀なくされます。

逆を返せば、これだけ厳しいといわれている薬局業界が持っていること自体、他の業種からすればねらい目であり、他業種は、自社で持っている他業種の経験を生かして、より綿密な経営戦略を打ってくるでしょうから、既存の薬局は太刀打ちできなくなることでしょう。

   ア 健康サポート薬局の認知方法

(問 16 で「よく知っていた」と答えた方(29 人)への質問)
問 17 健康サポート薬局について何から知りましたか。(○はいくつでも)
(上位3項目)
・薬剤師など、薬局の職員 37.9%
・医師や看護師など、病院や診療所の職員 27.6%
・家族・友人・知人 10.3%
・その他 20.7%
→ここは、表現しづらいです。理由として、そもそも、10%しか認知度がないのに、それを分析して参考になるかは何とも言えません。
やはり現場からの口コミで知るぐらいなのでしょう。そういう意味では、行政が制度を作成したにもかかわらず、そちらの協力が乏しいことの方が問題かもしれません。

   イ 健康サポート薬局への相談

(問 16 で「よく知っていた」と答えた方(29 人)への質問)
問 18 健康サポート薬局に自分の健康に関して相談したことがありますか。(○は1つ)
・ある 31.0%
・ない 62.1%
→ここは、上記同様ですね。
ただ、健康サポート薬局があれば、3人に1人は何かしら相談しているということから、初めの設問であった健康に対して意識されているが9割であったことを踏まえると、まだまだ、相談することがあってもいいのかもしれません。
元々、健康サポート薬局の認知度が10%であったのでそれを踏まえると、知っている人自体が何かしら健康に意識が高い方だと思うので、そういった意味では、まだまだ、努力する余地があるのではないかともいます。

   ウ 健康サポート薬局の取組への関心事項

(問 16 で「言葉だけは知っていた」、「知らなかった」と答えた方と問 18 で「ない」と答えた方(1,921人)への質問)
問 19 健康サポート薬局では、以下のような取組を行っています。あなたがこれらの取組で関心のあることは何ですか。(○はいくつでも)
(上位4項目)
・土・日曜日も相談に対応 41.6%
・健康維持や向上に関する取組を支援するための専門知識を持っている
薬剤師が相談に対応 40.5%
・相談内容に応じて、連携体制を取っている地域の病院や診療所、
介護施設などを紹介 40.5%
・プライバシーに配慮した相談窓口を設置し、相談しやすい環境を整備 25.0%

・特にない 14.7%
→この結果を見てどう考えるでしょうか?
患者さんサイドからは、様々な要求が薬局に対して、すでにあることを意味しています。
もちろん、専門性であったり、24時間365日対応であったり、医療機関の紹介であったり、様々な不満が実はここで明らかになっていることがわかると思います。経営サイドから考えると、人数は位置の検討、人件費等の増大など、厳しい局面がより要求されてきます。
もちろん、対応しないという方法もありますが、他薬局が仕掛ければ対応せざるを得なくなり、泥仕合が始まります。
厳しい競争は、ここからも見て分かる通り、スタートしているんだなと改めて思います。

   エ 健康サポート薬局で相談しようと思うか

(問 16 で「言葉だけは知っていた」、「知らなかった」と答えた方と問 18 で「ない」と答えた方(1,921人)への質問)
問 20 今後、健康サポート薬局で自分の健康に関して相談しようと思いますか。(○は1つ)
・思う 31.3%
・思わない 61.4%
→ここは、認知度がまだ低いので仕方ない部分かと思います。そもそもこれが圧倒的に相談したいが多くても問題化と思いますが・・・・。

   オ 健康サポート薬局で相談しようと思わない理由

(問 20 で「思わない」と答えた方(1,180 人)への質問)
問 21 健康サポート薬局で相談しようと思わない理由は何ですか。(○はいくつでも)
(上位2項目)
・自分の健康に関して相談したいときは病院や診療所に相談するため 58.4%
・健康サポート薬局についての情報がないため 39.9%
→ここは仕方ない部分だと思います。患者さんが、診療所や病院に相談をどう切り崩して、薬局でも相談できることを認知していただくかにつきるとおもいます。そのためのかかりつけ薬局であり、かかりつけ薬剤師だと思います。

 6 薬局の利用の仕方に関する広報啓発について

  (1)かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局の効果的な広報啓発

問 22 あなたは、より多くの国民がかかりつけ薬剤師を決めたり、健康サポート薬局で自分の健康に関して相談したりしてもらうためには、どのような広報啓発が効果的と思いますか。(○はいくつでも)
(上位6項目)
・医師や看護師など、病院や診療所の職員からの情報提供 54.8%
・薬剤師など、薬局の職員からの情報提供 42.1%
・テレビ・ラジオによる広報 42.0%
・自治体の広報誌による広報 27.4%
・新聞、雑誌による広報 25.8%
・ポスター、チラシ、パンフレット、リーフレットによる広報 25.8%
→これを見てどう思うでしょうか?
自分の感想としては、やはり地域で認められるもしくは、メディアなど外部への露出など何かしらアピールをしていかなければ厳しいのかなと思いました。
最近、SNSやYouTubeなど、若い薬剤師の方々は様々なチャレンジをしています。もちろん、露出を増やしている会社も見かけます。調剤薬局のCMが出だしたのもこれが関与しています。
年齢に応じて、使用する主要メディアは異なりますが、現段階の年齢層が上がれば主要メディアももちろん変わってきます。
なおかつ、ITや文明の利器の進化によってますます変わってくることでしょう。まだまだ、検討の余地ありな感じですね。

・最後に

ここまでお読みいただいた方々には、本当に感謝でしかありません。
ここまでの字数で10000字を超えています。

自分の思いとしては、批判ではなくここから何を得られてどうしたらいいか?の指標が示されていると思いますので、否定的な意見を元に、どう改善していくかを考える糧となれば幸いだと思っております。

現場では、どの医療従事者も一生懸命業務に励んでいると思います。ただ、こういった意見があることを踏まえて、各店舗で話し合ったり、自分でどうしていくか考えていくきっかけとしていただけれたらとも思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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