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平成31年(2019年)度 東京都登録販売者試験問題( 午後 )その10 問106-110

・はじめに

ひきつづき、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^

もし、個人講義やある程度の集団勉強会をご希望の方がいらっしゃれば、仕事依頼連絡先からコンタクトください。可能な限りサポートいたします。

問106

次の記述のうち、 一般用医薬品の かぜ薬の添付文書等において、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有することにより、 使用上の注意に記載することとされている事項として、正しいものの 組合せ はどれか 。
a 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと。
b てんかんの診断を受けた人は、服用前に専門家に相談すること 。
c 排尿困難の症状がある人は、服用前に専門家に相談すること 。
d 牛乳によるアレルギー症状を起こしたことがある人は、服用前に 専門家に相談すること。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)

(答え)2
a〇 これは〇ですね。覚えてほしい内容です。抗ヒスタミン薬は眠気が出やすいことです。そこから派生して注意力が落ちるので、運転操作に注意が必要になります。なので運転操作をしないこととなります。
b× これは×になります。この文章はジプロフィリンになります。キサンチン系の咳を抑える作用の薬です。気管支を広げることによって咳を抑えます。
c〇 これは〇です。抗ヒスタミン薬には、抗コリン作用が一部示すため、尿閉を起こしやすくなります。そのためおしっこの出が悪くなり、尿閉を起こすことがあるので注意が必要です。つまり、一般的な風邪薬は、前立腺肥大などは注意が必要になります。
d× これは×です。牛乳を注意しなければならない人は、タンニン酸アルブミンです。タンニン駿アルブミンは、乳製カゼインを由来としています。カゼインは牛乳タンパクの主成分であり、牛乳アレルギーのアレルゲンとなる可能性があるため、注意が必要です。

問107

次の記述のうち、一般用医薬品の 鎮咳(ちんがい)去痰(きょたん)薬(内服液剤)の添付文書等において、コデインリン酸塩を含有することにより、 「使用上の注意」の項目中に「過量服用・長期連用しないこと」と記載することとされている理由として、正しいものの組合せはどれか。
a 腸管粘膜への刺激が大きくなり、腸管粘膜に炎症を生じるおそれがあるため。
b 依存性・習慣性がある成分が配合されており、乱用事例が報告されているため。
c 倦怠(けんたい)感や虚脱感等が現れることがあるため。
d 副腎皮質の機能低下を生じるおそれがあるため。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)

(答え)4
a× これは×です。この文章はセンナなどの瀉下薬に書かれている文章です。
b〇 これは〇ですね。以前もお話ししたブロンがこれですね。読まれているかたは必要以上に使わないでほしいものです。
c〇 これは〇です。乱用に関する注意のところの内容として、「倦怠感や虚脱感等が現れることがあるため。依存性・習慣性がある成分が配合されており、乱用事例が報告されているため。」があります。
d× これは×になります。この文章は、外用痔疾患薬、化膿性皮膚疾患用薬、鎮痒(ちんよう)消炎薬、しもやけ・あかぎれ用薬に入っているステロイドによるものです。
参考までに、ステロイドは副腎皮質ホルモンと呼ばれていて、内服や外用で補充を続けると体がステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン(副腎皮質から放出されるホルモン))を出すのを減らしてしまうため、結果として副腎皮質が小さくなり機能低下につながります。

問108

次の医薬品成分のうち、一般用医薬品の添付文書等において、生じた血栓が分解されにくくなるため、「相談すること」の項目中に「次の診断を受けた人」として「血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)、血栓症を起こすおそれのある人」と記載することとされている内服薬の成分として、正しいものの組合せはどれか。
a トラネキサム酸
b 次硝酸ビスマス
c エテンザミド
d セトラキサート塩酸塩
1(a、b)2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)

(答え)3
a〇 これは〇になります。トラネキサム酸は抗炎症作用がありますが、凝固した血液の分解を抑える作用があるため、血栓をできやすくします。
b× これは、×になります。止瀉薬なので血栓には関係ありません。止瀉薬は長く飲む薬ではないので、連用に関する注意にて、「1週間以上継続して服用しないこと」と書かれています。
c× これは×になります。これは解熱鎮痛作用の薬です。妊娠後期で催奇形性や胃潰瘍などの消化性潰瘍には注意が必要です。
d〇 これは〇になります。胃粘膜の分泌を促したり、胃粘膜を覆って保護する薬剤です。これは体内で代謝されるとトラネキサム酸になるので「a」と同じなります。

問109

次の医薬品成分のうち、一般用医薬品の添付文書等において、乳汁中に移行する可能性があるため、「相談すること」の項目中に「授乳中の人」と記載することとされている成分の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 止瀉(ししゃ)薬に配合されたロペラミド塩酸塩
b 解熱鎮痛薬に配合されたアセトアミノフェン
c 鼻炎用内服薬に配合されたプソイドエフェドリン塩酸塩
d かぜ薬に配合されたトリプロリジン塩酸塩水和物
 a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

(答え)3
a〇 これは〇になります。理由としては、母乳から胎児に移行するためです。追加で、ロペラミドは眠気・めまいを催すことも覚えておくといいですね。
b× これは×になります。鎮痛剤で少し引っ掛かりを入れている感じですね。アセトアミノフェンは鎮痛剤型でも安全域が比較的高い薬です。そういった意味でも授乳中でも比較的に安全と覚えてともらえればいいかと思います。小児でも使う薬ですしね。
c〇 これは〇になります。「a」と同様になります。
d〇 これは〇になります。「a」と同様になります。

問110

次の 一般用医薬品の漢方処方製剤等のうち、その添付文書等において、偽アルドステロン症を生じやすいため 、「相談すること」の項目中に「高齢者」と記載することとされているものはどれか。
1 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
2 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
3 辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
4 メトキシフェナミン塩酸塩
5 スコポラミン臭化水素酸塩水和物

(答え)2
1× これは×になります。偽アルドステロン症という単語が出た時には、カンゾウ(甘草)を思い出してほしいです。成分はグリチルリチン酸でしたね。半夏厚朴湯には、カンゾウは含まれていないので×になります。
2〇 これは〇になります。小青竜湯はカンゾウのほかにマオウもふくまれています。花粉症の時にも使うと覚えておくといいですね。
3× これは×になります。清肺と書くと咳をイメージするかもしれませんが、以前に書いた、葛根湯加川芎辛夷のところでかいた辛夷を覚えていますか?辛夷はつぼみで花が開くイメージで鼻詰まりに効くようなイメージを覚えるとわかりやすいと思います。他は上記同様です。
4× これは×になります。上記同様です。交感神経興奮薬でしたね。エフェドリン系ですね。気管支を広げて咳を止めるなどの作用があります。
5× これは×になります。上記同様です。抗コリン薬なので、緑内障や前立腺肥大、口喝などに注意でしたね。


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